20111003 日経ビジネス
■朝田照男 丸紅社長
今後20年先は、黙っていても新興国の世界になることは間違いないだろう
日米欧がなくなってしまうわけではないが、先進国の安定成長と新興国の高成長が併存する時代になる
世界経済の成長に対する寄与率は、新興国で3分の2を占めると見ている
2000年に2億人だった中国を含むアジアの中間所得層は2020年に、20億人に増えるという
これは欧州を抜いてアメリカに次ぐ購買力だ
贅沢品や耐久消費財も含め、我々は消費地としてのアジアを常に念頭に置いて戦略を立てなければならない
こうした中、資源価格はこれまでのような急激な右肩上がりも、大暴落もなくなると考えている
中国、インド、東南アジア、南米、アフリカと需要は安定して伸び続けるが、一方で供給側も新規開発を急いでいる
2012〜2013年は供給の底になるが、2014年以降は資源メジャーの新規開発が始まる
穀物は現在は需給バランスがマッチしているが、食の西欧化で肉食が増えれば需給は逼迫するだろう
1トンの牛を育てるためには、その13〜15倍の穀物が必要で需要が爆発的に伸びる可能性は高い
■岡藤正広 伊藤忠商事社長
儲けの秘訣は、「お客さんに儲けてもらうこと」
自分が儲けるためには、パートナーであるお客さんが儲かる仕組みを考えないといけません
会社にとって本当のお客様は誰か
もしかしたら、本当のお客さんは、目の前の相手ではない場合もあるんです
僕が紳士服の生地を海外から輸入する仕事をしてた時代ね。英國屋というテーラーさんが東京の帝国ホテルで生地の展示会を開いたんです
紳士服の生地の展示だから当然、会場に足を運んでくるのは男ばかり、僕は最初そう思っていた
ところが、実際には奥さんや娘さんが大勢いたんです
想像と違ったから、驚いたけれど、そこからぼくは生地の本当のお客は女性じゃないか、ということを知ったわけ
単にお客さんの儲けだけを追求していれば、いいわけでもないんです
重要なのは、その儲けの仕組みを自分が主導できるかどうか
儲かる話を常にお客さんから求められるようにせないかんのですな
お客さんが儲かるようになると、商社はいらないよとなってしまう
逆に、あんまり主導権を握り過ぎると、お客さんの儲けが減っちゃう
ですから、商社は時代によって、お客さんとの立ち位置をどんどん変えています
そうやって、お客様の儲けと主導権のバランスを取ってきたんですね
■奥正之 三井住友フィナンシャルグループ会長
組織はどうしても自己増殖を始めます
その結果、部門にとっては最適でも全体のためにならないという現象が起きるのです
いわゆる、「部分最適、全体不適合の罠」に陥らないためにはトップ自らの目によるチェックが常に必要です
現場重視という言葉がありますが、それでは足りません
組織の壁を作らないためには、まさに現場直視が重要なのです
■朝田照男 丸紅社長
今後20年先は、黙っていても新興国の世界になることは間違いないだろう
日米欧がなくなってしまうわけではないが、先進国の安定成長と新興国の高成長が併存する時代になる
世界経済の成長に対する寄与率は、新興国で3分の2を占めると見ている
2000年に2億人だった中国を含むアジアの中間所得層は2020年に、20億人に増えるという
これは欧州を抜いてアメリカに次ぐ購買力だ
贅沢品や耐久消費財も含め、我々は消費地としてのアジアを常に念頭に置いて戦略を立てなければならない
こうした中、資源価格はこれまでのような急激な右肩上がりも、大暴落もなくなると考えている
中国、インド、東南アジア、南米、アフリカと需要は安定して伸び続けるが、一方で供給側も新規開発を急いでいる
2012〜2013年は供給の底になるが、2014年以降は資源メジャーの新規開発が始まる
穀物は現在は需給バランスがマッチしているが、食の西欧化で肉食が増えれば需給は逼迫するだろう
1トンの牛を育てるためには、その13〜15倍の穀物が必要で需要が爆発的に伸びる可能性は高い
■岡藤正広 伊藤忠商事社長
儲けの秘訣は、「お客さんに儲けてもらうこと」
自分が儲けるためには、パートナーであるお客さんが儲かる仕組みを考えないといけません
会社にとって本当のお客様は誰か
もしかしたら、本当のお客さんは、目の前の相手ではない場合もあるんです
僕が紳士服の生地を海外から輸入する仕事をしてた時代ね。英國屋というテーラーさんが東京の帝国ホテルで生地の展示会を開いたんです
紳士服の生地の展示だから当然、会場に足を運んでくるのは男ばかり、僕は最初そう思っていた
ところが、実際には奥さんや娘さんが大勢いたんです
想像と違ったから、驚いたけれど、そこからぼくは生地の本当のお客は女性じゃないか、ということを知ったわけ
単にお客さんの儲けだけを追求していれば、いいわけでもないんです
重要なのは、その儲けの仕組みを自分が主導できるかどうか
儲かる話を常にお客さんから求められるようにせないかんのですな
お客さんが儲かるようになると、商社はいらないよとなってしまう
逆に、あんまり主導権を握り過ぎると、お客さんの儲けが減っちゃう
ですから、商社は時代によって、お客さんとの立ち位置をどんどん変えています
そうやって、お客様の儲けと主導権のバランスを取ってきたんですね
■奥正之 三井住友フィナンシャルグループ会長
組織はどうしても自己増殖を始めます
その結果、部門にとっては最適でも全体のためにならないという現象が起きるのです
いわゆる、「部分最適、全体不適合の罠」に陥らないためにはトップ自らの目によるチェックが常に必要です
現場重視という言葉がありますが、それでは足りません
組織の壁を作らないためには、まさに現場直視が重要なのです