■東洋経済 20121201

■ジェフ•ベゾス アマゾンCEO
キンドルの価格は損益分岐点に設定しており、顧客が「買う」ときでなく、「使う」ときに稼ぐ
購入した人は電子書籍、ゲームなどのコンテンツを買う
顧客との継続的な関係を築くことがアマゾンのビジネスモデルだ

タブレットには、様々なアプローチがある
キンドルではコストを下げ、安くするように努力した
一方、顧客により多くカネを払ってもらうよう、努力する企業もある
どちらも成功する可能性がある

他社を真似したビジネスには手を出さない
私はよく「実店舗に進出するか」と聞かれるが、普通の店であればやりたくない
従来と異なる優れたサービスを提供できない限り、ビジネスはやらない
アマゾンは普通のやり方は絶対にとらない

ソニー創業者の盛田昭夫さんはソニーの製品にとどまらず、日本の製品が高品質であると世界に伝えよう、という大きな使命感を持っていた
私は一つの企業のためだけでなく、より大きな使命感を持っている会社が好きだ

私はアマゾンを地球上で最も顧客中心の会社にして、多くの組織のロールモデルになりたい

■スティーブ•ジョブズについて
市場調査はしない
ジョブズは、自動車を普及させた立役者、ヘンリー•フォードの言葉を引いて説明する
「何が欲しいかと顧客に尋ねていたら、足が速い馬と言われたはずだ」と

どのような製品をつくるのか、どこを重視するのか、どう仕上げていくのか
ジョブズは多分に感覚的だ

ジョブズとベゾスには共通する点もある
まずは「情熱を注げるものに集中するところ」
もう一つ、徹底的に利用者の立場から物事を検討した点も、共通している
製品にせよ、ウェブサイトにせよ、開発では機能を詰め込みがちで、どこになにがあるのか、どうすればやりたいことができるのか、わかりにくくなってしまう
「アイポッド」を開発したとき、ジョブズはどの機能にも3クリックでたどり着けることを求めた
ベゾスも買い物に必要なクリック数をできるだけ減らそうとした

■イオン
今年8月に「イオンスクエア」を開設、eコマース市場に本格参入した

ネットとリアルを連動させ、シナジーを生み出すことこそ最大の目的だ
たとえば実店舗で催されるイベントやお買い得情報をイオンスクエアで一元的に発信し、ネットスーパーの利用者をイオンモールの専門店へ誘導する
逆に店舗で見ていた商品を帰宅してネットで購入してもらう
ネットとリアルを自在に往来する流れを作ることで、あくまで両方の売上高を増やすビジネスモデルだ
「顧客の創造をせずに、ネットという買い場を増やせば、リアルとカニバる」

■セブンアンドアイ
実現しようとしているのは、実店舗とネット専業を持つ強みを生かし、需要創造型のマーチャンダイジングをすること

一例が、セブンネットで売れ行きを確認してリアル店舗の大量販売につなげたこと

実店舗のノウハウは、ネットでの売り方にも有効だ
たとえば料理のレシピ本とネットスーパーの食材を関連付ける
あるいは、そごう•西武でオーダーシャツのサイズを登録すれば、次回からネットで容易にリピート購入できるようにする