◼︎20130204 日経ビジネス

◼︎大山健太郎 アイリスオーヤマ
現場からは開発が間に合わない、原材料費で元が取れないという意見があるかもしれません
ただ、これはメーカー側の論理であり、顧客には関係のない話です
価格を決める際、製品原価に販売管理費や製造経費、利益を足しこむことが一般的だと思いますが、当社の場合は初めに販売する価格を決め、次に利益を引き、製造原価などを決めていくという「引き算のプロセス」です
製品価格→利益→販売管理費→原材料費→製品経費

ものづくりは目的ではなく、あくまでプロセスです

他社が対応できない顧客の依頼に応え続けること
それが、どんな環境下でも利益を生み出し、ひいては企業を存続させることにつながるということを忘れないでください

ここまで見て、永続のカギは変化対応ということがご理解いただけたと思います
それでは、自社が社会の変化に対応できているのか、変化対応度らどのように測ればいいのでしょうか
アイリスでは、売上高に占める新商品の比率を指標にしています
効率を考えれば、ロングライフ商品を出すのが一番でしょう
ただ、ロングライフ商品への依存は企業が思考停止に陥る前段階で、結果的に大赤字の元凶になると私は考えています

新商品を毎年大量に投入すると、一見効率が悪いようにも見えるでしょう
ただ、単年の決算だけでなく、会社の未来を考えれば、損して得を取るべきです

アイリスは世間から「厳しい会社」として知られているようですが、それを実践するからには、経営者である私が自分自身に対して一番厳しくしなければいけません


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マイケル・ポーター
戦略の中核を成す原則は、
「顧客のためにユニークな価値を創出する」「何をして何をしないかを明確にし、選択する」の2つです

企業規模は成功を決定する上で最も重要な要素ではありません
重要なのは、自らの立ち位置をしっかりと固めることだと教えてくれます

事業において最も大切なことは、他社とは違う独特の方法で(顧客や社会の)ニーズを満たすことです
ニーズを満たすことから利益が生まれます
利益が先にあって、そのあとにニーズがあるのではありません
当たり前のことに聞こえるでしょうが、実際には「どうすれば利益を得られるか」と考えるところから始める人が多すぎる気がします

事業が成功するのは、ある特定のことに対して強い情熱を持つ人物が「自分たちなら変えられる」「影響を及ぼすことができる」「もっとうまくできる」と思って事業を生んだ場合です