◼︎20140519 日経ビジネス

◼︎竹内敏晃 日本電波工業会長
相次ぐ危機の中で私は感じました
経営はあらゆる危機を想定して備えることだと
その備えが強さを生むもとになるのです

◼︎藤森義明 LIXILグループ
大きな目標を掲げれば、リーダーとメンバーはその実現に向けて、今まで使わなかった筋肉を動かしてでも、達成に向けて動き出します
一方、少し背伸びをすれば達成できる目標を掲げた場合はどうでしょう
今までの経験に少しの変化を加えるだけで達成できるのであれば、最初から大きな変化を自らに課そうとはしないはずです
海外売上高1兆円の達成は、今までのやり方では到達できないのは自明の理でしょう
となれば、従来のやり方を否定しなければ前へ進めません
この点もストレッチの狙いの一つです
ストレッチと呼べるだけの高い目標を設定する目安として、「自分が跳べると思う高さの3倍を掲げろ」と言っています
新しい制度を導入すると、当然拒否反応が出てきます
ただ、LIXILでは変革を起こして世界でトップになるための人材を求めている
その価値観に賛同してもらう必要がある
低迷する人を奮起させるのは重要ですが、会社の基準をその人に合わせるのは間違いです

私はGEで人事権とは「人を集める権利」だと教えられました
チームを作る責任はリーダーにある
リーダーは人を集めて良いチームを作り、結果を出さなければならない
そのためにも人事権は、人事部ではなく、リーダーに与える
人事部は、リーダーたちがチームを作りやすい環境や仕組みを提供する黒子に徹するべきなのです

GEの人材育成が優れているのは、それが1つの国や地域だけのものではなく、世界共通という点です
GEは世界中で事業を展開し、多くの会社をM&Aで傘下に収めてきました
ですから、社内ではありとあらゆる国•地域出身の社員が働いています
それらの人材が、どこに行っても同じ価値観で働ける仕組みを作っています
だから、世界中から人材を引き付けることができる


◼︎塩野七生
フリードリッヒ2世は、最終的な「大目的」はしっかりと押さえていた
そこに至る手段、つまり十字軍遠征の場合、軍事的に進めるか、それとも外交交渉で進めるかは、彼にとってはどちらでも構わない

「組む」というのがいい
実際にタッグを組んでどこまでやるかということよりも、「組んだ」ということを相手方に知らせるだけで十分
これを抑止力と言うのです
フリードリッヒ2世も巧妙に使った手です

政治家は「決めたらすべてのことを実行しなければならない」ことはないんです
これはマキャヴェッリも書いています
待ったほうがいい場合もあると
もちろん即決即断して即実行しなければならない場合もあります
だけど、待っていれば周りの環境の方が動いてくれるかもしれない
だから外交の一側面では、待っている方が正解ということもあるのです

作家として言えることは、神は細部に宿るということ
小さなエピソードを書き込んで、書き込んでいくと人間の姿がよく見えてくる

例えば戦争を描く場合、私は一兵卒の立場では書かない
いつも大将の立場でモノを見るんです
大将が非常に優れていると、味方の損失だけでなく、敵の損失も最小限にとどめながら目的を達せられることもある
逆にリーダー不在の戦いは悲惨です


◼︎永守重信 日本電産社長
大事なのは社員の意識だ
社員が「会社をもっと強くしよう」「もっと大きくしよう」と自ら意識を持つようになって初めて企業は強くする
だから強引に完全子会社化を急いだりすることは慎んできたのだ
環境の変化と、子会社の成長のためには、非上場にして自由な戦略を取れるようにすることが大事になった
それを子会社の側も言ってくることが多くなったし、私も意識するようになった
ここ数年の完全子会社化にはそんな背景がある
ここまで来るのに、多くの子会社はM&Aで当社の傘下に入ってから10年かかっている
しかしそれはムダな長さではない
その間には上場会社であることが社員のモチベーションになっていたからだ
そして今は、非上場となって子会社自身がM&Aで次なる成長を模索することが新たなモチベーションになっている
だから、私は、完全子会社化しても、これらの子会社を本体と合併したりはしない
その方が彼らの士気を維持し高めるからだ
日本電産全体の戦略との平仄(ひょうそく)は合わせてもらうが、自主経営の基本は残す
グローバル化の時代、経営者は「外に目を向けよ」と常に言われる
しかし、私は、経営者は一方の目で外を見ても、もう片方の目では同時に内(社内)をみていないといけないと思う
企業とは社員の意識の集合体であることを忘れてはならない