◼︎20141201 日経ビジネス

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目的を設定するときに大切なのは、期限を決めることです
人間はゴールを決めると知恵が湧き、どれだけ大変でもあきらめようとは思いません

◼︎吉永泰之 富士重工業社長
今回、新しい中計を策定する方法をがらりと変えました
以前は、どの会社でもよくまる対前年比をベースにする「積み上げ型」
各部門に現状や今後の見通し、目標を提出してもらい、それを経営企画部門などがまとめて会社全体の計画に仕立てていたのです

積み上げだけで経営はできません
企業として目指すべき「ありたい姿」がどこなのか
まず、それを示すべきだと考えました
その旗を立てるのは、
経営陣であり、社長の役割です
旗を立てた場所と現状にはギャップがあります
そこから演繹的に、これからなにをすべきかを考え、実行に移していくべきだと考えました



現場とのやりとりで私がよく言うのは、「結果の数字で議論するのはやめよう」ということです
損益計算書も販売台数も、結果としての数字です
それをベースに議論するのは意味がない
よりよい結果を生むためになにをやればいいのか、どうすれば可能性が高まるのか
仮説を立てることが必要なのです


2020年度の目標は「110万台プラスα」
2014年度の計画は前年比10%増の約91万台なので、ここ数年の伸びと比較すると物足りないという見方もあるでしょう
100万台の次は150,200万台と上を目指したくなるのが自然かもしれません
ただ、これこそ経営戦略で、私は絶対にしたくない

スマイルカーブで例えれば、現在のスバルはシェアが小さくてもある程度ニッチな市場で特徴のある商品を出し、高い利益率を確保できている状態です
ではスバルが足元で儲かっているからといって、コンパクトカーをつくって新興市場で規模を追うようなことをしたらどうでしょうか
差別化もコスト競争力もどちらも中途半端になり、カーブの底から抜け出せなくなってしまうはずです