◼︎20141027 日経ビジネス

◼︎野依 良治
ノーベル賞受賞者の共通点は、目標に向かうひたむきさ
この目標設定こそが非常に重要です
独創的で思い入れのある課題を決めたら、ぶれずに研究に打ち込むしかない
独創的という言葉は、「独り創造的である」という漢字を使います
だから、設定テーマが独創的であればあるほど孤立無援になります
生きにくいかもしれないし、多数派優位だからいじめられるかもしれない
それでも、少数派であることを誇りに、やり続けるしかありません

今回ノーベル賞を受賞した赤崎勇先生は「我一人荒野をゆく」とおっしゃった
それでも、荒野の先に緑豊かな大地があるはずだと信じていたのでしょう
実に立派です

競争は厳しく、苦しいものです
心の拠り所は、アイデアがユニークであること
あるいは、自分は人には真似出来ない技術力を持っていると思うことです
その先には社会への貢献という強い思いが欲しい
私が若い頃は「戦後復興」という至上命題がありました

◼︎小林 誠
基礎研究の世界は、まさしく死屍累々です
失敗する人がたくさんいて、その中から、いくつか成果が出ればよいわけです
こういう研究は、国や大学が担うべきものです

リスクを取って実用化にほど近い分野の研究をするのは企業の役目です
ですが、企業こそ本来リスクを取るべきところで取っていない

基礎研究は、成功確率の低い厳しい世界です
だからこそ、見守る度胸が必要です
それこそが先進国てまあり、科学技術立国ということだと思います

◼︎濱口 道成
才能を開花させるには、文化や環境が必要なのです
ノーベル賞受賞者の環境とは、師匠の存在に他なりません
環境に恵まれなければ「隠れた才能」で終わってしまいます
イノベーションに取り組む勇気を、師匠が弟子に与えるのです
天野先生が、いくら失敗しても同じ実験を1500回繰り返すことができたのも、信頼する師匠の存在があったからでしょう

◼︎日覺 東レ社長
電機のような組み立て産業では、顧客の嗜好に合わせる必要があります
何が好まれるかは人それぞれですし、時代によっても変化します
ニーズをいち早くつかまえるために、企業自体も目まぐるしく変わる必要があります
そうした産業では、オセロゲームのように大きな流れができてしまうと、どう抵抗しても勝てません
VHSとベータのビデオ戦争のようにね
技術が高いと訴えても意味がありません
自らルールを作れる胴元にならない限り、勝てない仕組みになっています
そこが素材メーカーである我々との大きな違いだとおもいます