◼︎買っていい株ダメな株 週刊東洋経済

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投資家というのは自分が買った値段というものを基準に考えがちだ
行動経済学ではこれを「参照値」という
株価はあくまでも価格であって、その企業の実態価値とつねに一致しているわけではない
株式投資の本質は、価格ではなく、価値で買うことである
したがって、業績が悪化したことで株価が価値に比べて割高になったとしたら、価格が上がっていようが下がっていようが、本来は売るべきだ
しかし多くの人は「価値と価格を比べる」のではなく、「自分が買った価格と現在の価格」を比べて判断してしまう
そこで投資家がよくやるのが、下がったところで単純に買い増しをする「ナンピン買い」だ
業績や成長性が変化していないにも関わらず市場全体の影響で下がってしまったのであれば、割安だから買えばよい
しかしながら単に買った値段から下がったといって、「平均価格を下げるために買う」というのは意味がないし、むしろ単に賭けの金額が多くなり、リスクを大きくしているだけである
これも投資家が「自分の買い値」という参照値にとらわれてしまっているから起こしてしまう不合理な行動だ