◼︎20150629 日経ビジネス

◼︎槍田 三井物産顧問
三井物産に限らず、大きな会社ほど、昔に比べ、社員は上司が要求することに従順に応えてばかりで、個性をあまり感じません
私たちが若かった頃は、会社はこう言ってるけど現場はこうだ、と意気込んでいました
最近はそういう強い個性を会社が許容しなくなったのかもしれません
会社が社員に機械のような仕事の仕方を要求してしまっている
若い人が個性を発揮出来ないのは、むしろ、経営の責任です

コンプライアンスをガチガチにしたところで不祥事は減りません
私もいろいろやってきましたが、本質的に大切なことは会社と社員、上司と社員の信頼関係です
リスクにいくら備えても、将来のことはあまりわからない
それならば、最後には社員の熱意を信じて現場に任せ、きちっと仕事をしてくれる人を養成していくしかない
そうした人材の育て方が出来なくなっているのは、効率を重視し過ぎている側面もあるでしょう
効率を少々犠牲にしても、面白い人材を育成しようともっと努力すべきです
社員に個性がないことを嘆く前に、まずは会社がリスクを取って、社員を信じて任せる
それをして初めて、社員はその信頼に応えようと成長するのです

仕事に対しても会社に対しても、「これこそが追い求めるもの」と単純化しすぎると、その人の個性はどんどんモノトーンになる
それでは物足りない
結局のところ、視野を広げ個性を磨くことは、良い人生を送る上でも必要です
仕事で成功するだけが、「良い人生」ではありませんよ

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仕事のやり方を変えるのはエネルギーのいることです
「自分はこのやり方でずっとやってきた」と抵抗するベテラン社員に悩む経営幹部も多いと思います