■20151005 日経ビジネス

■鈴木敏文 セブン&アイ ホールディングス会長・CEO
私はずっと、「変化対応」と言い続けている
時代は変わるものだ
戦争の前後で考え方も教育も大きく変わったということを実際に痛感した
いい悪いはともかく、変化に対して自分たちも変わっていかなければ倒れてしまう
企業も同じだ
変わるのだから、過去と同じ考え方、同じ手法で通すことはできない

30年経てば衰退していく企業は、世の中の変化に対応でしていないからだろう
成功体験が失敗のもとになる
成功はそのときに上手くいっているということであり、時代が変われば同じ手法ではダメだということ

商品のライフサイクルも、昔はだんだん売れていってピークに行ってやがて下がってくる「富士山型」だった
それが急に売れて急に売れなくなる「茶筒型」になった
今はもっと極端で、パッと売れて終わる「ペンシル型」だ
そういう時代なのに、富士山型と同じ商売をやっていたらとても対応できない

一方、変えてはいけないものもある
それは基本理念だ
例えばセブンイレブンは今1万8000店になったが、その間、組織も変え、品揃えも大きく変えてきた
だけど加盟店の皆様との共存共栄
そして小売流通業の近代化・活性化に寄与するという設立時の基本精神は全く変わっていない
お客様の立場に立つというのも不変の真理だ
自分の経験の範囲内だけで考えていたら絶対に発展しない

時代とともにあらゆるものが変わるという考え方を社是とすればいい
難しく考えない
平凡に、単純に考えればいい