■20160201 日経ビジネス


厳しい経営環境に置かれているのは電機業界だけではない
にもかかわらず、産業革新機構は電機業界に対して重点的に救いの手を差し伸べてきた
これまでの累計出資額は約8000億円だが、その半分が電機業界向けだ
そもそも革新機構は、リスクマネーの乏しい日本でベンチャー企業を育成することが主な目的だったはずだ
同社の勝又幹英社長はこう語っている
「シリコンバレーのようにベンチャー企業によって新たな事業が次々と生まれたエコシステムを日本に築き、世代を超えた多種多様な起業家がイノベーションに挑戦しやすくする必要があります」

■山本良一 Jフロントリテイリング社長
1991年の家計消費支出における被服・履物の割合は7.3%でしたが、それが今では4%と約半分です
この数字の背景には、ファッションのカジュアル化と単価の低下が影響していますが、今の人がいろんなことにお金を使うようになったこととも関係しています
価値観が多様化しているんですね
スポーツ観戦や演劇、ライブなど趣味の世界には惜しみなくお金を出す人が増えています
コト消費というやつです
ファッション離れの流れに抗うことはできません
かといって百貨店として「はい、そうですか。あきらめます」というわけにもいかない

小売業は、やっぱりドメスティックな産業なんですよ
その国、その地域を土俵にして戦うのが一番いいのです
フランスのカルフールも日本から撤退したように、欧米資本の大手小売業も日本での苦戦が目立ちますね
1店舗1店舗を、マーケットの変化に合わせてカスタマイズし、成長させていうやり方が最も合っていると思っています


■頼光裕 シネマライブ代表
渋谷 スペイン坂のランドマーク、シネマライブが今年1月7日をもって閉館しました
惜しむ声はとてもありがたいのです
しかし、内容は「あの映画は良かった」「あの時代が懐かしい」「青春時代を思い返す」というようなノスタルジーに浸るようなものばかりでした
常に私たちは新しいカルチャーを求めてきましたから。回顧上映を一切やってこなかったのも同じ理由です
ですから、私は「ああ、今、この時点で閉館を決めて良かった」と本心から思っているのです

閉館に際しても、回顧上映を求める声は多かった
が、それをしないのが私のポリシーです