2010年12月

日経ビジネス20100913

日経ビジネス20100913

■弁護士
弁護士の人数が増えすぎて、就職難や質の低下が大問題になっている
2000年に全国で約1万7100人だった弁護士の数は、今や2万8800人に達している
10年で7割近くも増えた
きっかけは2001年、小泉元首相が進めた司法改革にある
司法試験の合格率を高めて、弁護士を増やすことを政策とした
合格率が3%に過ぎず、「日本一難しい国家試験」などと称されていたのは昔のこと
2006年から従来の司法試験よりも格段に高い合格率を想定した新司法試験を実施している
2009年の合格率は3割とかつての10倍となった
2011年を最後に新司法試験に全面移行する

政府が司法試験合格者の増員を閣議決定したのは2002年のこと
「国民の間で法的需要が高まる」とする予想に基づき、それまで年間500〜1000人で推移していた合格者を2010年頃まで徐々に年3000人引き上げることにした
これだけ弁護士の数を増やすのは、より手軽に司法の場で紛争を解決できるようにしたり、企業や官庁、国際機関など、弁護士が活動する領域を広げたりしようという思想がある

■「感性を圧縮するな」小島ファッションマーケティング
ファッション業界を中心に消費の現場をずっと見てきましたが、端的に言うと今の消費者には夢や理想がない
個性やバラエティーに富んだ服を選ぶのではなく、みんなと同じで背伸びをしないのがよい
クルマも時計も家も、みんな理想を抱かなくなった
これが消費の退化だと私は考えます
バブル経済崩壊後、若い人たちの可処分所得が減り、生活水準が下がり質素になりつつある
そこに「アパレルは生活のパーツ」と明言したユニクロが誕生した
ファッションにロマンを持ち込まず、機能を全面に打ち出して大成功を収めた
退化する消費と理想を追わないもの作りが見事にはまったのだ

日本企業は小手先の工夫は器用です
小技を用いてマイナーチェンジに頼ってきた
ところが、米アップルや韓国のサムスン電子のように大胆なデザインやコンセプトの新製品を世に出すことができない
これも消費が退化し、感性が萎縮しているからではないでしょうか
まずは自ら感性を磨く必要があると考えます

■楽天が英語化する必然 まつもとゆきひろ(ruby開発者)
英語化の取り組みは非常に合理的で当然の判断だと考えている
楽天は昨年から国際化に本腰を入れ、その結果日本語を母国語としない社員がかなりの割合で働いているのが実情だ
そうした社員に対して、グローバルで通用する英語を使うのは当然だ
社内会議でも英語を使うことが増えた
日本人だけで議論するときに、あえて英語を使うのは不合理だ
しかし、日本語がわからない人が一人でもいるなら、英語で話すのは国際的な常識だ

立場を入れ替えて考えてみればいい
例えばあなたが、フランスやチェコの会社とビジネスをする場合、欧州の人々は英語で話しかけてくれるだろう
無理してチェコ語で話せとは言わないはずだ
海外で日本人がやってもらえることを、日本国内で外国人に対してするのは当たり前だ

これまでの日本のIT業界で英語を使わずに仕事が出来ていたことが異常だったのかもしれない
ITの先端情報は9割近くが英語で発信されているのが現状だ
一方で日本のIT技術者はあえて英語を学ぶ必要がなかった
難解な技術情報でも、誰かが翻訳してくれるからだ
コンピューターサイエンスの専門書が英語以外で読めるのは、恐らく日本だけだろう

日本のIT技術者は、世界の中でも非常に恵まれた状況で仕事ができていたと認識すべきだろう
逆に少しでも英語ができれば、国内ではアドバンテージになっていた
だが、こうした箱庭のような住みやすさが続くとは思えない
インターネットが普及し、情報の伝達速度が上がったことで、翻訳のタイムラグが致命的な遅れになりかねないからだ
英語がわからなければ今後、IT業界では勝ち残れない
三木谷社長は英語を公用語化すると宣言して、楽天社内の技術者に危機感を抱かせることに成功した
日本だけに閉じこもっていては成長するのが難しいのだから、当然の戦略だろう
今後、多くの企業が英語化で追随することになりそうだ
しかし、もはや楽天のときほど話題にならないだろう
近い将来の日本では、英語公用語化は至極当然な判断と受け止められるようになるはずだ



ケータイが安ければいいから流れが「スマートフォン!」に変化した

アイフォーン、アンドロイドケータイの登場でフインキが一気に変わったと思う
一年前ぐらいは、とにかく安く
通話料はホワイトプランで無料
WEBはやらずにパケット代節約
月々2000円ぐらいが人気?だったのに、
今はパケット代4500円定額、アプリ代数百円(0円?)
と、かなり料金が上がるがスマートフォンが人気になってきている

時代の流れがここまで変わるとは
きっとガラケーみたいに必要もない無駄な機能が追加されて消費者がうんざりしているぐらいに、イノベーションって起こるんでしょうね

主役が日本企業でないことが残念だ


日経ビジネス20100830

日経ビジネス20100830

■都心マンション活況は最後の宴
野村不動産の「プラウドシティ池袋本町」
今では市況回復の象徴として、業界関係者の間では頻繁に話題にのぼる
JR板橋駅に隣接する大規模マンションは、大半がすでに売り出され、即日完売した
伊藤忠都市開発などが手掛けた墨田区の「オアシティ錦糸町」
スカイツリーを望む立地を売りに今年3月に発売。やはり即日完売した
「瞬間蒸発」の新築マンションは春先以降急激に増えている
東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション供給戸数は、2010年2月に3ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなった
そのあとも供給戸数は増加基調にある
需要の牽引役は30〜40代
その中でも、「世帯年収が1000万円前後の比較的所得の高い層が中心」
2008年のマンションバブル崩壊以降、不動産市況の低迷が続いたため、多くがマンション購入を見送っていた
その層が動き始めたのだ
彼らの背中を押しているのが、1%を切る水準にまで低下した金利と様々な政府の景気刺激策だ
過去最大規模の住宅ローン減税や贈与税の非課税枠拡大、金利を1%優遇する住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35S」は、購入に踏み切る大きなきっかけとなっている
ただし、今回のマンション好況は局所的な減少に留まる
高所得の世帯の多くは、通勤に便利な都心部を中心にマンションを選ぶためだ
郊外型の物件は、現在も苦境が続いていて、2008〜2009年にかけて多くの中堅デベロッパーが破綻し、作り手がいないという根源的な問題も抱えている
実際2010年上期の地区別供給戸数では、都区部で26%増加した一方、周辺の県ではすべて減少しているという結果がでた

都心部のマンション需要を牽引する30〜40代は、いわゆる団塊ジュニア世代を中心に、その前後の世代にあたる
少子高齢者が進む国内では、最後のマス世代と呼ばれる市場だ
「マスといっても、高所得者層はそもそもボリュームが少ない。需要が一巡すれば、遠くない時期に市場は再び停滞する」とアンビシャスの安倍徹夫社長は言う

宴の後に待ち受けているのは、需要喪失に伴う塗炭の苦しみではないか


■法人税
「40%の法人実効税率が35%に下がっても、租税特別措置が廃止されたら増税になってしまう」と、電機大手の経理担当者は小声で話す
ここ数年、不景気による損失もあり、「実のところ企業の税負担はそれほどでもない」と指摘する民主党議員もいる
共産党は「日本のトップ大企業の利益にかかる法人課税の実際の負担率は、優遇措置によって30%程度」という試算を公表
「大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には外国税額控除などの優遇措置があり、40%の税率は骨抜き」だと批判している


■堺屋太一(元経済企画庁長官)
(官僚制度改革を論じる際の大前提は、)「官僚は官庁より国家、国民、政権の利益を優先している」とか「官僚は倫理的に優れている」といったロマンを抱いている人も少なくありません
それは幻想です
彼らは、普通の人間であり、公務員集団の利益だけを図る利益集団というのが本質です
公務員に対する特異なロマンを国民が抱かない
これこそが、日本改革の大前提です

「政治主導」を掲げる民主党議員は、官僚を自分たちの言うとおりに運転するタクシー運転手だと思っています
ところが、実際には官僚は行き先が決まっている路線バスの運転手です
後ろに乗っている乗客(政治家)が何と言おうと、官僚集団の利益に行き着くわけです
どうしてかというと、その目的地に到達しないと、官僚として出世しないからです
官僚の人事は官僚集団の中での評判だけで決まります
能力より資格が優先される仕組みで、幹部人事などは、決して適任者を選んでいるわけではありません

官僚制度が産業別縦割り制度を作り、将来の成長産業である医療や教育、環境といった分野の発展を阻害し、人材や技術、資金がこうした分野に流れなくなっている
これも改革が急務な理由です
例えば医療分野では医療法人という制度のために、経営のプロとは言い難い医師出身の院長がほとんどで、資金調達に苦しみ、優秀な経営者も電子技師もおらず、経営効率も悪い
一方で、そうした非効率経営でも成り立つことを前提に厚生労働省の役人が医療保険料を定めているので、当然保険料は高止まりします
先端医療サービスも制限しています
いずれも官僚集団の利益になるためですが、こうした現状のままでは、成長産業になるはずがない
保険料が高くなるばかりだ

第二次世界大戦に突入した経緯と同様に官僚が情報統制をしていることも大きな問題です
例えば、少子化問題を論じる際、厚労省やお抱えの評論家などは少子化対策が上手くいっている国としてフランスとスウェーデンを必ず挙げます
実はアメリカのほうがはるかに出生率が高いにも関わらず、アメリカは例にはなりません
理由を厚労省の担当者に尋ねたところ、「アメリカの少子化関係予算は少ないし、役人の権限も少ない。そんな国の状況をつまびらかにすれば、私たちの権限や予算が減ってしまいます」
自分たちの権限や組織を守ることを優先して「一億玉砕」を叫んだかつての職業軍人の姿に重なって見えてしまいます

公務員制度を適正にする3本柱は府省の垣根を越えた人事異動、能力と意欲を踏まえた抜擢と淘汰、他職業からの中途採用です
本省の管理職の半分は生え抜きエリート組以外から登用するようにすべきです
適材適所の人事を実行するためにも、給与体系の抜本的な見直しが欠かせません



■玉村豊男(エッセイスト、画家、ワイナリー代表)
輸出さえ増えればよいという経済ではいずれ立ち行かなくなることは目に見えているのに、20余年前に「前川レポート」が進言した「内需の拡大」は無視されたまま、またぞろ円高に慄き中国特需にすがりつく
日本経済の外向き志向は変わらない

長野県は優れた牛肉の産地である
県内で肥育された肉牛は評価が高く、既にいくつかのブランド牛が生まれている
が、その大半は関西方面などの市場に出荷され、県内ではほとんど食べられていない

私のワイナリーではレストランを営業しているので、県の関係者からプレミアム牛肉を使いませんかという売り込みがあった
聞けば、小売り価格は1kg2万円だという
100g2000円の牛肉など私は個人でも買ったことがないし、たとえ100g1200円で仕入れられたとしても、ただ小さな肉を焼いて皿の上にのせただけで最低4000円はもらわないと商売にならない計算だ
「地産地消」といいながら「地産外商」に偏っていることはつとに指摘してきた

県内で食べないものを県外に売ろうとするのはそろそろやめたほうがいい、というのが私の持論である
宮崎県民が誰も食べない1個数千円のマンゴーを県外に売り込むことで知事が名を上げるような時代は過ぎ去ったのではないのか
B級グルメが流行っているのはなぜだろう
地元の人たちが好んで食べているものだからこそ、おいしいですよ、といって差し出したときに説得力がある

これは食べ物商売の鉄則だが、外商よりもまずは地消を、外需を頼る前にまず内需の拡大を、と考えるのは、他のあらゆる分野にも適用できる発想ではないだろうか


日経ビジネス20100802

日経ビジネス20100802

■金融市場
2005年末からの4年半の間に、中国・上海市場では上場する国内株式の時価総額は2861億ドルから2兆506億ドルへと7倍以上に急成長した
同じ期間、東京市場に上場する国内株式の時価総額は4兆5729億ドルから3兆2773億ドルへと3割近くも減少した
日本に上場する企業の株価が上昇しなかったことに加え、新規に上場する企業が激減したことが大きな要因だ
要は成長が著しい中国の市場には膨大な資金が流入したのに、日本には資金が流入せず、むしろ流出していったことが背景にある

そうは言っても株式市場はまだいいほうだ
悲惨なのは工業原料や資源、農産物を取引するコモディティ市場だ
もはや瀕死の状態と言っていい
「世界の商品取引の出来高は2003年の6億3422万枚から2009年には23億1178万枚へと4倍になった。ところが、日本の商品取引所の出来高は1億5409万枚から3555万枚と4分の1になった」とドットコモディティの車田直昭会長は言う

「このままでは東京工業品取引所も、東京穀物商品取引所も時間の問題。数年内には息が止まる」と経産省の官僚たちは危機感を強めていた

日本のマーケットの規制は省庁縦割り
株式や金利、為替などの監督官庁は金融庁で金融商品取引法ができる前は規制法もバラバラだった
一方で商品取引規制には商品取引所法が別途存在し、監督官庁は工業品は経産省、農産物は農水省が所管している
しかも、それぞれの取引所には監督官庁の大物官僚OBが天下っている
東工取の江崎格社長は資源エネルギー庁長官や産業政策局長を務めた経産省OB
東穀取の渡辺好明社長は農水省OBで水産庁長官や農水事務次官を務めた大物だ
東証には自主規制法人の理事長として林正和・元財務次官が天下っている
規制を握ることで天下りポストを確保する
霞ヶ関の旧習が生きているのが取引所というわけだ

大臣政務官の近藤洋介・民主党衆院議員は、この規制を金融庁に一本化し、経産省と農水省の監督権は放棄すべきだと主張した
これに真っ向から反対したのが経産省の幹部官僚だ
権限が増えるはずの金融庁も難色を示した
「いまさらお荷物を預けられても」という声もあったが、実際には「他省庁の権益に手を付けるわけにはいかない」という霞ヶ関の不文律に縛られていたのだ

霞ヶ関の総反対を押し切ったのは、民主党の掲げる「政治主導」だった
政府がまとめた「新成長戦略」の中に「金融」を盛り込んだ上で、総合取引所構想を21の国家戦略プロジェクトの1つに押し込んだ

新成長戦略は6/18に閣議決定された
国の正式な戦略として承認されたわけだが、霞ヶ関の抵抗が続く中で、どこまで実現できるかはわからない


長期円高のあと円安が来ても国内空洞化?

円高が長引けば長引くほど海外移転が加速するし、そのあと円安がきても利益を享受できる企業は減るのではないかと昨日ニュースを見てきづかされた

今日本にとっていいのは、円安なのかもしれない
円安にしないと借金かえせないし、高齢化社会、人口現象など長期的に考えて円安だし
それなら一層空洞化がこれ以上加速しないように今円安のほうがいいと思う
でも先進国は通貨安戦争に入っている今だからこそ円高を利用したいとも個人的には思う
つまり円高を上手く利用できるなら今は円高でいいと思うし、できないなら一層円安になったほうがいいという(曖昧な)結論に至りました


日経ビジネス20100726



■ジャパネットたかた社長 高田明
価格の優位性だけでは、すぐに他社に追随されます
際限のない価格競争に陥れば適正な利益を出せず、社員を養うこともできなくなる
企業の存在意義が失われてしまいます
企業の成長を考えるのなら、取り組むべきはサポート体制の強化です
お客様に迷惑をかけてはなりません
お客様は当社の販売価格に注目されているのかもしれませんが、私はお客様へのケアを最優先しています
アフターサービスに力を入れずして、お客様から選ばれる販売店にはなれません
今後、日本の小売りはアフターサービス重視に進むでしょう
アフターサービスの充実には、ある程度の投手の覚悟は必要です
不良品の回収が決まれば、購入されたお客様への連絡で、場合によっては1000万円超の経費がかかることもあります
でも、それも販売店の責任なのです
顧客に対応する自社の社員への投資も忘れてはなりません
ES(従業員満足)はCS(顧客満足)に直結します

■ノリエル・ルービニ
民間部門の債務圧縮はようやく始まったにすぎない
それどころか先進諸国では公的部門の負債が急拡大している
いわするビルトインスタビライザーと言われる自動的に景気を安定させる役割を持つ社会保証制度、ケインズ的な財政刺激策、公的資金による金融機関の膨大な損失の穴埋めなどにより、巨額の財政赤字と公的債務が積み上がっている

2010年第2四半期(4〜6月)の数値を見れば明白な世界経済の減速は、今年後半さらに悪化するだろう
多くの国が緊縮財政にシフトするため、景気刺激策が消えていくからだ
これまで複数の四半期にわたり成長を支えてきた在庫調整も終わりを告げる
将来の需要を先取りしたに過ぎないクルマや住宅の購入減税が終わるのに伴い、需要は縮小するからだ
労働市場に改善の兆しはなく、雇用の創出もほとんど見込めないため、消費者の間には停滞感が広がっている
先進諸国の景気回復のシナリオは、たとえ「W字型」の2番底を避けられたとしても、弱々しい「U字型」になるのは間違いない
アメリカの年間経済成長率は今年前半時点で既にトレンドを下回っている
(第1四半期は2.7%増、第2四半期は冴えない2.2%増)

米景気の動きが最終的にどの文字の形に似ようと、次に来るのは景気後退そのものだ
雇用創出の停滞や失業率のさらなる上昇、景気循環的な要因による財政赤字の増加、住宅価格の一層の下落、住宅ローンや消費者金融などの貸し倒れによる銀行の損失拡大、米議会が中国に対する保護貿易制裁安を可決するリスク、こうした要因が景気後退をもたらす

ユーロ圏の経済見通しは、さらに暗い
緊縮財政と株式市場の低迷で、成長率は年末にはゼロ近くまで低下しているかもしれない
国債や社債、銀行間取引市場の金利上乗せ幅が急上昇し、資本コストが上昇すれば、リスクを回避しようとするムードやボラティリティー、ソブリンリスクも高まり、企業や投資家、消費者の市場に対する信認感をさらに悪化させる
ユーロ安は欧州の対外収支維持の助けにはなるが、その恩恵は輸出が被る打撃と、米や中国、新興のアジア諸国の成長予測の悪化によって被る打撃を相殺できるほどのものではない

ここへきて、中国でさえ減速の兆しを見せている
中国政府による景気過熱を抑えようとする政策が原因だ
先進国経済の減速とユーロ安が中国経済に悪影響を及ぼし、現在の11%強の成長率は年末にかけて7%まで下がるだろう
これは、中国の輸入に依存している他のアジア諸国や資源国の輸出にも厄介な問題となる
中でも深刻な被害を受けるのは日本だ
日本では実質所得の伸びの鈍化が国内需要を押し下げ、中国への輸出がわずかばかりの成長を支えている状態だからだ
日本の低成長は構造的問題でもある
構造改革は進まず、政府は弱体化しかつ機能していない
(4年間で首相が4人も交代した)
巨額の公的債務を抱え、人口動態の傾向も厳しい上、リスクを回避しようとする国際的な資金の流れにより円高が一層進むという状況に陥っている

今後12ヶ月以内にイスラエルがイランを攻撃する可能性も無視できない
そうなれば、石油価格は急上昇し、2008年夏のように世界的な景気後退を招くだろう

今や政治家たちは政策のタマ切れ状態にある
これ以上量的緩和を行っても変化は期待できないし、先進国に財政刺激策を打つ余地はほとんどない
「大きすぎて潰せない」「大きすぎて救えない」とも言うべき金融機関を救済する力も大きく制約されつつある
先進国経済はよくてもゆっくりとしたU字型回復を遂げることになるだろう
ユーロ圏と日本は景気後退と背中合わせのL字型という低迷期が続くかもしれない
その場合、二番底の景気後退を避けるのは難しい
こうした状況では、世界経済の希望の星である新興市場のたくましい回復も妨げられる
どの国も経済的に絡み合っているからだ
実際、中国を初め多くの新興市場の成長は、縮小する先進国経済に大きく依存している


■安藤忠雄
iPadがブームになっている
新しいモノにはとにかく関わるというのが私のポリシーなので実際に購入して使っている
たしかに、写真などを見るには便利かもしれない
医療やビジネスの現場では有効に使えるだろう
多くの人は「読書」にも使えるという
しかし、私は反対だ

司馬遼太郎さんは、1冊の小説を書くために数百冊は下らない古本を買い集めたとも言われる
司馬さんにとって、一冊一冊の本は単純な文字情報ではなかっただろう
装丁や大きさ、内容、匂いに至るまで、一個の人格に似たものを持っており、データ化は不可能だったはずだ
私にとっても、本は対話する友人のような存在だ
印象に残ったところに線を引くのが習慣になっている
面白いと思った本は必ず3回勝って、3回とも線を引きながら読む
ところが、読むたびに線を引く場所が違う
それによって「昔はここに興味を持っていたんだな」と気付かされる
こうしたアナログな感覚はコンピュータでは決して再現できない
仮に電子書籍の好きなところに線を引けるソフトが開発されても、この体験は置き換えられない
私の事務所では1980年代から徐々に建築設計にコンピュータを導入してきた
顧客がスピードを求める以上、対応せざるを得ない
だが、私自身は、設計図面は鉛筆を使って紙に書く
コンピュータを使うと、自分と図面の間に距離ができてしまう感じが拭えないからだ
建築現場で何か間違いがあった場合、コンピュータで書いた図面が原因なら腹は立たない
一方、手書きだったら猛烈に怒りが沸いてくる
合理性や快適性だけを追求しては、本当にいい建築物は作れない


日経ビジネス20100719

日経ビジネス20100719


政府は6月22日、今後の財政の在り方をまとめた財政運営戦略と中期財政フレームを発表した
2011年度から3年間、国債費などを除く歳出の大枠を毎年71兆円に抑えることなどが、その内容だ
それを実現するには、もっと細分化した個別分野ごとの削減額が必要不可欠のはずだ
ところが、一切それは記されていない
小泉政権下では「骨太の方針」として公共事業の毎年3パーセント削減や社会保証費の自然増の毎年2200億円抑制といった分野別削減額をしめした
これら利害のからむ関係先には切り込まず、国民からは消費税をもっと頂く
それで管さんがいうように「将来、よくぞ言ってくれたと評価される時期がくる」だろうか
すでに一年近く政権を運営しながら、民主党は個別分野の削減額すら提示できない
71兆円という総論賛成、分野別削減なしという各論反対のまさに典型的なパターンでしかない
ギリシャ危機の二の舞といくら政府から脅されようが、国民も「それなら仕方ない」とは納得できない



もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら



人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる
管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を構ずることもできる
だがそれだけでは十分ではない
根本的な資質が必要である
真摯さである
(130頁)


自らの事業はなにかを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思われるかもしれない
鉄鋼会社は鉄をつくり、鉄道会社は貨物と乗客を運び、保険会社は火災の危険を引き受け、銀行は金を貸す
しかし実際には、「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である
わかりきった答えが正しいことはほとんどない
(23頁)


企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない
顧客である
顧客によって事業は定義される
事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される
顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である
したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる
(23頁)

したがって「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである
(23〜24頁)

■顧客は誰か
やさしい問いではない
まして答えのわかりきった問いではない
しかるに、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかがほぼ決まってくる
(24頁)

1930年代の大恐慌のころ、修理工からスタートしてキャデラック事業部の経営を任されるにいたったドイツ生まれのニコラス・ドレイシュタットは、「われわれの競争相手はダイヤモンドやミンクのコートだ。顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ」と言った
この答えが破産寸前のキャデラックを救った
わずか2、3年のうちに、あの大恐慌にもかかわらず、キャデラックは成長事業へと変身した
(25頁)


企業の目的は、顧客の創造である
したがって、企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能を持つ
それがマーケティングとイノベーションである
マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす
(16頁)

これまでマーケティングは、販売に関係する全職能の遂行を意味するにすぎなかった
それではまだ販売である
われわれの製品からスタートしている
われわれの市場を探している
これに対し真のマーケティングは顧客からスタートする
すなわち現実、欲求、価値からスタートする
「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客はなにを買いたいか」を問う
「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う
(17頁)


マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない
(57頁)


働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない
そのためには、\源催な仕事、▲侫ードバック情報、7兮崖惱が不可欠である
(74頁)

■専門家
専門家にはマネジャーが必要である
自らの知識と能力を全体の成果に結び付けることこそ、専門家にとって最大の問題である
専門家にとってはコミュニケーションが問題である
自らのアウトプットが他の者のインプットにならない限り、成果はあがらない
専門家のアウトプットとは知識であり情報である
彼ら専門家のアウトプットを使うべき者が、 彼らの言おうとしていること、行おうとしていることを理解しなければならない
専門家は専門用語を使いがちである
専門用語なしでは話せない
ところが、彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる
彼らは自らの顧客たる組織内の同僚が必要とするものを供給しなければならない
このことを専門家に認識させることがマネジャーの仕事である
組織の目標を専門家の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアウトプットをその顧客の言葉に翻訳してやることもマネジャーの仕事である
(125頁)

言い換えると、専門家が自らのアウトプットを他の人間の仕事と統合するうえで頼りにすべき者がマネジャーである
専門家が効果的であるためには、マネジャーの助けを必要とする
マネジャーは専門家のボスではない
道具、ガイド、マーケティング・エージェントである
逆に専門家は、マネジャーの上司となりうるし、上司とならなければならない
教師であり教育者でなければならない
(125頁)


成長には準備が必要である
いつ機会が訪れるかは予測できない
準備しておかなければならない
準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く
(262頁)


人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである
人は弱い
悲しいほどに弱い
問題を起こす
手続きや雑事を必要とする
人とは、費用であり、脅威である
しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない
人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである
組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある
(80頁)

「人は最大の資産である」
(79頁)


企業の第一の機能としてのマーケティングは、今日あまりにも多くの企業で行われていない
言葉だけに終わっている

消費者運動がこのことを示している
消費者運動が企業に要求しているものこそ、まさにマーケティングである
それは企業に対し、顧客の欲求、現実、価値からスタートせよと要求する
企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する
収入の基盤を顧客への貢献に置けと要求する
マーケティングが長い間説かれてきたにもかかわらず、消費者運動が強力な大衆運動として出てきたということは、結局のところ、マーケティングが実践されて来なかったということである
消費者運動はマーケティングにとって恥である
(16〜17頁)


仕事を生産的なものにするには、4つのものが必要である

分析である。仕事に必要な作業と手順と道具を知らなければならない

総合である。作業を集めプロセスとして編成しなければならない

管理である。仕事のプロセスの中に、方向づけ、質と量、基準と例外についての管理手段を組み込まなければならない

道具である
(62頁)

■自己目標管理
自己目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることにある
自己管理は強い動機づけをもたらす
適当にこなすのではなく、最善を尽くす願望を起こさせる
したがって自己管理目標は、たとえマネジメント全体の方向づけを図り活動の統一性を実現するうえでは必要ないとしても、自己管理を可能とする上で必要とされる
(140頁)

■働きがい
働きがいはを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない
(74頁)


自らや作業者集団の職務の設計に責任を持たせることが成功するのは、彼らが唯一の専門家である分野において、彼らの知識と経験が生かされるからである
(75頁)


マーケティングだけでは企業としての成功はない
静的な経済には、企業は存在しえない
そこに存在しうるものは、手数料をもらうだけのブローカーか、何の価値も生まない投機家である
企業が存在しうるのは、成長する経済のみである
あるいは少なくとも、変化を当然とする経済においてのみである
そして企業こそ、この成長と変化のための機関である
したがって企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである
経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない
企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければいけない
(17〜18頁)

■イノベーション
イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である
組織の中ではなく、組織の外にもたらす変化である
イノベーションの尺度は、外の世界への影響である
(266〜267頁)


イノベーションの戦略は、既存のものは全て陳腐化すると仮定する
したがって既存事業についての戦略の指針が、よりよくより多くのものであるとすれば、イノベーションについての戦略の指針は、より新しくより違ったものでなければならない
イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである
イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源をつかわない
昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる
(269頁)


マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させるうえで3つの役割がある

自らの組織に特有の使命を果たす。
マネジメントは、組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する

仕事を通じて働く人たちを生かす。
現代社会においては、組織こそ、一人ひとりの人間にとって、生計のかて、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、自己実現を図る手段である
当然、働く人を生かすことが重要な意味を持つ

自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する
マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題の解決に貢献する役割がある
(9頁)

■マネジメントの正統性
そのような正統性の根拠は一つしかない
すなわち、人の強みを生産的なものにすることである
これが組織の目的である
したがって、マネジメントの権限の基盤となる正統性である
組織とは、個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である
(275〜276頁)


あらゆる組織が、事なかれ主義の誘惑にさらされる
だが組織の健全さとは、高度の基準の要求である
自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである
成果とは何かを理解しなければならない
成果とは百発百中のことではない
百発百中は曲芸である
成果とは長期のものである
すなわち、間違いや失敗をしない者を信用してはならないということである
それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である
成果とは打率である
弱みがないことを評価してはならない
そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう
人は、優れているほど多くの間違いをおかす
優れているほど新しいことを試みる
(145〜146頁)

■トップマネジメント
トップマネジメントがチームとして機能するには、いくつかの厳しい条件を満たさなければならない
チームは単純ではない
仲の良さだけではうまく機能しない
人間関係に関わりなく、トップマネジメントチームは機能しなければならない

トップマネジメントのメンバーは、それぞれの担当分野において最終的な決定権を持たなければならない

トップマネジメントのメンバーは、自らの担当以外の分野について意思決定をおこなってはならない
ただちに担当のメンバーに回さなければならない

トップマネジメントのメンバーは、仲良くする必要はない
尊敬しあう必要もない
ただし、攻撃し合ってはならない
会議室の外で、互いのことをとやかく言ったり、批判したり、けなしたりしてはならない
ほめあうことさえしないほうがよい

トップマネジメントは委員会ではない
チームである
チームにはキャプテンがいる
キャプテンはボスではなくリーダーである
キャプテンの役割の重さは多様である
(228頁)

■規模
組織には、それ以下では存続できないという最小規模の限界が産業別、市場別にある
逆にそれを超えると、いかにマネジメントしようとも繁栄を続けられなくなるという最大規模の限度がある
(236頁)

市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である
(31頁)

実は規模についての最大の問題は組織の内部にあるのではない
マネジメントの限界にあるのでもない
最大の問題は、地域社会に比較して大きすぎることにある
地域社会との関係において行動の自由が制約されるために事業上あるいはマネジメント上必要な意思決定が行えなくなったときには、規模が大きすぎるとみるべきである
地域社会に対する懸念から自らとその事業に害を与えることが明白なことをおこなわなければならなくなったときには、規模が大きすぎると見るべきである
(243〜244頁)


急速に拡大しつつある市場、特に新しい市場においては、独占的な供給者の業績は、力のある競争相手がいる場合よりも劣ることが多い
矛盾と思われるかもしれない
事実、ほとんどの企業人がそのような考えをとっていない
しかし新市場、特に大きな新市場は、供給者が一社よりも複数であるほうが、はるかに速く拡大する傾向がある
(30〜31頁)

規模の不適切さは、トップマネジメントの直面する問題のうちもっとも困難である
自然に解決される問題ではない
勇気、真摯さ、熟慮、行動を必要とする
(244頁)


真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる
それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる
真摯さは、とってつけるわけにはいかない
すでに身につけていなければならない
ごまかしがきかない
ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは2、3週間でわかる
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる
だが、真摯さの欠如は許さない
決して許さない
彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない
(147頁)


規模は戦略に影響を及ぼす
逆に戦略も規模に影響を及ぼす
(236頁)


マネジャーたるものは、上は社長から下は職長や事務主任にいたるまで、明確な目標を必要とする
目標がなければ混乱する
目標は自らの率いる部門があげるべき成果を明らかにしなければならない
(139頁)


組織構造は、組織の中の人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない
成果こそ、全ての活動の目的である
専門家や能吏としてでなくマネジャーとして行動する者の数、管理の技能や専門的な能力によってでなく成果や業績によって評価される者の数を可能な限り増やさなければならない
成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯覚を生んではならない
仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない
(200頁)


成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある
それらの決定は、人間行動に対して数字や報告よりもはるかに影響を与える
組織の中の人間に対して、マネジメントが本当に欲し、重視し、報いようとしているものがなんであるかを知らせる


記事検索
応援よろしくお願いします!
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村 株ブログ 株日記へ
にほんブログ村 経済ブログ 金融経済へ
にほんブログ村 経済ブログへ


  • ライブドアブログ