2011年07月

20110425日経ビジネス

20110425日経ビジネス

■原発交付金は麻薬
柏崎市で原発推進派 東山英機、三富佳一、反対派の武本和幸
四月の県議選では、1位東山18280票、2位三富16644票、3位武本14886票。約1800票差で負けた

「もう二基、原発の増設を」
柏崎市の市会議員、丸山敏彦は、昨年5月から同じく推進派の市議らとともに現行7基に加え2基の増設を東電に呼びかけてきた
「原発のおかげで柏崎市は潤ってきた。だが、ここにきて相対的に財政力の劣る周辺町と合併したこともあって、市の台所事情が厳しくなってきた。活力を失いつつある柏崎を立て直すには、もう2基の増設が必要」と丸山は熱を込める
東電は過去、政官との関係を絶妙のバランス間隔で泳ぎ、原発建設を推進してきた
だが、いくら国が後押ししても、地元自治体の受け入れ原発立地が決まらなければ先へは進まない
そのため原発立地地域へは巨額な資金投入が行われた
電源開発促進対策特別会計法を柱とした電源3法に基づき、原発立地市町村には様々な名目で電源立地地域対策交付金が給付される
柏崎市の場合は柏崎狩羽原発一号機に着工した1978年度から2009年度までで、累計1133億円が投下された
2011年度当初予算(一般会計521億円)の2年分に相当する額だが、それだけではない
さらに大きいのが原発の固定資産税と東電に対する法人住民税、そして使用済み核燃料税(共に市税)という安定税収だ
これらを加えると1995年度には、市の歳入総額の実に34.5%にも達している
地元にとって巨額の財政支援となる
ただ、電源立地地域対策交付金のうち、電源立地促進対策交付金相当とされている部分は、原発着工から運転開始後5年目までで交付が終わる
原発の固定資産税も建設後、時間が経過し減価償却が進むと、減少していく
本誌が入手した資料によれば、1995年度に127億円もあった同原発の固定資産税は2009年度には39億円に低下している
この結果、1995年度には30%に達していた原発関連収入は2008年度には11.2%に急落
2009年度はやや持ち直したが、それでも15%にとどまっている
一方で、収入の増えた時期に公共施設などのハコモノを造ったため財政自体が原発収入に依存する体質になる
市内保育園の保育士の人件費をはじめ、多くの事業が交付金なしには存続不可能な状況になっている
「いったん原発を受け入れ、給付を受け始めたら離れられなくなる」(柏崎市議の矢部忠夫)と言われるのはそのためだ
東電と政官、そして地元を巻き込んだ原発共同体はこうして作られてきた
これに、「今は危険な事態を沈静化させることがなにより大事」としながら、「原子力の利用を進めなければ国が衰える」とする日本原子力技術協会最高顧問の石川迪夫や日本原子力研究開発機構理事長の鈴木篤之ら多数の推進派学者•専門家が加わる

■ローソン 新浪社長
「機能で人間関係同士が結びついた近代的なゲゼルシャフトの時代からもう一度、(地縁や血縁、友情などで結びついた共同体である)ゲマインシャフトの時代に戻るんじゃないかという思いを強くします」

かつてどの町にもあった食品やタバコや酒類を扱う個人商品はゲマインシャフト的な存在だった
しかし1970年代以降、効率性の競争に敗れ、コンビニに駆逐されていった
効率を重視したチェーンストア•オペレーションで支えられるコンビニというビジネスモデルはゲゼルシャフト的と言っていい
かつてはローソンも憧れ、追従し、追い越そうと夢想したセブンイレブン
しかし新浪社長が今見るのは、セブンが磨き上げてきた機能美とはまるで別の未来図だ
画一的な店舗は個性を取り戻し、個性に返る
その時、ローソンというチェーンとして店舗同士が結びつく動機がゲマインシャフトというわけだ

「今この災厄を前に企業は社会的な役割を果たせるかどうか試されていると思います。コミュニティにきちんと根ざしていない企業は滅びていくでしょう。町があって、企業が生きていける。だから町が困っていれば、返してあげなくちゃいけない。
災害時に動くのは行政だけではダメなんです。彼らに継続的にモノやサービスを供給するノウハウはない。そこは民間の力でやるべきです。行政と連携しながら、企業が、自分たちの本業を通じてコミュニティに貢献していく。僕はこれは新しい公共のあり方じゃないかと思います」

■ノリエル•ルービニ
中国経済は今、過熱状態にあるが、いずれ現在の過剰投資が国内的にも国際的にもデフレを招くモノであることが明らかになるだろう
恐らく2013年以降、固定資本投資を増やすことが不可能になれば、急激な景気後退が始まる
新5カ年計画は前回のモノと同様にGDPに占める消費の割合を増やすことを目標にうたっている
ただ政府にとって最も抵抗を受けにくく、それゆえに取りやすい路線は現状維持だろう
計画の詳細を支える手段として、今後も公共住宅投資を含む投資に依存しようとする姿勢が浮かび上がる
通貨切り上げを早めたり、財政支出を大幅に家計に振り向けたり、国有企業への課税強化もしくは民営化を進めたり、戸籍管理制度を緩和したり、金融システムの抑圧を緩和したりするつもりはなさそうだ
過去20〜30年というもの中国は輸出主導型の工業化と通貨安をテコに成長を続けてきた
その結果、企業と家計の貯蓄率は高まり、純輸出と固定資本投資(社会資本、不動産、輸入品と競合する産業や輸出産業の設備への投資)に依存することになった
2008年から2009年にかけて純輸出がGDPの11%から5%に激減すると、中国の指導部は固定資本投資をGDPの42%からさらに47%に引き上げることで対応した
中国は2009年に日本やドイツ及び他のアジア新興国が経験したような深刻な不況に陥らなかったが、理由はひとえに固定資本投資が爆発的に増えたためである
2010〜2011には固定資本投資がGDPに占める占める割合はさらに高まり、50%近くに達する
言うまでも無く、問題はGDPの50%を新たな資本ストックへの再投資に回しても、膨大な過剰生産能力や不良債権が生じないほど生産性の高い国はない、ということにある
中国は物的資本、社会資本、不動産の各面で過剰投資に陥っている
小綺麗だが閑散とした空港、超高速鉄道(その整備によって計画されている空港45ヶ所を建設する必要がなくなる)、無用な高速道路、中央政府や地方政府の何千という巨大な新庁舎、各地のゴーストタウン、国際アルミ相場の暴落を防ぐために竣工しても稼働されない真新しいアルミ製錬所、こうしたものをみれば、訪問者の目にも過剰投資は明らかだ
過剰投資は商業用不動産や高級住宅でも起こっており、自動車生産能力は最近急激に伸びた販売量すら上回る
さらに鉄鋼、セメントをはじめとする製造業でも過剰生産能力が一段と増えている
中国の成長が極めて資源消費型なものであることから、短期的には旺盛な投資によってインフレが加速するだろう
だが、製造業や不動産業界を筆頭に過剰生産能力はいずれ深刻なデフレ圧力となるとこは間違えない
最終的に中国は2013年以降に経済のハードランディングを経験することになるだろう
1990年代別の東アジアの例をはじめ、過去に過剰投資が起こった国々では例外無く、金融危機もしくは長引く低成長、あるいはその両方が待ち受けていた
こうした末路を避けるためには中国は貯蓄率を引き下げ、固定資本投資を減らし、GDPに占める純輸出の割合を下げるとともに消費の割合を高める必要がある
問題は、中国人の貯蓄過多•消費過少の背景には、構造的な原因があるということだ
過剰投資が起こりやすい状況を変えるための改革には20年は掛かるだろう
これまで高貯蓄率の原因とされてきた要因(社会的なセーフティネットの欠如、公共サービスの不足、人口の高齢化、消費者向け金融サービスの未発達)は、問題の一部でしかない
中国では、GDPのうち家計部門に向かう割合が50%以下であり、その結果消費にまわる分が極めて少ないことになる
中国の様々な政策は、政治的に弱い立場にある家計部門から政治力の強い企業部門へと膨大な所得移転させてきた
例えば通貨安は輸入品の価格を引き上げ、家計の購買力を低下させることになる
その結果、輸入品と競合する国有企業は保護され、輸出企業の利益は押し上げられる
預金金利が低く、企業や不動産開発業者への貸出金利が低いことは、家計部門の膨大な貯蓄の実質的なリターンと国有企業の実質借り入れコストがともにマイナスであることを意味する
これは過剰投資への強力な動機づけとなるほか、家計から国有企業に膨大な所得が移転していることを示唆する
家計所得の伸び悩みを解消するには、人民元レートの切り上げを加速し、金利を自由化し、賃金上昇率を大幅に引き上げる必要がある
それ以上に重要なのは、
国有企業を民営化してその利益が家計部門の所得になるようにするか、国有企業への課税を大幅に強化し、その分の税収を家計に移転することだ
ただ、家計部門に流れる所得の割合を引き上げることは、多数の国有企業や輸出依存型企業や地方政府を財政破綻に追い込む可能性がある
いずれも政治勢力として強大な力を持っていることから中国は現行の5カ年計画でさらに投資を増やそうとしている
投資主導型の成長を続ければ、製造業、不動産、社会資本の明らかな過剰がさらに悪化し、追加的な固定資本投資が不可能となった後の景気後退は一段と厳しいものになるだろう
2012年から2013年にかけての政治指導部の交代まで政策当局は高成長を持続できるかもしれないが、今の状況から見る限り、そのコストは極めて高くつきそうだ

■内永ゆか子 ベルリッツ コーポレーション会長兼CEO
今回の震災を通して改めて組織のリーダーに必要な資質が分かった
それは未曾有の事態に直面したとき、いかに情報を分析し、決断し、実行するかという能力だ
この指揮力にはいくつかの側面がある
まずは即断即決できる力
事態が急を要する局面では、直ちに方針を決める力が重要になる
特に想定を超える大震災が起こると、様々な情報が飛び交う
何が本当で何が偽りなのか
いくら即断即決しても、誤った情報を基に結論を導いてはいけない
正しい情報を集約し、判断できる組織力を日頃から作ることが大切だ
もう一つ重要なのが、混乱した状況の中でも落ち着いて冷静に事態を見抜く力だろう
放射能汚染を懸念する各国大使館が日本に滞在する自国民に向け日本からの退避勧告を出したときだった
私はしばらく考え、大使館勧告に従い外国人教師は帰国すべきだと結論を出した
この決断には多くの社員が反対したが、恐怖で怯える教師を引き留めても良い影響は出ない
また行かないでという懇願を振り切る形で帰国すれば、事態が落ち着いても教師は戻ってきづらい
それでも六割の外国人教師が日本に留まった
問題はその後の教室運営だ
教師が一斉に帰国すると多くの社員が動揺する中、私が指示したのは残った外国人教師の人数とお客様の予約件数を数字で出すことだった
するとお客様のキャンセルも増えていたので、残った外国人教師で十分に対応できた
組織のリーダーとして大切なのは、誰もが感情的になっているときこそ、一歩引いて回りを見渡し、幅広い角度から物事を分析することだろう
数値化できるものは数字を示す
数値化できないことも客観的に説明する
冷静に状況を伝えれば、組織は自ずと落ち着きを取り戻す
有事には通常業務が疎かになりがちだ
我々は日本だけでなく世界70ヶ国に事業所がある
だが被災したのは日本だけで、海外に影響はない
通常業務は粛々と続けるべきだ
有事の際こそ、日常業務はしっかりと続けなければいけない
これらは、企業のリーダーはもちろんのこと、国家のリーダーにも当然求められる資質だ
現在は、誰もが地震被害や原発事故にばかり目を向けている
こうした状況でも日本の再建を少し引いた目で、対局的に立って判断できるリーダーが求められる
TPPへの参加や社会保障制度の改革など、復興に直接影響のない業務まで止めることは、国家の再建を遅らせることになる
今こそ大局に立って周囲を見渡し、冷静な判断力を下して欲しい

中国、北朝鮮、韓国、ロシア、日本ってすごい位置にあるよなあ

グーグルマップを見ていて改めて日本の地理的な怖さを感じました
隣国が揃いも揃ってまともじゃない

日本にアメリカ基地はほんとにいらないのか?改めて考える必要があると思う
私はあったほうがいいのでは?と思いました
隣国を牽制する意味で

20110411日経ビジネス

20110411日経ビジネス

■岡藤正広 伊藤忠商事社長
問:グローバル化を推進する企業の中には、社内会議などの公用語を英語にする会社もでてきました
答:当社は考えていません
そういう会社は、大概トップの海外駐在が長かったり、留学していたりと、英語に不自由しない人なんでしょう
でも、経営者も社員の目線で考えないといけないときがある
普通の人なら無理に英語を使おうとすると考えていることの7掛けとか、6掛けしか物が言えませんね
そんな状態で会議をしては伝わるものも伝わらない
問:震災もあり不安定な時期が続きますが、この中で新生活をスタートさせる社会人には何を伝えますか
答:青年よ、大志を抱けとか言われて大きな気持ちを持って会社に入る、それは大事なことです
でも、入ったらそういうものは捨てて与えられた仕事をコツコツやることが大事です
先を見ずにね
そしてどんな小さな部門、範囲でもいい、その道のプロになることを目指す
そうすれば必ず当初抱いていた大志を実現性できます


20110404日経ビジネス

20110404日経ビジネス

■三菱重工
同社の先行きは茨の道が広がる
2009年以降の受注低迷に加え円高の進行により、収益環境が一段と悪化した
海外販売比率が60%近い一方で、海外生産比率の方は20%弱と低く、1兆4000億円を超える巨額の有利子負債も重荷だ
国産初のジェット旅客機など、失敗すれば巨額損失に繋がる新規事業もある
だから2008年4月に就任した大宮社長は、就任からの3年間で新たな成長製品の育成などで収益力の強化に動いた
だが、振り返ればその成果は乏しいと言わざるを得ない

就任当初は自信満々だった
「歴史的な低成長・低収益体質から脱却する」と宣言

大宮社長は、事業計画がいつも未達に終わる甘い体質からの脱却も、目指した
だが、皮肉にも自らが最初に打ち出した2008年事業計画は世界金融危機ですぐに凍結になった
昨年春に発表会した2010年事業計画は売上4兆1000億円を狙うという野心的な計画だったが、円高の進行による受注低迷で早くも実現化が危ぶまれている
低成長は今後も続きそうだ
ここで深刻なのはその中身だ
いずれの計画でも、自らが成長の柱と期待したエネルギー・環境事業の主力製品が苦戦している
例えば、
太陽電池パネル事業では長崎に100億円以上を投資した大型工場を立ち上げたが、今は開店休業状態
世界金融危機後の価格下落により、量産しても赤字を、出すだけの悪循環に陥ったからだ
リチウムイオン電池事業では昨年12月に工場が稼働した
だが、自社のフォークリフトに電池を搭載し、約4割燃費性能を改善したハイブリッド車として販売したものの、販売実績は1年半で10台
2007年度には売上が1000億円規模になり主力事業に成長した風力発電設備事業だが、最近1年半はほとんど受注がなく、長崎造船所の工場は閑散としている
大宮社長の就任時には年2000億円を見込んだ有望事業である
アメリカ市場で競合するGEから2009年に知的財産権の侵害を理由に輸入差し止め訴訟を起こされた影響が大きかった
今年初めには豪クイーンズランド州政府などと進めてきたIGCC(石炭ガス化複合発電)の計画も凍結になった
約3000億円の巨大プロジェクトだった
改革派大宮社長にとって痛恨だったのは、社長半年後に起きた世界金融恐慌だった
古巣の冷熱事業が再び赤字に転落したからだ
就任当初は「三菱重工はコスト意識の高い(冷熱事業など)中量産品事業から学ぶべきだ」と豪語していた
だが、高コスト体質を改善したはずの中量産品事業も結局は金融危機の不況で軒並み大赤字となりいまだに足を引っ張る

■佐治信忠 サントリーホールディングス会長兼社長
海外は、元々利益率を10%程度取るのが当たり前という前提で経営が成り立っていると思います
企業は利益を出して初めて税金を払えるし、社会貢献もできる
失業者などに対するセーフティネットにもつながる
その結果、資本主義が成り立っている
日本はその点、護送船団で来たこともあって、特殊な資本主義に、なっている
そこから脱却しないとグローバルでは競争できません

リーダーが頻繁に変わるとやりたいことができません
私が社長になって最初にやったことは親父が始めた不採算事業の整理です
4000億円くらいの借金を返したかな
他の会社のように4年でやめていたら、事業の整理だけやった消極的な経営者と言われていたでしょう
私の場合は、それが終わってから投資だと言えた
オーナーだから何を言われても平気
自分で長期的な計画を組める
夢の実現は時間が掛かるんです

ビール事業は45年も赤字でようやっとったなと
ウイスキーも25年間下がりっぱなしだった
それでも相変わらずウイスキー復権を仕掛けている
こんなデフレの時代にプレミアムにこだわるとかね

■ジョージ•ソロス
ユーロ危機は通貨危機だと思われがちだが、実際には国債の危機であり、それ以上に銀行システムの危機である
状況の複雑さは誤解を招き、それが政治的弊害を招いている

ユーロ導入時には、ユーロ圏各国の経済格差は縮小に向かうと期待されたが、実際には拡大した
ECBはすべての加盟国の国債を無リスク資産として扱いディスカウントウィンドウ(銀行向け常設貸出制度)では各国の政府債を同じ条件で受け入れた
それを受けて、流動性基準を満たすために無リスク資産の保有を義務づけられている銀行は、財務体質の弱い国々の政府債を大量に抱え込むことで、少しでも利ざやを稼ごうとした
これがPIIGS諸国の金利を押し下げ、住宅バブルを煽った
同じ頃東西統一の費用負担に苦しむドイツは財政を引き締めていた
このことが欧州における競争力の格差拡大と銀行危機を、招くことになった
そして影響を、最も受けたのはドイツの銀行だった
昨年のギリシャ危機以降、なぜドイツが過剰債務国を救済してきたかと言えば、自国の銀行システムを守るためだ
アイルランドが、巨額の債務を抱えることになったのも、EU当局が、銀行システムを、守るために、アイルランドを救済する条件として銀行国有化を求めたからだ
このようにドイツ主導の対策は、既発の国債を絶対安全な資産として扱うことで銀行システムを守ろうとしている
結果、問題解決の負担は全て債務国が担うことになる

2つの根本的な変更が必要だ
第一は、欧州金融安定基金(EFSF)は加盟国だけでなく、銀行システムを救済する機能も担う必要がある
そうすれば、銀行危機を引き起こさずに国債の条件見直しを進められる
任務を拡大してもEFSFの規模を変える必要はない
なぜなら銀行の清算や資本注入に資金が使われた分だけ政府の救済に必要となる資金は減るためだ
銀行システムを国別の金融当局ではなくEU共通の管理体制の下に置くことは、信頼性の回復に大いに役立つ抜本的改革と言える
第二の変更点は、公平な競争環境を整えるため、財政基準を満たす国々には、借入金利にリスクプレミアムを上乗せするのを辞めることだ
こうした国々の国債を(ブレイディ債に代わる)ユーロ債に転換すればそれが可能になる
マーストリヒト条約が規定する「政府債務残高はGDPの60%以内」を超える債務については各国が集団行動条項を盛り込んだ国債を独自に発行し、その分についてのみリスクプレミアムを支払えばよい
第一の変更点は即実施できるし、そうすべきだ
第二の変更には時間がかかるだろう
ドイツ国民はなかなか受け入れられないだろう

■ジェラルド•カーチス コロンビア大学政治学部教授
東日本大震災の被害はあまりにも甚大ですが、我々はこの惨禍を乗り越えていかなければならない
日本が好きで一年の半分近くを日本で暮らすアメリカ人としてあえて我々と言いたいのですが、この世に残され、生かされた我々は、この辛苦に耐え、前向きに、被災地と日本をしっかりと復興させる責務を負ったのです
歴史的に見ると、江戸から明治、そした敗戦後の復興期に次いで、近代日本にとっては第三の大転換点を迎えたと言えるでしょう

とてつもない危機に遭遇したとき、日本人はひたむきに我慢強く変革と再建に取り組み、民族に独特の心理的結束によって潜在力を発揮してきました
今回も必ずや世界が驚くような大復興を遂げるに違いないと確信しています

風力発電の不都合な真実 武田恵世

風力発電の不都合な真実 武田恵世

本の内容をさっとまとめました
風力発電は夢のような発電方法ではなく、問題山積みの発電方法なことを知りました

■風力発電の不都合な真実まとめ
1.有効な発電はしていない
発電はしているが、電力系統全体からすると誤差の範囲で、実際にはなんの役にも立っていない
北海道電力、東北電力では、風力発電機が大量に発電すると電力系統を不安定にするので、接続を切っている
2.約3キロ以内の周辺住民に著しい健康被害を起こしている
3.約3キロより遠くの住民にも被害を、もたらしている
ストロボ効果による被害・景観の破壊など
4.自然環境に大きな影響を及ぼしている
野鳥の激減・コウモリの大量死・野鳥の衝突死・野鳥の生態系の変化・野生ニホンジカの激増・イノシシの凶暴化、活発化など

湧き水が枯れた
土砂崩れが止まらないなども起きている

結局、なんの役にも立っていないのに、著しい被害を及ぼしている
ここ20年程度で役に立つようになる可能性はほぼない
今後20年以後に役立つようになる可能性も非常に低いと言わざるをえない
今後、非常に高性能で安全で安価な長寿命の蓄電池の開発や、プラチナなどのレアメタルをつかわずにすむ常温で作動する燃料電池が開発されれば、役に立つようになる可能性はあるかもしれないが


風力発電所建設は明らかに国の補助金目当てで、「補助金がなければ建設しない。建設できない」と、どの風力発電事業者も風力発電協会や自治体も明言しています
逆に言うと発電は目的ではないので、必ずしも風の強いところに建設されるとは限らないのです
山裾や中腹、平地でも建設されています

■全量買取制度による今後の危険
2010年7月23日、経済産業省が発表した全量買い取り制度が法制化され、風力発電所からの電気を日本風力協会の言う現在の倍以上の20〜24円/kwなどというとてつもない高額で買い取り、それを電気料金値上げで補う制度ができたら、補助金なしでも風力発電所建設が進み、全国で建設ラッシュを迎える可能性があります

フランスでは、小規模な風力発電所で発電量が少ないほど補助金の額を多くする制度をつくったために、事業者はできるだけ風の当たらない場所に小規模な風力発電所を建設するブームがおきてしまいました

■発電できるのは冬だけ
武田:電力が逼迫する夏にはほとんど発電できませんね
事業者:その通りです。冬の季節風だけでほぼ一年分発電しています
武田:冬に発電しても需要が無いし夏まで貯められませんね
事業者:それは今後の課題です


■補助金だけで、なぜ採算が合うのか
武田:風力発電は採算があいませんね
事業者:その通りです。しかし補助金をいただけますので。(県職員に対しては)発電しなくてもいいんです。建設さえすればいいんです。(採算はあうんです)

政府の補助金は建設費の1/3〜1/2ですので、それだけで採算が合うとはどういうことなのか
当時補助金支給事業を請け負っていた経済産業省の外郭団体のNEDO(独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構)にきいてみました
色々話したのですが、要するに「事業者から出された申請金額が妥当なものかどうかは、調査したことはないし、今後調査する予定もない」とのことでした
つまり、事業者が実際の建設費の二倍、三倍を申請していてもチェックはしないのでわからないということでした

■RDF(ゴミ固形燃料)の教訓
三重県はじめ全国の自治体はRDFで大失敗をしています
RDFとは可燃ゴミを粉砕して乾燥し、石灰と混ぜて固めて、燃料としようというものです
当初の説明では、「ゴミが資源に変わり売れるんです」とのことでした
ところがいざ導入してみると、カロリーが低く、燃料としては不適当で、そのまま燃やすとダイオキシンが発生することが明らかになりました
また需要がなく引き取り手のないRDFのストックを大量に抱え、結局焼却処分することになり、売れるどころか、処理費を負担する羽目になりました
三重県では、その処理費が年々高騰し、保管中に発酵や結露で発火し爆発事故を起こしてしまいました

■クリーンエナジーファクトリーの説明会で地元住民に不信感を持たれた点
・被害の補償について
「いわゆる風車被害については風車との因果関係が解明され明らかに風車によるものだと断定された場合は風車を止める、もしくは直接的な補償対象になるので、そのように対応する」
「低周波は明確な基準がないため、もしもなにかあった場合は、真摯に対応させていただきます」
しかし静岡県東伊豆町熱川では、この会社は断じて健康被害と風力発電機の因果関係を認めず、2007年以来住民が、裁判や公害など調整委員会で係争中です
福井県敦賀市では2009年、地元説明会も市長の承認もないのに補助金を申請しました
兵庫県あわじ市などでも訴訟など係争中で、実際に被害がでても断じて因果関係を認めず補償もしてないのです

他は省略^^;

■発電が順調でも故障が多く、収支は悪化
比較的状況の良さそうな場所の発電実績を見てみる
設備利用率で見てみますと、いずれも当初予定の30%には達していない
苫前町で21%、東伊豆で26%、津市で28%で少なくとも22%、一般的には25%以上が採算分岐点とされていますが、その前後です
しかし、全体の収支を見ると故障の修理費が意外にかかり、東伊豆町では後一回故障したら、撤去費用用の基金が底を尽きるという状況にあります
津市では、発電だけで建設費用をまかなうのは約26年かかる計算になり、風力発電機の対応年数(13〜17年)を越えてしまいます
修理費や人件費をきちんと入れればもっと悪い状況でしょう



■回らない風車
全国のかなりの風力発電所で、故障が多く経営が破綻したり、予測と違って風が吹かず、発電できない、いわゆる回らない風車が問題になっています

・函館市旧恵山町第三セクター
予測通りの風が吹かず、また腰が多く、赤字
原因は、風況調査のときに測定装置のマイルとメートルの設定を間違えて測定し、実際より1.9倍風が強いと判断し、そのままで国の補助金申請もノーチェックで通り、建設したためでした実は風の強くない場所だったのです

・滋賀県草津市水の森の風力発電機
滋賀県で唯一の風力発電機です
これも風がほとんどなく発電できていません
そもそも、建設地と相当離れた場所での風況調査結果を元に補助金を申請し、国はそれをノーチェックで認めたためでした

・京都府太鼓山
京都府唯一の風力発電所
故障があまりにも多く補助金の分を差し引いても赤字となり、京都府はついに一部を撤去してしまいました
タワーズまで撤去すると補助金を返還しなくてはならないので、ブレードだけは残しています

・江差ウインドパワー
ここは非常に発電実績が悪く、設備利用率16%前後です
そのため約束が違うと第三セクター構成員の企業から訴訟が起こされ、また、修理費の負担でもめ、町議会でも問題となり、紛争中です

・山口県白滝山ウインドファーム
2009年11月に試験運転に入り、12月には20基中17基がブレードが折れるなどの故障のため停止し、2010年11月現在もそのままです

風力発電所は発電をするための施設のはずですが、発電は二の次で、補助金をもらえるからと安易に建設し、結局発電もできず巨額の税金泥棒の浪費に終わっている実態がよくわかります
自治体はまだこのように情報を公開していますが、民間の風力発電企業はただの一社も発電実績すら公開していないのですが、その実態は推して知るべしであろうと考えられます

■特別会計が元凶
補助金に完全に依存してしまった原因は国の特別会計という特定の目的のためだけにしか使えない会計制度にあります
特別会計への収入は石油石炭税など特定の税金があてられているので毎年確実に増えつづけますが、支出のほうは必ずしも事業の必要がなくなっても支出を続けないと特別会計が減らされたり、なくなったりします
必要のなくなった特別会計が減ったりなくなったりするのは国や国民にとっては大変よいことなのですが省庁は自分達の仕事が減るのは困ると考えノーチェックでも何でも支出を続けたというまさしく官僚主導、省益優先の典型例だった

■安全距離は
科学者デビッド・マンリー博士は、「ウインドファームから8.2キロ以内に住んでいる人は影響を受ける可能性があり、もし低周波に敏感な人であれば不快に感じる可能性がある」としています
ジョージ・カンパーマンとリック・ジェイムズは平地では少なくとも2.4キロ、山間部では3.2キロ民家から離す必要がある
これは最小限の距離であるとしています
そして、ストロボ効果を防止するには8.2キロ程度と考えられます
2011年1月、南九州霧島山系の新燃岳が噴火して、その低周波音が約250キロ離れた四国でも戸や窓を振動させ、大騒ぎになつわています
1986年11月の伊豆大島の三原山の噴火のときも約300キロ離れた茨城県や栃木県でも戸や窓が揺れ、騒ぎになりました
このように低周波音のような波長の短い音は、減衰せずに遠くまで届くことが特徴です
また、壁など障害物を通り抜けるので、家の中にも届くのが特徴です


■欧米での反対運動
欧米では、ヨーロッパでは、風力発電に反対するヨーロッパプラットフォームという国際組織が結成され、21各国、458団体が加盟しています
そのスローガンは大変長いものですが、要約しますと、
・不安定でコントロール不能な風力発電からの電気は環境問題を解決できない
・風力発電は、地域住民、経済、国家財政、環境に対する大害悪となるだけである
としています
うまくいっているとよく言われているデンマークでも40以上の市民団体が参加して団体を結成し、反対運動がおこっています

■牛への影響 長崎県宇久島の例
「ジェット機のような音。牛の早産が三年続き、今年は子牛が助からなかった。何が原因かわからないが風車ができるまで早産はなかった」
「ここ数年、牛の突然死や歩行不全、起立不能、早産などが続いた。こんなに続いたことはなく、保健所も異常だといっていた」

■上場企業日本風力開発
2010年11月、平成22年度3月期決算についての、株主への説明によれば、
「・・・我が国の風力発電業界は、新エネルギー導入に対する補助金の新規募集の中止、続いて補助金制度自体の廃止という事態に直面し・・・その結果、新規の風力発電開発案件が軒並み足踏みせざるを得ないという異常な事業環境に陥り、風力発電所開発事業の売上激減によって平成22年3月期は赤字に転落するという事態となりました。・・」
つまり、「新規建設で売上をあげている。発電では売上をあげていない」ということを自ら明らかにしています
本来風力発電機などの設備建設は売上のための投資であり、それ自体では売上にはならず、普通は融資など赤字状態で行われるものです
これこそが異常事態です
この業界の上場するほどの利益の源泉が補助金であることを自ら明らかにしたのです
国からは1/3しか補助は出ないはずですが、残りは低利融資を受けられ、さらに利子補給、所得税減免まで受けられます
それやこれやで補助金で建設費どころか利益まで出るようです
補助金申請は概算見積もりでよく、完成後の精算や検査も、書類さえ揃えばノーチェックです
完成後の実績報告もしていなくてもおとがめなしです

故障が実に多く、修理も相当遅く(1〜2年以上放置も)、発電では利益を得られないのははっきりしているからか、青山高原でも故障や土砂崩れの放置が目立ちます


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