2011年10月

功名が辻 司馬遼太郎

功名が辻 司馬遼太郎


室町時代や鎌倉時代、また江戸時代といった社会の固定した時代では、人間は生まれた環境から容易に抜け出せない
しかし戦国時代は違う
主人も有能の士をよりすぐってめしかかえるかわり、士たる者も主人を選ぶ
選ぶ自由を持っている
主人が無能で主家が振るわぬとあれば、さっさと退散するのが、この時代である
主従たがいが、たがいの才能を通じて結び合っている
それ以前やそれ以後のように、忠義、情義でのみ結び合った関係ではない


秀吉の外交政策最大の傑作は、家康の同盟者である織田信雄に打った手である
信雄にとって魅力的な条件を出して講和を申し入れると信雄はころりと参ってしまい、家康には相談もせず単独講和を結んでしまった
もともと事の起こりは、信雄が「秀吉は織田家を潰そうとしている。卿こそが頼りだ」と家康に泣きついてきたからこそ家康は立ち上がったのである
この軽率さは、本来の暗愚にもよるが、苦労知らずのお坊ちゃんだからこそであろう
あっという間に、家康はその強大な同盟軍を失い闘う理由も失ってしまった
家康はこれを噂で聞いた
当然、信雄の裏切りと秀吉のずるさに激怒すべきなところだが、使者を秀吉と信雄に送り、「いや、めでとうござる。御和睦は天下万民のよろこびでござれば。ー」と言上させた
外交の極というべきものであろう


羽柴秀吉は、内大臣からさらに官位をすすめられ、関白になった
ついでながら、秀吉は武門の出だけに、最初、源頼朝、足利尊氏の先例にならい、征夷大将軍を望んだ
が、これは歴史的に源氏の家系の者が任ぜられる職で、先例主義の宮中では任じようとしても任ずる事ができない
幸い、中国の毛利家に亡命して落魄の身を養っている前将軍足利義昭に使者を走らせ、その養子になり源氏の姓を冒そうとした
が、気位の高いこの没落貴族は自分の家系を売ることをこばんだ
それを見かねたのが、かねて秀吉に取り入っていた公卿の菊亭晴季である
関白という手がござる。 と、菊亭晴季がいった
官位から言えば関白は征夷大将軍より上である
が、関白は公卿の最高の家格である五摂家でなければその職につけない慣例がある
秀吉は、前関白近衛前久の猶子にしてもらい、ようやく関白になれた


徳川幕府の江戸防衛思想は、幕府創設以来の仮想敵国は、防長の毛利と薩摩の島津である
もし毛利•島津が兵を西国であげて東上してくるとき、まず姫路で抑え、姫路が陥れば大阪城でおさえ、それが陥れ名古屋城でおさえる
この三城が徳川時代を通じて最大の城郭であったことを思えば、それがわかる
が、そのいずれも陥ちれば、最後は箱根の嶮で迎え討ち、ここで敵を追い落とすというものであった
が、維新戦争の結果、箱根はもろくも潰え去って江戸に官軍を迎えてしまっている
頼みにした高名な堅城、峻嶮が役に立った例は、史上あまりない


家康という男は、それが本性なのかどうか、彼は年少の頃からその律義さを売り物にしてきた
「律義者の三河殿」と言えば家康のことであった
信長との同盟時代も何度か信長に煮え湯を飲まされてきたが、それでも離れずに信義ただ一つでついてきた
「徳川殿はお約束に固い」とか
「徳川殿にさえ物を頼めばかなえてもくれるし、裏切られもせぬ」ともいわれてきた
いまや、これが家康の財産である
家康の強味はまずこの世間的な信用と、次いで彼に随順しきっている三河武士団ということができるであろう
のち、秀吉危篤前後から人変わりしたほどに、この男はたけだけしい権謀術数家になって豊臣の天下を奪ってしまったうのだが、この人格変化はどういうことであろう
とにかく信長という強盛なときは一途に信長に随順し、秀吉の強盛なときは針金ほどのむほんの噂も恐れる男であった
奸悪(かんあく)。と後世に印象される家康の奇怪な性格はここにある
かなわぬ、とみれば貞女のような淑徳(しゅくとく)を発揮するのである
いまだ、と時機を見抜くと、老婆のような入り組んだ智恵、底意地の悪さを発揮するのだ
一種の人間妖怪といったほうが、家康にはあたっている


秀吉が家康を関東の大領主にしたことによって、考えようによっては、日本を真っ二つに割ってしまったことになる
もっと、はっきり言えば、秀吉の政権に対する家康の政権を認めた、ということさえいえるであろう
日本列島は長い
長すぎるために、一つの政権が日本を完全に統治した例はなく、常に西部政権と東部政権とがあった
遠い昔、大和に朝廷があったころはむろんそうで、その統治力はせいぜい近畿周辺に過ぎなかった
平家の政治もそうである
箱根から東側は力が及ばず、坂東の地にやすやすと頼朝が根をおろしてしまった
京都に政府を置いた足利爆風もそうで、関東の統治は関東公方に任せざるをえなかった
京、大阪に政権を持つ秀吉は、瀬戸内海沿岸から九州にかけての西国を治めることができるが、箱根から東はそうはいかない
それを家康に委ねた、ともいえる
虎を野に放ったようなものだ


秀吉は急速に天下をとった
そのため信長のように既成勢力を一つ一つ潰してゆくのではなく、それとも妥協し、手をつなぎ、それをよろこばせつつ、ついに天下をとった
徳川家に対してもそうである
家康を敵にまわせば北条氏と同盟し、さらに奥州の諸豪と結び、ついに三河から向こうの東日本は秀吉と交戦状態に入り、これを討伐しているまに九州、四国が立ち上がり、秀吉は東西勢力の挟み撃ちになるおそれがあった
それを見抜いたればこそ、家康に機嫌をとってとって、とりつくしたのだ
ところがいまや北条はいない
九州、四国も安定している
もはや機嫌をとる必要性もなく、にわかに鬼面と化して家康を討滅してしまえばよいのだが、しかし秀吉は天性のお人好しなところがある
家康を滅ぼさなかった


鶴松の死から十数日たった8月20日、秀吉はにわかに、「大明国へ討ちいる」と宣言した
狂気の沙汰である
秀吉の諸大名のたれ一人として、この外征を喜ぶものはあるまい
みな、戦国期を切り抜けてきて、疲れきっている
千代は、秀吉ほどに時代の心をつかみ、人の欲する方向を明察する名人が、これほどのことがわからないのか、と思った
たしかに、豊臣家の衰運はこのときにはじまるのだが、千代は、それをごく女らしく鶴松の死で察した


秀吉の浪費はとめどもない
外征軍が朝鮮で戦っているときに、戦術上、政治上なんの意味もない金殿玉楼を、伏見桃山の丘陵に現出せしめようというのである
当時、秀吉は、日本一の符号であり、おそらく史上、前古未曾有の大金持ちであった
自分のお金を浪費するのか
そうではないのである
当時の経済の仕組みとして、戦争をおこして兵を外地にやるのも、その経費、戦費はすべて諸大名の自前であった
秀吉の自身の財産の損にはならないのである
伏見城を築くについてもそうであった
天下の諸侯に手伝いをさせ、費用はすべてかれらの頭割りになる
むしろ、諸大名が個人の浪費によって貧乏すればするほど、比較して秀吉は金持ちになるという仕組みであった


「立派にお振舞あそばされて、後世に恥を残されますな」


野球がどんどんIT会社に

時代が変わってきたなーとつくづく思う
楽天、ソフトバンク、モバゲーが球団を持ち、退場するのはTBS

野球は日本で一番人気のあるスポーツで球団を持てるのは限られている
だから球団を持つことは、特別な意味を持つと思う
昔よりは、権威は失墜したと思うが

特別な意味を持つ球団保有がIT会社が増えてきたというのは、なんとも感慨深い

ドコモは料金を下げてきたKDDIは?

ドコモが下げてきたことにより、KDDIにはほとんどなにも残らなくなった
Androidなら安くて回線のいいドコモに人気が集まりそうだし、
iPhoneは今のところ安くて回線の悪いソフトバンク
に人気が出そうな、出ている感じである

AndroidもiPhoneも高くて回線のよいKDDIは誰も望まない
選べる自由なんて多くの人が望んでいないと思う
それより安さとか、すぐれたかっこいい端末が一台二台あればいいのでは、スマートフォンは。
二年に一回の機種変プラス毎月5000円以上お金のかかるモノなのなんだから、選べることより安さが大事

一発勝負大逆転のような大きなのを新社長には期待したいなー
そうじゃないとほんとにKDDI終わる気が、、?


将来は自由貿易が当たり前になるのか

前に遅かれ早かれ世界は自由貿易になるみたいな記事を見た
本当になるのだろうか
自分にはわからないが、もしもなるとしたら弱肉強食のグローバル化がさらに加速し、貧富の差はますます激しくなると思う
日本でなんとか生き残っていた企業はほとんどが潰れて最後は日本市場で外資•国内企業のうち1社、2社だけが残る
そして東電が証明しているように独占した企業がまともとは限らない
そもそも資本力にものを言わせた企業が勝ち残る可能性が高く、そういった企業はたいてい焼け太りしているものだ
非常に効率の悪い、イノベーションとは程遠い企業になっていることだろう

各業界でシェア争い、熾烈な競争が起き、世界で血みどろの戦いになる
今もなっている業界はあるが、、さらになることだろう


次第に勝ち残った企業の大きな既得権益が発生し、多くの人々が搾取されていくことだろう
自由貿易による供給過剰。大企業の今の金融機関以上の高待遇、大企業の大赤字とこれを税金で補填することによる貧しい人や搾取されている人の不満
これらが、再びそして今まで以上に大爆弾することで、グローバル経済は大きく沈むと思う
自由ばかりを唱える時代はもう終わっていると思う

自由貿易がいいかはわからないが、持続ある発展、必要以上の格差を防ぐために秩序ある仕組みを形成する必要があると思う
なんでも自由にするということは、原始時代に戻るに等しいように感じる

また、国の後ろ盾がモノをいう時代になった
企業の実力以上に国力が大切になってきた
これは残念なことでもあるし、日本にとってはチャンスでもある
経済大国なのだから


KDDIはなぜソフトバンクばかり見ているのかな

最近KDDIの動きがすごく気になってます
社長が変わった影響からか積極的に攻勢をしかけるようになったと思います
ただ、成果はまだ出てきていないのと今後でるのかな?というのが疑問です
いまだにKDDIに変える理由がないように思えるからです
安さならソフトバンクだし、ドコモとKDDIにはあまり差がないように感じます
個人的にはブランド力でドコモかなと

さっきCMでつながるauをアピールしてましたが、ソフトバンクに対してですかね?
ぜひKDDIにはドコモとの差別化をはかってもらいたいですね
ソフトバンクつぶすなら安くしてほしい
業界ナンバーワンのドコモに対して闘うならまだしも勢いがあるとはいえ下のソフトバンクに対してばかり敵意むき出しで闘うのはなにか業界二番手としてかっこわるいなーと思ってしまう
まあ、それほどソフトバンクが評価されているというかドコモがしょぼいというか、、なのかな
あとはiPhoneと戦っていたというのも大きいかもしれないですが

個人的にはKDDIには二番手としてもっと堂々としたさすがって思わせる様な闘い方をして欲しいです
このままだと、どんどん沈んでいくだけにかんじます

KDDIにはイマイチ本気度が伝わらない

KDDIはiPhone発売というところまでは頑張ったと思うが、その後はなにか煮え切らないというか、微妙というか
まず新規は無料でiPhone手に入るけど、機種変は割高になり無料では手に入らない
しかもMNPで一万円ということは、明らかに既存ユーザだけが割りを食っている
また通信料もソフトバンクより500円程度高い

それに比べてソフトバンクは既存ユーザも無料だし、古いiPhoneのユーザに対してはかなり優遇されている
ソフトバンクからは危機感を感じる
本気でがむしゃらに頑張っているように感じる
まあ実際にここが踏ん張りどころだし

KDDIは、親会社が京セラでAndroid端末だしていてあまりiPhone優遇できないとか、通信品質がいいとかあるのかもしれませんが、このままでは中途半端になってしまい頑張ってiPhone獲得した意味がなくなってしまう気がします
こんな体たらくであれば、一層のことこのままAndroid端末ゴリ押ししておけばよかったのになあと思っちゃいます

「未来を選べる」ことを望んでいる人は少ないと思う
バラエティ豊かな代わりに全体的に月々のケータイ代が高くなるよりもiPhoneやAndroidだけの代わりに通信料が安いほうが嬉しいと思う
KDDIは今後さらにイバラの道に迷い込んで行ってる気がする
社長がかわって勢いが出てきたとはおもうが間違った道にはいって欲しくないものだ

大不況に入って残るのは技術だけ

大不況に入ると、株など投資対象のモノが大暴落する
お金も刷り過ぎて価値は暴落する
つまり周りのモノがほぼ全て価値のないモノとなる
一部例外はあるだろうが。
そんな場合、最後に残るのは頭脳や技術だけなのかもしれない
本当に今後数十年間価値のあるものは、ハードではなくソフトになるかもしれない
コミュニケーション力とかヒューマンスキルなども含めて
今後の経済動向が気になる次第です

20110627日経ビジネス

20110627日経ビジネス

■消費税が招く住宅空洞化
少子高齢化と持ち家志向の低下でエスバイエルは2010年度の連結売上高が約400億円となり、過去10年間で6割以上も減った
どの業界よりも高価格の商品を提供する住宅メーカーにとって、特に消費増税は事業環境を一変させる
仮に税率が現行の5%から10%に上がると、3000万円の住宅で150万円も値上がりする計算となる
そして増税は駆け込み需要を招く
だが、特需のあとには必ず反動が出る
消費税が5%になった1997年度には全国の住宅着工数が28万戸も減った
昨年度の着工数が81万戸だから、前回の増税時と同じ規模で戸数が減ると、日本は新築50万戸時代に突入してもおかしくない
ピークの72年度、185万戸から7割言われるも市場が縮小する
体力のある住宅メーカーは海外展開を加速するだろう
国の財政状況を考えると、いずれは増税に踏み切らざるを得ないかもしれない
しかし、産業界への影響を見誤ると取り返しのつかない官製不況に突入する危うさがある

20110620日経ビジネス

20110620 日経ビジネス

■上田準二 ファミリーマート社長
もう国内で他チェーンと規模の競争をしても無意味です
もちろん国内でもやれることは有りますが、やはり、これからの勝負の舞台は海外でしょう
だから私達はグローバル、特にアジアで店舗を拡大させます
今、中国では598店のファミリーマートを展開していますが、それを2020年度には8000店体制にします
この時期には日本を含めたグローバルで4万店体制になっているでしょう
そのうち29000店は海外です
あと3年もすれば、中国の店舗数は4500店になります

今年度内にインドネシアに出店する計画です
実は一年半前からFS(事業化調査)を続けてきました
この国の市場は有望です
人口は2億人を超え、国民の平均年齢は27歳前後と非常に若い
コンビニに馴染みやすい世代が莫大な人口の中心を占めているんです
ただインドネシアには厳しい規制があります
FSを始めた当時はまだ海外人材が不足していましたし、専ら中国事業に力を入れていました
参入のハードルが高いインドネシアまで進出する必要はないとおもっていたわけです
翻って今は絶好のタイミングでしょう
中国の事業スキームは固まりました
苦戦していたタイは完全に黒字化、一方でアメリカでは多店舗展開を辞めて地道に事業を進めて行こうと決まった
他の地域に振り向けてきた経営資源を、インドネシアに注げるようになりました

問:
アジアでの事業展開を成功させるポイントはなんでしょうか
答:
どうやって進出するか、その方法が重要性です
現地企業にライセンスを供与し、いわゆる看板料を取るのが一つです
独力で進出する方法も考えられます
私達は、現地の有力企業とパートナーを組み、ジョイントベンチャー(合弁会社)で出ます
日本の流通企業が国外に出るとなればどうしても経験したことのない規制に直面します
地域の言葉や文化に対する理解、そして行政機関との人脈などがないと、こうした規制を乗り越えることはできません
そこでカギとなるのが、現地の有力なパートナーです
中国などは省ごとに独特の規制がありますし、誰が許認可の決定権を握っているか分からない、人治国家的な側面があります
誰がキーマンかなんて私達にはわかりません
こうした規制やその国独特の事情に配慮しながら事業を成功させるには、現地企業が持つ土地勘が絶対に必要なんです

彼らと組むメリットはそれだけではありません
我々が日本で展開している商品や店舗をそのまま持ち込んでも成功はしない
それは現地企業のほうが長けているでしょう
私達はノウハウを海外に広める
それを運用し、その国に適応させていくのが現地企業
こうした役割分担が大切なんです
私は本当にパートナー企業として握手できる段階に至るまで、トップセールスはやりません
ある国では最初からトップが全面にでて握手なんかしてしまうと大変です
争点があっても「もうミスター上田とは話がついているんだ」と押し切られてしまう
アジアは観光するにはいい場所ですが、ビジネス、特に流通業をやるには難しい場所です

日本の人口は減少する一方ですが、世帯数は増加する傾向にあります
つまり単身者世帯がどんどん増えているんです
そうなると日常の消費は一人分で済むようになる
こうした人口構造や生活スタイルの変化に合わせて、私達も日々、売り場を変化させています
地域に住む方のニーズを把握し、店内を柔軟に変化させていくこと、それが一番重要じゃないですか

問:
新しいコンビニの形として売り上げが5分の1程度でも成り立つ店舗を開発者すると伺っています
答:
直営方式で1日15万円程度の売り上げでも採算があう店舗を6月中に被災地に出します
これまでも「人口が少ない過疎地に出店して生活インフラとしての機能を果たしたい」などと、かっこいいことを言っていました
ところが今回の震災で僕達はすぐにでも小型店を出す必要に迫られました
震災からの復興にコンビニは欠かせません
かといって、復興後に人がいなくなるかもしれない地域に4000万、5000万円ものコストを費やして新店を建設してはリスクが高すぎる
そこで小型店の出番です
今まで模索してきた小型店のアイデアと被災地の需要とが完全に合致しました
そこで私たちは店舗の建設をユニット工法にして出店コストを抑える方式を考えました
あらかじめ5坪程度の店舗ユニットを建設しておき、必要な場所にトラックで運んで組み立てます
この方法ならば短期間、低コストで出店できるでしょう

僕達の財産は加盟店であり、その経営者です
ですから被災した加盟店経営者には物心両面のケアを徹底的にやるのが大切だと考えました
当座の生活を支援するため、店を再開できない加盟店経営者に100万ずつお見舞い金を手渡したり、本部が収入を保証すると宣言したり
契約書には、そこまでやるなんて書いていませんが、加盟店からの信頼は深まったかなと思います

■安田佳生 ワイキューブ社長
中小企業向けの採用コンサルティング企業を立ち上げて21年
3月末に民事再生法の適用を申請しました
負債総額40億円
業績が好調だった2004年に銀行が無担保で貸してくれた資金の返済が重荷になりました
特に債権者である取引先や金融機関、並びに最後まで私を信じてついてきてくれた社員とその家族には大変申し訳なく思っています
端的に言えば、多額の借入金が失敗の引き金になりました
優秀な人材に気持ちよく働いてもらい能力をフル活用して新たな収益を生み出す
これを繰り返すことで企業の成長・拡大が続くと信じていました
ただそれは、利益の回収まで時間の掛かる投資でした
もともと、社長になりたいというわけではありませんでした
枠にとらわれず、自由に生きたいという気持ちが強かった

学校では、当たり前の様に受験勉強しないとダメと言われる
それがなぜ必要なのかという説明がないままなので、ゴールが見えない
それではやる気がわきませんでした
中学校の部活動でも同じ違和感を覚えました
例えば球拾い
一つか二つ違うだけで後輩は球を拾わなければいけない
これが何の上達につながるのかさっぱりわからない上、やらないと殴られる
全然ロジカルじゃない
今やっていることの延長線が将来に対してどう結びつくのかという結果がみえなかった

起業して成功するためには優秀な人材が不可欠です
優秀な人を採用して、その人がどんどん新しいことをやりたいと思える環境を作っていけば、どんな事業をやっても成功すると思っていました
人気企業ランキングでの順位を上げる努力をしたのもそのためです
次に、優秀な人材をつなぎとめ、やる気を起こさせる方法を考えました
社内専用バー、ビリヤード台2台、パティシエを常駐
社員の士気を高めるためには、思いつく限りのことをやろうとお金は惜しみませんでした
福利厚生や人件費は、一番多いときで売上高に対して100%ぐらい
つまり売り上げと同じぐらい支出していたのです
当時は
売り上げが20億円ぐらいでしたが、銀行が売り上げ以上の額を無担保で貸してくれたんです
当社はコンサルティングのサービス業なので別に仕入れとかがあるわけではありません
なので、その借入金を自分のやりたいことや会社のブランド力向上のためにどんどん投資しました
一般常識人では福利厚生は事業がうまくいって、出た利益の何割かを配分するというのが正しいのでしょうが、当社は借り入れの何割かを配分しました
そこが失敗の大きな要因でした
人材に投資することは間違いではなかったのですが、投資の割合が間違っていました
いい人材を集めて、気持ちよく快適に、能力を発揮してもらう環境を作ることが企業の収益を決める柱だとおもっていました
ですが、多額のお金が事業に直結はしていなかった
今やってることの延長が将来に対してどう結びつくのかという結果が見えない
リターンに結びつかない投資をくりかえし、子供の頃から嫌だと感じていたことを自分が実践していたのです


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