2013年10月

20121105日経ビジネス

■20121105日経ビジネス

■柳井正 ファーストリテイリング会長
「ファッションか、品質•機能かではなく、それを超えた新しいベーシックを作っていく。我々の考える服のほうが、ファストファッションよりもよほど市場はでかい」



■桐山一憲 P&Gアジア統括責任者
世間一般での「在宅勤務を認めるか認めないか」という議論を聞いていると、社員を野に放ってしまうと仕事をしないのではないか、という管理職側の不安がよく伝わってくる
だが、実際に在宅勤務を導入してみた経験から言えば、社員が仕事をしないなどということは、まずない
社員は本当に一生懸命働くようになった
もちろん、中にはサボる人も出てくる
だが、サボる人は当然ながら結果を出せないわけである
社員が出した結果に対してきちんと評価できる仕組みがあり、かつ評価基準がしっかりと整っていれば、野に放ってもみんな仕事をするのだ
それはなぜだろうか
自宅で一人で仕事をすると周囲の様子がわからないので余計に一生懸命やろうと思うからなのだろう
在宅勤務や社外での仕事を認めたら、もっと働くケースのほうが多くなったのだ
私は、優秀な人間ほど野に放ったほうが、もっといい仕事をするものだとさえ思っている
制度改善で優秀な人間が効率よく成果を出せるようになるのに、成果を出さない人間を念頭に置いて何かを変えることに後ろ向きになるのは、実に持ったいないことである
誰かが変えなければ、組織は変わらない
しかし風土改革は、一朝一夕で実現できるものではない
となれば、変えられる人はやはりトップしかいない
末端からちょこまかとやっても変わらない
それにいったん制度の導入を決めたら、トップの言行不一致はタブーだ
例えば、会議に電話で参加している人がいたとする
それで私が「何であいつはここにいないんだ」と言った瞬間に、それまで進めてきた風土改革の努力は全てが台無しになってしまうだろう
「なんだ、口で言っているだけではないか、本気ではないのだ」と社員たちに思われて終わってしまう
自分が言っていることと、していることが違うというのは、リーダーが絶対にしてはいけないことだ

管理職が部下に対し、「仕事が終わるまで会社にずっと張り付いていろ」と命じるのは、基本的には管理職のエゴで、自分が見ていないとその人たちが働かないと思い込んでいるからだ
こうした発想は、そこまで人を信用できないのかと情けなく思う
「俺の目が届く範囲で必ず仕事をしてくれ」と思っているわけだから、これは結局、部下を信頼していない証拠だ
しかし管理職が部下を信頼できないのであれば、組織でうまくやっていけるわけがない

管理職が気にかけて定期的にチェックし、アドバイスをすることはもちろん必要だ
だが勤務時間中、可能な限り毎日一緒にいなければ信用できないなどという態度は、実に器が小さいと言わざるを得ない
大きなものになびいていくのは人間の習性であるから、仕方がないのかもしれない
しかしそこで一つ二つと思い切ったアクションを取れるようになった人は、優秀なリーダーへの道をたどり始めたと言えるだろう
もちろん、トップが率先して改革を始めたからすぐに組織が全部それに馴染むということはない
時間をかけて何度となく、繰り返し繰り返し言い続けて、ようやく定着していくのが会社の風土というものだ
末端の現場まで行けば、自分の考えていたことと違うことが起こっている場合もたくさんある
しかし、そこで手綱を緩めるのか、あるいは常に改革、成長を目指して前に進むのかで、結果は全然違ってくるだろう


iPhoneの交渉をしている間にソフトバンクは全く違うことに注力してる感じでおもしろい

ドコモのトップが必死でiPhoneを導入しているときにソフトバンクはスプリントやスーパーセルやガンホーだったりブライトスターだったりもっと先を見据えた戦いをしていてすごいと思う
ソフトバンクが一番はじめに独占でiPhoneを導入したことに意味があったのであり、ドコモがここまで遅れて導入することはやっと止血を止められたのに過ぎないのかなといまさらながら思う

自分もドコモがiPhone導入したときはソフトバンクがかなりやばいかなと思ったけど、思った以上にドコモが手遅れ状態なのかもしれない

そして
孫さんが凄すぎる

20121001 日経ビジネス

■20121001 日経ビジネス

■御手洗冨士夫 キャノン会長兼社長CEO

会社で最も資金を使うのが工場です
ここを合理化すれば損益を改善し、キャッシュフローも楽になる
そう考え、調査の末に出会ったのがセル生産でした

頼むから信じてくれ、責任はすべて取る、と説得しました
代表取締役を私一人にして、全責任を負うという覚悟を形で表しました
正直、孤独で怖かったですが、なにしろ無我夢中でした


もう一つ変えたのは、縦割りの組織です
キャノンは多角化を標榜し、事業部制を敷いていました
その体制が長くなり、制度疲弊が起きていた
だから、全体最適という方針を打ち出しました
事業部の壁を破るため、全社に横串を通す委員会を作り、事業部門長に兼任させました
事業部間の壁が低くなり、次第に取り払われました
これで、中央集権で全体最適を目指す効率的な組織に生まれ変わりました
効率的な組織の典型は軍隊でしょう
ボトムアップでバラバラに動く軍隊なんてありません
全滅してしまいます
やはり基本はトップダウンです
トップが調査や議論をして、自分の責任で目標や戦略の基本を作るべきです
これは独裁とは違います
トップが考えを述べて、部下と話し、調整して手直しをする
社長に限らず、事業部長でも課長でも、集団のトップは自分の意見をはっきりと示し、その上で部下と交流していくべきです

経営者の役割は「夢」です
将来のあるべき姿を描き、そこに向けた戦略を決め、実行部隊と議論しながら実現する
それが経営者の仕事です


20121022 日経ビジネス

■20121022 日経ビジネス

■中央タクシー
同社は経営理念である「お客様が先、利益は後」を徹底して社員に浸透させている
乗務員にノルマは課さず、経営会議でも数字目標は示さない
もし数字を追えば、「伝説」のような明らかに損失となるサービスを提供しても、多くの乗客がファンとなれば、長期的には会社の利益につながることを体現してみせる

採用方法も独特だ
タクシー業界では乗務員経験者の採用を優遇するのが一般的で、「3年程度で乗務員が丸ごと入れ替わる」と言われるほど人の出入りが激しい
そんな中、中央タクシーは未経験者しか採用せず、乗務員を純粋培養する
離職率は定年退職などを除けばほぼゼロ
経営理念が染み付いたベテラン社員を多く抱えることで、高い水準を担保する

■鈴木敏文 セブン&アイ・ホールディングス会長
今でこそセブンの業績を押し上げる商品に成長したセブンプレミアムだが、当初は社内の各部門から反対を受けたという
鈴木会長は「ほとんどの人間が過去の成功体験にとらわれて、新しい発想ができない」と指摘する
セブンイレブンだけでなく、イトーヨーカドーやそごう・西武でも同じ値段で提供するように、鈴木会長は命じた
ところが、スーパー、コンビニ、百貨店の各部門すべてから反対を受けた
当初は皆を説得した
「だが最後には、命令だからと、チームを作らせてやらせた。今ではだれも文句を言わない。これは自分たちが過去にやってきたことにいかにとらわれているかを端的に示す」と鈴木会長は話す
「過去の成功体験をぶち壊すのが自分の役割であると思い、業革会議を始めた」と鈴木会長は振り返る
「そんなに難しく考えてはいけない。未来永劫、変化は起こり続ける。それにどう対応していけばいいか考えなければならない。よそのことは見てもいいけれど、真似だけはするなと言っている。真似するのは楽だが、今の時代はライフスタイルの全てが短くなっている。自分たちで発想しなければダメだ」
いくら真似をしてもすぐに陳腐化してしまい、果実を得られないからだ
だからこそ自らが発想した価値のある商品・サービスを真っ先に提供し続ける機動力を身につけなければならない
変化に対応できる「すごい組織」を作るには、過去の成功体験をぶち壊す、業革会議のような仕組みが必要だ

大きく、しぶとく、考え抜く2 原田泳幸

■大きく、しぶとく、考え抜く2 原田泳幸


わたしはコーヒーの担当者と都心の店舗の店長に「100円のサンプリング・キャンペーンのスタートは2月初めで、テレビコマーシャルが始まったのがつい最近だけど、テレビコマーシャルが始まる前後で売り上げはどう変化したか」と聞きました
ですが彼らは即答できませんでした
つまり、テレビコマーシャルが始まる前後の売り上げに興味を持っていないのです
やはり、お店に行って商売のにおいをかぐと同時に、商売に興味を持たなくてはいけません


マーケティングも他社と同じことをしていては効果がありません
商品力で驚かせるマーケティングと、プログラムで驚かせるマーケティングの2種類があります

クォーターパウンダーは、商品力がありますが、食べたことのない人を驚かせることは難しいのです
ですから、いかにマーケティングのプログラムで驚かせるかということです
マクドナルドの顧客獲得率は40数パーセントですから、「マクドナルドがクォーターパウンダーを発表します」と言っただけでは、約半分以上の人は端からきてくれません
発表イベント店ではマクドナルドの看板を消しました
なぜなら顧客獲得率40数パーセントということは、マクドナルドの看板がかかっている以上は、半分の人が来ないからです

マクドナルドのビジネスは、社員が盛り上がるかどうかで売り上げが違うのです
ただし、お客様のおっしゃることを鵜呑みにしてばかりいても、よい結果が出るものではありません
例えば、テストマーケティングをして、お客様の評価が高ければ売れると思われていますが、そうではないのです
お客様の評価で大事な意味を持つのは、商品発売後の継続的売れ行きであって、事前のスコアだけですべてを判断してはいけないのです

値上げの理由は、「おいしくなったから」が正解
お客様がわからない論理で説明をしない
問答集を覚えるより「商売の感覚」を磨く
3人の若い女性クルーに「値上げした理由について、お客様から聞かれたら、なんて答えているの?」と聞きました
一人目は理由をど忘れして、二人目は「今回はXXの原材料をXXして、XXのように形を変えました」と言うのです
三人目は「おいしくなったからです」と言うのです
三人目が一番正しい答えです
私が問題にしたのは、一般の人が分からないような論理で売り手が値上げの理由を説明しているということなのです
わたしは、「論理的な理由を書いて、それをお客様に説明するように」なんて言うわけがありません
つまり送り手の論理とならないようにきちんと徹底して欲しいということだったのです


営業の利益管理というのは、「どこどこには行くな」という決断が重要です
無駄なコストをかけるな、ということですね

「お客様のアンケートで、お客様はこう言っています。これが大事です」と言ってくることがあります
それはおかしいと思います
ただ数字が上がったり下がったりしただけの企画書を作るなんて、あえて名前は申し上げませんが、ダメなコンサルティング会社と言えます

IQの高い人材だけ採用すると、EQ(心の知能)が欠如し面白みがなくなります


強いリーダーというのは、いわゆる必要なことだけを記憶する
必要ないことは全然頭に入ってこない
でも数字はよく覚えていますよ
大事な数値だけですが
大きな組織を動かすには方向感とそれに必要なデータがあればいいのです
細かいことを一生懸命考えるのが嫌いだったり面倒くさかったりするので、ある部分は思い切り任せてしまうわけです


企業への信用とか商品への信頼は、日本は過去、著しく向上しました
ここで私が申し上げたいのは、そういうものは広告宣伝だとか言葉で作られるものではないということです
やはり業績が一番大事です
業績なくしてブランドが光ることは絶対ありません
業績をきちんと守って初めて、申し上げたような活動が生きてくるのです
改革も経営も人材の育成も、すべての成功の鍵は業績だと思うのです
業績が悪くてはなにひとつできません
例えば、業績が悪いのに社員教育に投資なんてできません
改革ひとつとっても、業績がよければみんな改革が正しいと言うし、業績の結果がでてこなければ、すべての改革が論理的にあっていても間違いということになりますよね
そうやって考えると、ブランドづくりも同じです
業績が下降しているのに、ブランドがピカピカ光っているというビジネスなんて見たことがありません
どんなにすすけた看板でも、新聞に「業績がいい」と出ると光って見えるわけです


マーケティングは理論通りには動かない
お客様にびっくりしてもらおうという情熱がなければ商品は売れない
マーケティングでこだわることは、「ベストを尽くす」「一流を目指す」「妥協しない」の3原則です

商品企画で独自性が強すぎると成功しないという失敗事例はいっぱいあります
あまり独自性が強すぎると、消費者に定着するまでにものすごい投資と時間がかかりますし、一方、コモディティに偏りすぎると、価格戦争にしかなりません
すなわち、その真ん中のところにあるコモディティでありながら、お客様が慣れ親しんだ食のスタイルであり、独自性を持ったものがヒット商品になるのです


事業モデルを作ることは簡単ですが、その事業を実践していく人材をつくるのが一番難しいです
人材さえ育てることができれば、日本マクドナルドはまだまだ伸びると思います

大事なことは若い世代の創造力を高めることです
過去の成功体験を基準とした視点からは新しいモノは生み出せない
極端にいうと、社内の常識ではやってはいけないことが、社外では通用して、ビジネスとして成功することもあります

スペシャリストも大事ですが、ゼネラリストも必要です
その組み合わせがやはり必要です


わたしは、自分の好みでは決して人材を動かしたりしません
やはり自分に言い聞かせているのは、誰に対してもフェアな機会を与えることです
それがないとエゴイズムになってしまう
どういう方向で変化して行くということも全員にフェアに伝えます
ついてきてくれればそれでいいし、嫌だったら去ればいいという考えですので、そこは非常に冷静にジャッジします

20130924 日経ビジネス

■20130924 日経ビジネス

■細谷りそなホールディングス会長
いろいろな事業会社のトップとの付き合いで感じるのは、リーダーの器量以上の組織は絶対にできないという事実です
それを踏まえると、経営トップにとって後継者育成は最重要テーマと言えます


20120910 日経ビジネス

■20120910 日経ビジネス

■細谷英二りそなホールディングス会長

官僚的な組織の最大の欠陥は、それぞれの組織が自らの権益を守るために働くこと
これに対し、民間企業は総合力を発揮し、顧客の信頼を得て持続的な発展を目指すべきだとしている

IBMを立て直したルイス・ガースナー氏に再会し、「黒字化が見えてきたが改革のテンポが遅くなった気がする」と相談しました
するとガースナー氏も「IBMも全く同じだった。従業員が昔に戻りたがる。それを防ぐのがリーダーの役割だ」との答えがかえってきました
彼に「どういうことをしましたか」と聞くと「企業文化、社風を変えること。永遠に業務改善を続けさせることが大事だ」との哲学を口にしました

「破壊と創造」でパナソニックを改革した中村邦夫元社長からも「成功体験が続くと企業は傲慢になる」と聞いたことがある
国内外すべての企業にとって、成功で自己満足が広がり、経営の内向き化を防ぐのはいつでも大きな課題になるわけです

変化に鈍感、または成功体験が長い組織は必ず衰退の道を歩みます
事業が順調に行くほど、イノベーションを先行しないといけません
自然科学者のチャールズ・ダーウィン氏が遺したとされる言葉があります
「最も強いものが生き残ったわけではない。最も変化に対応できたものが生き残った」
銀行も当然ですが、常に顧客や時代に合わせて企業構造を変えるべきなのです


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