2014年01月

部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない1 出口 治明

■部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない1 出口 治明

「多様な人材に任せることでしか、会社は成長しない」

高い地位についた人間が、部下の意見を受け入れない「裸の王様」になれば、組織の中は同質化します
そして同質化した組織は、やがて時代の変化に取り残されてしまうでしょう

何事かを成し遂げようと思っても、一人ではなにもできません
ビジネスを成長させるためには、他人の力を借りなければならない
人の力も、時間も有限で、すべてを持ち合わせている人はいません
だからこそ、任せる
だからこそ、補い合えるチームづくりが必要です

「どんな部下も信頼して任せる」ことこそ、リーダーの要諦

「マネジメント」とは、突き詰めると「人を使う」ことです
いま、どの方向に風が吹いているか、社会がどの方向に変化しているかを見極め、変化に適した人材に「任せる」ことがマネジメントの本質です

「グローバル企業」はCEO(意思決定に責任を持つ)とCOO(業務執行に責任を持つ)をきちんとわけるのが定石

「みんなで決めよう」とすると、決定のスピードが損なわれます
稟議書にハンコの数が増えるほど、「だれの責任で決めたのか」があいまいになってしまうでしょう
したがって、「決定権を持つ者が、一人で決めるべきです」

取締役会での決定を「執行する役割」はCOOにあります
とはいえ、すべての業務をCOOが一人で担うのは現実的ではありません
職責が下位の社員に権限の一部を移譲し、業務を分担する仕組みが必要です
権限の移譲は金額で考えるとわかりやすいと思います

企業は責任の所在を明らかにするためにも、また、意思決定のスピードを早くするためにも「権限の範囲」を社員に周知すべきです

「だれが、なにを、どこまで決定できるのか」
「自分が負う責任はどこまでなのか」

事案の内容によっては、「決定権者が一人で決めると、都合が悪いこと」もあるでしょう
「まわりの意見を参考にした上で、決定をしたほうがいい」場合があります
協議とは、みんなで話し合うことです
ただし、「みんなで話し合いをする」だけであって「みんなで決める」ことではありません
まわりの意見はあくまでも参考です
最終的になにを選ぶのかは、「決定権者が一人で決定する」のが正しい協議のあり方です

事案の重要性や金額の大きさによっては、決定権者以外の者に「同意権」を与えておく方法があります
例えば、「他部門にわたる事業の予算に関しては、経理部長の同意が必要」というルールを作っておく
すると、決定権を持つ長でも、「経理部長の同意を得られなければ、仕事を進めることはできない」ことになるのです

権限を与え、仕事を任せた後の大事なルールがあります
それは、ひとたび権限を移譲したら、その権限は「部下の固有のもの」であり、上司と言えども口を挟むことはできないというものです

「社員としての優秀さと、経営者としての優秀さは違う」ことを知り、「マネージメントはマネージャー(経営者)」に「実際のプレー(業務)はプレーヤー」に任せる仕組みを構築する必要があります

私は自分の頭で考えることが競争力の原点だと考えています
その点で織田信長は、稀有な才能を有していたと思います
強い競争力と経営者視点を持った戦国武将です

なにもしなくてもよかった高度成長期であれば、流れに乗っているだけなので、家康型が適していました
ところがこれからの日本のように、ゼロ成長、マイナス成長の世界では、自分で考える「信長型のリーダー」が求められています

経営者を外部から招くのではなく、自社の中から選出したいのであれば、「社員として優秀な人材が、経営者としても力を発揮できるかどうか」を見極めなければいけません
つまり、優秀な社員に関連会社の社長をやらせてみて、実績を上げることができたら、本社の取締役として呼び戻せばいいのです

同質性にこだわると、会社が硬直化します
女性に売るなら女性に、外国人に売るなら外国人に、若者に売るなら若者に任せる
性別や年齢、国籍を超え、多様な人材に「任せる」ことで、会社は強くなります

ボードメンバーにしても社員にしても、ダイバーシティを徹底し、多様な人材で組織を構成する
これからの企業には、「異質な社員に権限を移譲し、任せる」ことが求められているのです

グローバリゼーションとは、一言で言えば、「ゲームのルールが変わった」ことを意味します
つまり、新しいルールを覚えて、新しい人材に仕事を任せて、これまでと違った戦い方をしなければ、勝てなくなってしまうのです


■丸投げ
指示があいまい
「なんでもいいから、適当にやっておいてくれ」

■任せる
指示が明確。権限の範囲が明確
「君にはこういう権限を与えるので、こういう結果を出して欲しい」

「任せる」とは「権限の範囲を明確にした上で、的確な指示を与えること」です

大きな仕事を任されると、責任も重くなる
否応なく、階段を上がることになる
その結果、「自動的に視野が広くなる」のです


上司がすべき労務管理とは、
「部下に権限を与えた上で、的確な指示を出すこと」です
極端な話、営業部の上司が部下に対して、「東京都内ならどこでもいいから、適当に行って適当に売ってこい」と指示したところで部下は困惑するでしょう
指示が適当だからです
上司は「部下が困らないように、具体的かつ明確な指示を出す」必要があります

「23区を10のエリアに分けた。誰がどのエリアを担当するかはくじ引きで決める」
「売り方は各自に任せるので、担当エリアごとに月100万円の売り上げを上げること」
「扱う商品は、これ」
「報告は一ヶ月後でいい」
と指示を与えておけば、
「どこにいって、なにを、いつまでに、どれだけ売ればいいのか」が明確になるので、部下は動きやすくなります

中間層の社員は、「上司から受けた指示を、さらに部下に伝えるポジション」にいます

私は、「上司こそ部下に対して「ほうれんそう」をする」ことをお勧めしています
そもそも部下にとって上司はうっとうしい存在です
うっとうしい上司に向かって、自発的に「ほうれんそう」をしたい部下がたくさんいるとは思えません
そんな上司にすり寄ってくる人間は、ゴマスリに違いありません
そのことに気がつかず、「あいつはなかなかかわいいやつや。よしよし、言うことを聞いてやろう」と考えた途端、正しい判断ができなくなります

部下とのコミュニケーションを円滑にしたいなら「向こうから来るのを待つ」のではなく、こちらから現場に出向いて行きましょう

上司が部下に指示を出すときは、次の四つを明確に示すべきです
期限を示す
優先順位を示す
目的•背景を示す
レベルを示す


優先順位は、「時間の順位」の他に「価値の順位」も含まれる
価値とは与えた仕事の中でなにをもっとも優先するかです
使いやすさ
わかりやすさ
SEO

「このプロジェクトではAとBとCを大切にしている。もっとも優先すべきなのは、A。二番目はB。三番目はC。判断に迷ったらAを優先するように」
このように順位をつけて伝えておけば、担当者は困りません

たとえば、上司Aがプレゼン資料を作成中だとします
上司Aは部下Bを読んで「この部分が足りないから、探してくるように」と指示を出しました
このとき上司Aは、「どんなデータが足りないのか」「どんなデータを見つけて欲しいのか」といった部分的な説明とともに、プレゼンテーションに関する全体像(背景と目的)を部下に説明する必要があります
プレゼンの目的はなにか
どういう資料をつくろうとしているのか
どこに提出する資料なのか

仕事を任せるときは、
「時間も部下の能力も有限である」ことを忘れてはいません

権限と責任は、表と裏の関係です
権限を定めれば、それに応じて責任の範囲も定まります
大きな権限を与えておきながら、責任を求めないとしたら、権限が乱用されてしまう
反対に、責任ばかり押し付けて権限を与えなければ、部下のやる気は下がる一方でしょう
部下に仕事を任せるときは、「権限と責任を一致させる」ことを忘れてはいけません
私は、「部下を育てる基本は、責任を持たせること」だと考えています

私から見て、部下の仕事の出来栄えが50点だったとします
このとき、「私が直接手をいれて、手直しをする」ほうが早いかもしれません
でも、それでは部下の能力は上がらないでしょう
部下の成長を望むなら、目一杯考えさせること
時間が許す限り何度も手直しさせるべきです

部下のほうが仕事の範囲が狭いからこそ深い

自分で考えもせずに「答えを聞きに来た部下」は相手にしません
事前に案を考えてきた部下にだけ相談にのっていました
「仕事を任せる」ときは、「与えた権限の中で部下に目一杯考えさせること」が必要です
安易に相談にのったり、すぐに答えを教えたり、すぐに上司が手直しするようでは、部下を育てることはできません
(もちろん時間は有限なので、タイムリミットを設けておく必要があります)

上司は「部下に仕事を任せる権限」を持っているのですから、部下が結果を出せなければ、最終的には「上司の責任」です
部下の責任は上司の責任になるのです
ビジネスの世界は「結果責任」です
理由がどうあれ、結果が伴わなければ責任を取らなければいけません

ところが、日本の社会では「結果責任」の概念が薄い気がします
「結果は出なかったが、善意でやったことだから、許そう」
「一生懸命頑張ったのだから、努力だけは認めてあげよう」
と考え、失敗をした社員にさえ、一定の評価を与えようとします
ですが、こうした風土が組織を弱くするのです

「知っていようが、知っていまいが、自部門の責任を取る」のが上司です
「上司はいかなる理由があろうとも、責任を取る」
「部下には、与えた権限の範囲内で責任を取らせるが、それ以上の責任は上司が取る」

上司が出処進退(役職にとどまることと、辞すること)をキレイにすると部下は上司を信頼するでしょう
し、「自分が失敗すると、上司に責任をかぶせてしまうことになる。そうならないように、結果を出そう」と、気を引き締めるはずです
一方で上司も「部下の責任は最終的に自分(上司)にある」という秩序の感覚を持っていれば、部下を把握しようとするはずです

「故意や過失があろうとなかろうと責任を取る」のが上司であり、「責任を取れる上司」がいるからこそ、組織は強くなるのです

もし、「さぼっている部下」がいたら、それは「さぼっている部下」が悪いのではなく、上司が悪い
「仕事を与えていない(仕事を任せていない)からです」

「俺は信頼されているから、仕事を与えられているんだ」
「上司が認めてくれているから、任されるんだ」
と意気に感じるはずです

マネージャーは60点で我慢する度量を持つべきです
「俺だったら80点なのに」と嘆きたい気持ちをぐっとこらえ、残りの40点は「見て見ぬ振り」をするのです
マネージャーの仕事は自らもプレーヤーとして現場に出て、「80点を取る」ことではありません
部下が10人いるのなら、まず10人全員が「毎回60点取れる」ようにするのがマネージャーの役割です

日本の企業ではプレーヤーとして優秀だった人材(80点以上取れる人材)がマネージャーに昇格するのが一般的です
するとマネージャーは部下の仕事にも80点以上を求めます
ですが、60点の部下全員を瞬時に80点に引き上げることは不可能です
まずは60点未満の不合格をなくす
そして全員が60点取れるようになったら、今度は「65点以上を目指す」のが正しい成長のあり方です

他人に任せられない人には3つの特徴がある
1.「人間の能力や使える時間が有限である」ことをわかっていない
2.部下の仕事が60点では納得できない
3.判断のスピードが遅い

60点で満足していたら組織の向上は望めません
まず全員の60点を確認したら、次は5点、10点と上げていくことが重要なのは言うまでもありません

仕事ができる上司は「玉離れ」がいい
ボール(仕事)が自分の部署にきたら、「この仕事はだれに任せようか」「あいつなら得意そうだ」とすぐに判断して、仕事を任せることができます


部下を動かす3つの方法
1.上司を好きにさせる
2.圧倒的な能力の違いを見せる
3.一生懸命働いている姿を見せる

「忙しくしているフリ」ではダメです
口ではいい事を言っても、行動が伴っていなければ、部下に見透かされます

その人に向いている仕事を任せたほうが成果は望めます
「人には向き不向きがある」
「部下の得意なところを任せる」
部下の短所は「ほうっておく」

部下の「尖った部分」は、「削るのではなく、そのまま残す」こと
人は「小さい円より大きい三角形」であるべきです

単純な事務作業を、ミスなくスピーディに行うのは大変な能力です
ルーチンワークにも重要な責任がかかっています
したがってルーチンワークをする人も会社にとっては欠くことができない存在です

人には「得意•不得意がある」ことがわかっていない上司は、「苦手なものも、がんばって努力を続ければ、必ず克服できる」と考えがちです
ですが、私はこの考え方は反対です

極論すれば、苦手は克服しない
苦手なものは誰かに補ってもらう
だれかに教えてもらう
だれかに手伝ってもらう
チームはそのためにあるのです

「人間って普段30〜40ぐらいで働いているのだから、50で働けば十分や」

人に仕事を任せるとき、上司は次の2つを見極めなければいけません
1.部下の適性(向き不向き、得意不得意)
2.周囲の状況(いまがどのような局面なのか)

適材適所は口で言うほど優しいものではありません
なぜなら上司が
部下の適性
周囲の状況
を察する能力(=洞察力)を持っていないと実現できないからです

「上手に任せられる人」になりたいのなら「人間と社会に対する洞察力を高める」ことが重要です
「社会はどのように成り立っているのか」
「自分が置かれた立場はどうなっているのか」
「状況を打開するために、自分にできることはなにか」
「だれになにをどのような任せ方をするのが最良なのか」

会社の状況、社会の流れと変化、部下の適性などを読んで、
「最適な人材を最適な場所に最適なタイミングで配置」しなければならない

インプットの量を増やすには、
「人から学ぶ」
「本から学ぶ」
「旅から学ぶ」
この3つ以外にありません
私自身を振り返ってみると、この3つの中では「本」から得たインプットが最も多いと思います

好んで読むのは、古典です
方法序説
アメリカのデモクラシー
想像の共同体
韓非子
二コマコス倫理学
などの古典作品は長い歴史の中で残ってきたものであって、市場の洗礼を十分に受けています
その意味では、「1冊の古典は10冊のビジネス書に勝る」かもしれません


山本五十六が残した名言、
「やってみせ、いってきかせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、ひとは育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
にあるように、相手を信頼し、任せるからこそ人は育ちます
合理的な根拠のない精神論では、決して人は育たないのです

大きく、しぶとく、考え抜く3 原田泳幸

■大きく、しぶとく、考え抜く3 原田泳幸


私が非情に冷徹に人材を切るというのは、その人物がビジネス・アジェンダ(会社のため)で行動しているか、パーソナル・アジェンダ(自分のため)で行動しているかという判断によります
それがパーソナル・アジェンダだったときは、絶対にそこでけじめをつけます
やはり、自分個人よりもビジネスを考えて行動しなければいけません
ビジネスを犠牲にして自分のために行動したら許しません

店舗開発、メニュー、マーケティング、オペレーションなどの縦割りのリーダーはきちんといます
しかし、全社レベルで考える能力がないと経営はできませんから、会社全体の視点で最適化モデルや連動を考える人材を作らなければならないと思います


どこかを負かして自分が勝つという変化だけではなく、コラボレートして一緒に時代をつくっていく、一緒に変わっていくことも考えないと、人間の価値観が若者の間で間違って培われる気がするのです
とこかを負かした者が勝者のような感覚になるかもしれませんが、それは違うと思います
日本の農業政策でも、変化しないところが税金で保護されるのではなく、ともに海外との競争に勝って行こうとへんかするところを支援していくことが大事だと思います

ipadやitunesを否定するつもりは全くありませんし、世の中を豊かにした素晴らしい革新だと思います
紙媒体のものをコンピュータやデジタルに移植して、いつでもどこでもだれとでもコミュニケーションできることもバリューです
しかし、本当にそれで幸せになったかというと、すこし勘違いさせているのではないかなと思うのです
私はそれらがなくても生きていけます
ただ便利になる、早くなるだけではなくて、人間の生活を豊かにするものが何かを考えなければいけないのではないかなと思います


ある程度の年齢の人を中途で採用し、そこに新卒を入れていくと、新卒の成長の阻害要因になっていることがあります
そこを健全にするためにどうするかというと、新卒をたくさん採って中途を減らし、バランスを取らなければいけません
指導してリターンが高いのは、やはり若者です
年をとった人にいくらトレーニングしてもリターンが上がりません
人は40歳をすぎたら変わらないのではないでしょうか
もちろん若さというのは実年齢でいうものではなくて、ラーニングスキル(学習能力)だと思います

「あなたが何を勉強してきたか、何をやってきたかは関係ない。今後何ができるかが問題で、その鍵はあなた自身のラーニングスキルにある
入社してなにかこれまでの経験を活かしてお役に立ちたいなどと絶対に思わないでほしい
お役に立ちたいと思った瞬間、迷惑だ
いままでと同じことをやられるとうちの企業の強さはなくなるから、うちの企業の強さを学ぶまでは一切役に立とうなどと思わないでほしい」ということです
アップルのときもそうです
IT業界から人を採ったことはありません
今も、外食産業から人を採っていません
同業他社から採ったら、必ず同じことをやって同じように失敗していくからです

TPPに日本が今のまま参加しても、発展的成長はありません
日本の産業には、国益を生むために世界で勝つ戦略が描かれていないからです
どんなリスクが生まれるかという消極的な議論ではなく、どのように世界市場で成長を図るかという議論をする必要があります

今ではすべての企業がそれぞれの国籍を持ったグローバル企業の時代です


2004年2月にマクドナルドに入り、次の月には全国の組織をがらりと変えました
とにかくスピードを優先しました
戦略も組織もどれが正しくて、どれが間違いというのはありません
どれを信じて選択するかという話でしょう


柳井
ヒットを生むには(消費者の)期待を超えることが必要です
たしかに市場調査は必要ですが、消費者が「こんなものがほしい」という通りのもの出しても売れません

原田
私もリサーチだけで商品計画を立てるな、と言っています
例えば、お客様にどんな商品が必要かと聞くと、オーガニック、ダイエット、ローカロリーなどのメニューが並びます
でも、サラダを出しても売れず、クォーターパウンダーを出すと、若い人たちがダブルで食べています(笑)


名言

いい言葉は実行できない

Amazon 名言

■Amazon

http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=10645


広告は、平凡なサービスをつくってしまったことに対してあなたが支払う代償である


大きな事が非効率に行われている時、そこにチャンスがある


簡単に利益が上がると期待して、甘い気持ちで新規事業に手を出すと大やけどを負います


初めてのことをしようと思えば、そこまでしなくてもと思われるくらい熱心かつ根気よく作業を進める必要があります


他社を真似したビジネスには手を出さない

利益たった1%で突き進むアマゾンの奇才経営者

■利益たった1%で突き進むアマゾンの奇才経営者

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140108/257918/?P=2&mds

私はよく「5年後、10年後には何が変わっているだろうか?」と尋ねられる。しかし本当に重要な質問は「5年後、10年後にも何が変わっていないか?」だ。なぜなら、ビジネスの根本を長期にわたって不変な原則の上に建てることができるからだ。今から5年、10年経ってユーザーが私のところに来て「ジェフ、値段をもっと高くしてくれないか」ということは想像できない。「配達を遅くしてくれ、品揃えを少なくしてくれ」などということもあり得ない。低料金、速い配送、幅広い品揃えは何十年経ってもユーザーが望むものだ。

高利益率ビジネスはうらやましい。しかし高利益率ビジネスからは日本人の言うカイゼン、効率化は生まれない。なぜならその必要がないからだ。必要は発明の母だ。18年にわたってアマゾンはリーンな低利益ビジネスを追求してきた。それはアマゾンの文化だ。

爆速ヤフーの突破力 東洋経済NO.13

■爆速ヤフーの突破力 東洋経済NO.13

事業は大技、中技、小技から形成されている
経営者は大技だけ常に考えろ

素早く意思決定することが本当に大事です
やっぱり回転の早い方が勝つ
回数も重要です
いくら正しい決定をやっていても、打席が四回しかなければ最大でもヒットは四本しかでないじゃないですか
でも、打席が多ければたとえ打率が悪くてもヒットを10本打つことができるわけです

以前は広告主の要望を優先していたが、今はユーザに集中している

孫正義の世界戦略 東洋経済NO.31

■孫正義の世界戦略 東洋経済NO.31

うちは卑怯とか臆病と言われるぐらい、撤退が早い
(共同出資などで)「一度パートナーに乗せておいて、勝手に引くなんてけしからん」なんてよく怒られますが、やばいと思ったときは撤退は早ければ早いほどよい
織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、何回も負け戦を経験しているわけです
三国志を読んでいても、曹操ですら何回も負け戦を経験している
劉備玄徳なんてほとんど負け戦
結局、生き延びる人や天下を取った人は、酸いも甘いもかみ分けていて、致命傷を負う前にさっと撤退する引き技というのが上手なんですね
引き技は、攻め技より10倍難しく、10倍勇気がいる
ただ、引き技をしても、それは一時退却、一部退却であって、つねに別のところでは別の攻めをいくつもやっているし、トータルで勝ちに行っている
長いスパン、広いスパンで見て、最後は勝つという腹の底に自信があるから恥とは思わない
それをやりきらないと、致命傷を負うわけです

質問:
さらに自分の一代前の社長が決めたこととなると、ますます撤退できない
答え:
そうですよね。先輩の会長がいるとか、相談役がいるとか、なおさらですよ
それはすべて関係ない
正しいことは正しいし、昨日までの理由は関係ない
今日と明日にとって、どっちが大事かという事のみで純粋に判断するべきなんですよ


ソフトバンクでは失敗したことを責められない
「どうやって取り返すんだ」
「次はどうするんだ」

名言

いい台詞だ。感動的だな。だが無意味だ。

運命よ、そこをどけ。俺が通る。


20131207週刊ダイヤモンド

■20131207週刊ダイヤモンド


オムニチャネルとは、店舗とECサイトの継ぎ目をなくすことで、顧客と様々な接点(チャネル)を持ち、いつでもどこでも同様の買い物体験を提供するという考え方のこと


セブン&アイホールディングスはコンビニから百貨店までグループ全体で取り扱う約300万商品をネットで購入できるようにすることを決めた
今後、約100億円を投じて在庫情報を一元化するシステムを構築する


「競合他社が強くなりすぎた時には「ルールを変えること」が重要だ。マサが現状を気に入らないなら変えてしまえばいい。ゲームチェンジだ」



これまでも世の中は大きく変わってきましたが、この先は異質な変化がやってくる
たとえば、オムニチャネル化をどう軌道にのせるか
これまではリアル店舗とネット通販とは別々のものとして存在してきましたが、今後は完全に融合したものになっていくでしょうオムニチャネル化をやっていかないとこれからの成長はあり得ない

肝心なのは過去の成功体験をすてて、どれだけ挑戦できるかということです

みんなが同じことをやったら、どこも儲からない
各社がそれぞれの考え方、方針で経営していけばいい

海外でも日本でも、PBはナショナルブランドに安さで対抗するものというのが常識でした
しかし、消費が飽和状態にある中で、安さではなく、質の競争の時代に入ったとみています
特に「上質さと」「手軽さ」の両方のニーズに応える商品がなく、そこが大きなポケットになっていました

かつて商品のライフサイクルは徐々に売れ行きが高まって、ピークを過ぎた後に少しずつ売り上げが落ちていく「富士山型」でしたが、すぐにピークを迎えてそれを過ぎるとパタッと売れなくなる「茶筒型」に移行し、今はピークがさらに短い「ペンシル型」です

グループの社員に言っているのは、「絶対にモノマネはするな」ということ
売り手市場の時代はモノマネでもいいですが、「ペンシル型」の時代にモノマネなどしていたら販売機会ロスや売れ残りの廃棄ロスが増えるだけです


20130121 日経ビジネス

■20130121 日経ビジネス

■ソニー
「安く多く売るのではなく、世界のプレミアムブランドとしての地位を確立することこそが、遠いようでテレビ事業再生への近道だ」
ソニーのホームエンターテインメント&サウンド事業本部企画マーケティング部門長である奥田利文は言い切る

本来成長領域のはずのモバイル製品群はどうか
スマホやタブレットでは、テレビで仕掛ける地道な「高付加価値路線」ではもはや挽回が不可能なほど、劣勢にたたされている
アップルとサムスンによる市場寡占化が進んでいるが、平井は「世界的なレベルで言えば、(2強の顔ぶれが)入れ替わる可能性はいくらでもある。(スウェーデンのエリクソンと合弁を解消して発足した)ソニーモバイルコミュニケーションズは経営スピードが確実に速くなっている」と、舞台から降りる気はさらさらない

今のソニーには、市場のルールを一変させるような商品・サービスの開発力が欠けている
様々な手を打ってはいるが、「結果として、世界初・ソニー初の商品が全くない」
メリルリンチ日本証券調査部長の片山栄一

「予定よりもアヘッド(前進)している」
平井がこう評価するテレビ事業の立て直しも、シェアを追わずに利益確保を優先させるもので、現状はコスト削減が主な策
平井本人も認めるように「ディフェンス」にとどまる
「赤字を一定規模で抑える体制はできたが、黒字化や収益拡大を図れる商品や戦略がみえない」
テレビ事業について、ドイツ証券シニアアナリストの中根康夫は手厳しい


爆速経営 新生ヤフーの500日 蛯谷敏

■爆速経営 新生ヤフーの500日 蛯谷敏
「201x年までに営業利益を2倍にする」という目標を掲げ社内外に公表した

「リーダーが判断に迷うのは、目標が明確でないからだ」


最後に、設定した目標を達成するための具体的な戦略を定め、それを戦術に落とし込む作業だ

ヤフーは大きな戦略を3つに絞り込んだ
事業の選択と集中を加速させること
他社との事業連携を積極的に進めること
新事業を立ち上げること

基本戦略はあらゆる事業において普遍的であり、よほどのことがない限り変えない
その一方で具体的なアクションとなる戦術は状況に応じて柔軟に変えていく

経営の判断基準はできる限りオープンにし、その原理原則を社員の誰もが認識し、理解できるようにした

もう一つ工夫している点がある
メッセージの伝え方である
「オンリーワン」「異業種最強タッグ」「未踏領域への挑戦」

MBAマネジメントブック
ビジョナリーカンパニー

「世界で勝ち残れるような企業はみんな努力している。みんな汗を流している。しかし、重要なのはどこに向かって汗を流すか、何に向けて力を合わせるかだ。このテーマの持ち方次第で結果は全く違ってくる」

会社のあるべき姿を定めた理念が企業の生き様だとすれば、目標は具体的な行動計画に当たる
数字と期限を具体的に記した目標を持つべきだと、孫は繰り返した

「自分たちは、井上さんのように経営能力だけで勝負はできない。能力がない分、能力のある人に任せようと考えていました。そのためには、自分の考えなり方針なりをちゃんと説明して納得して動いてもらわないと、と思っています。だから、まずは説明をきちんとする。そのためには、経営陣として明確な方針を決めなくちゃいけなくて」

宮坂流のマネジメントの本質
それは直言すれば次のようなことになる
「原理原則で動かす」
つまり、意思決定する判断のよりどころとなるルールを公開し、社員に周知した上で事業を進めるというスタイルである
社員が自律的に動く、ルールに基づく権限委譲型のマネジメントを目指した

番付制度
サイバーエージェントとグーグルのサービス運用を見習った
「環境に合わせていろいろなパラメータを組み込んでいって、サービスの方向付けを柔軟に変えていきます」


永守さんは、経営者には二つの要素しかないと言うんです
一つは、いかに多くの意思決定をするかということ
もう一つは、いかに早く挫折を経験するかということです
それでなるべく早い段階で責任と権限を与えて、意思決定をする機会を増やす仕組みに変えたわけです

「自分がプレイヤーとして先頭に立ってやれる限界というのは100人くらいだと思うんです。それは自分の器の問題かもしれませんけど、自分が全部差配するというリーダーシップは、それくらいの規模が限界だと思うんですよね。でも、現実にヤフーは数千人規模の組織になっている。では、どうすればよいかというと、才能のある人とチームを組むことなんですよ。何でも自分が指示を出すのではなく、チームで結果を出して行くことに意識を変えれば、もっと大きなことができる。結局、マネジメントというのは人に結果を出してもらうのが仕事です。自分ではない人が、結果を出せるようにどうサポートするかが重要じゃないですか。自分で結果を出しても、それはプレイヤーとしては評価するけど」
もちろん、経営陣は単に権限を委譲して傍観しているわけではない
大掛かりな案件は幹部自らが迅速に動き、話をまとめてくる


「経営とは、軍議長くすべからずだよ」
軍議、つまり会議は長くやればやるほど不安なことが増える
あれは大丈夫か、これは問題ないかとやっているうちに、結局やめようとなってしまう
だから、決断というのは思い切りが大切ということだ


スピード提携が出来る一つの理由は、宮坂や川邊がトップダウンで交渉を進めていることが大きい
201x年までに営業利益を2倍にするという目標が設定され、伸ばすべき事業もはっきりしているから、提携相手との交渉にブレがない

交渉が長引けば、提携がまとまったころには同意した事業自体が全くの時代遅れになっている恐れもある
スピードこそがネットの世界で生き残るための最優先条件なのだ


前社長の井上はかつて日経ビジネスの2010年1月4日号のインタビューで、次のような発言をしている
「単純に突っ走るだけなら簡単だ。しかし、今のヤフーは万が一失敗したときに失うものが多い。(略)ウェブサービスはいいかげんにやっていいものではない。そこを無視してベンチャーはスピード感が命とかいうのは問題だろう」


宮坂は、可能な限りスピードを追求して挑戦する回数を増やそうとしている
自分の判断が不確実だからこそ、挑戦の回数を増やし、失敗後に挽回できる時間的余裕を確保し、結果として成功例を増やしていく


営業力を上げるには気合いも大事だが、それ以上に仕組みとスピードで高められるということが腑に落ちて理解できた


自分にとって(提携の)決め手となるのは、ビジョンというか、なんで仕事をしているんだろう、というところで共感できるかどうかということだったりします


事業提携に関しては、割と幹部に任せているんですよ。かなり裁量を持たせて、全部自分が見なくてもいいようにしています
僕が全部やっていたら、とてもあの速度では動きません
基本的なルールだけ決めて、あとはどんどんやりなさいと
具体的な額はいえませんが、一定の金額まではどんどん使っていいよと


ショッピングってすごく単純な構造で説明すると、売り手と買い手と品揃えという三要素だけしかないんです。
この循環がうまく回っているところほど活気があって強いサイトになる。
結局どこから始めるかなんです
いろいろと検討した結果、僕らは売り手の数を増やすことから始めました


異業種タッグによって戦う条件が整ったこれからが本当の戦いになる


インターネットという産業は厳密には存在しない
ネットは手段であって、目的ではないからだ
林業でも畜産業でも既存の産業の課題を解決するのことがネットの本質である


ヤフーの新事業は2つに分かれる
一つは既存の事業を補完するもの
もう一つは全く関係ない、文字通り未踏の新領域である


僕なりに分析したマスメディアとネットの特性というのがあるのですが、まずテレビというのは暇つぶしのためのメディアなんです
なにもすることがないときに、ついスイッチをいれてしまうという意味でね
新聞というのは、一面を見て世の中のアジェンダ(検討課題)を確認するという特性と、逆説的だけど、テレビを見るために見ているという特性がある
テレビ欄がありますからね
ではネットというのはどういう特性があるかというと、実は買い物をするメディアなのではないか
これは従来のメディアにはなかった特徴で、極めて特殊なんですよね
多くの人はネットを見ながら買い物をしている
だから、そういう意味でも、金融、幅広く言えば決済まで含めたサービスは重要になる
ポータルで入り口を押さえて、金融事業で出口を押さえたいと考えています

ショッピングで競争する楽天はグループ会社の楽天銀行や楽天カードによって、出口である決済の部分を完全に押さえている
幅広い品揃えで利用者を集め、その決済に楽天カードを利用してもらい、さらにポイントサービスで巧みに囲い込んでいくという戦略だ


トップマネジメントというのは、つまるところ人事ではないでしょうか
経営で唯一コントロールできるのは人事しかないし、配役によって結果はガラリと変わります

組織は集中と分散のどちらが正しいという類いの議論ではなく、状況に合わせて変化させていくものである


ちょっと大げさだけど、人に生きていてよかったとか本当に楽しいと心の底から言えるような仕事を提供できる場を提供すること、それが会社の価値だと思っているところがあって
そのためには社員がやりたいと思える仕事を見つけてあげることが大事だし、そのベクトルと会社の利益のベクトルを合わせることが大切だと思っています

本間が説く組織論の1つに「フォロワーシップ理論」というものがある
自分自身が強力なリーダーシップやカリスマ性を持っていなくとも、フォロワーであるメンバー一人一人が監督のような当事者意識を持ち、自律的に動くようになれば、強いチームは作れる
むしろ、カリスマがいなくても、自ら動けるしぶとい組織になる

本間によれば、組織の活性化には一つ絶対に外してはならないポイントがあるのだという
「だれかに見られていると本人に意識させることに尽きる。さっかーのような11人のチームでも、5000人を超える組織であってもそれは変わらない」

人は見られることで自分を意識する
服装や化粧がわかりやすいが、自意識が高まると人の行動は変わる
張りが出るのだ

スポーツの世界を見ても、強く活力のあるチームは例外なくメンバー同士が声を掛け合って意識を高めている

業務に関して指導する「ティーチング」
周囲の評価を忠実に伝える「フィードバック」
聞き役に徹する「コーチング」


人事評価制度の要諦は三つしかない
まず、頑張る人が報われるということを社内に周知させること
そして、実際に頑張った人に報いること
さらに、どうしたら報われるのか、その基準を明確にすること


フェイスブックからいいアドバイスをもらったのは、会社の価値観を作るんだったら、人事評価にそれを持ってこないんだったら定着しないということでした


事業に責任を持つ担当者と、部門の人材育成の責任者を別々に据える「マトリクス型組織」と呼ばれる仕組みを導入したのだ


僕らがビジネスをしている情報産業は、つまるところ、人のアイデアや創造力が競争力の源泉になっています
そう考えるとヤフーの競争力を左右するのは、もう人以外にありません
だから、優秀な人材を育て続けるという人材開発会社構想は
、新体制の早い段階でやろうと決めていました
では、最も効果のある人材開発手法はなにかというと、僕自身は異動だと結論づけています
これまでにない新たな経験をすることが、実は人にとって最大の教育になるのではないか


会社というのは、そこで働く人の人生のプラットフォームだと思っているんですね
それぞれの社員がライフステージにあった働き方ができるようにするべきだと思うんですよね
僕は20代、30代のころ、猛烈に働いてきましたけれど、全員にそれを強制するつもりはないと思っています
もし、みんなに強制しなければいけないとしたら、それはプラットフォームとして器が小さいですよね

だから、僕は会社からアサインという言葉を無くしたいと思っているんですよ
仕事は全部チョイスにしたいんですよね
社員が主体的に選んでいくということです


もしオフィスを一から作ることができたら、オフィス屋さんよりもカフェ屋さんにオフィスを作って欲しいんです
日本で一番でかいカフェを作って、そこでたまたま働いているイメージです
だって仕事ってあきらかに休日にカフェでやるとはかどるわけですよ
会社もああいう居心地の良さを提供しないと、やがて人がこなくなるのではないかと
「次の時代のオフィス」といった瞬間にオフィスという発想から抜け出せなくなってしまうと思うんです


「脱皮できない蛇は死ぬ」


ウィニング
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イノベーションのジレンマ

「任せる」と「丸投げ」は大違い:ライフネット生命のマネジメント論

http://www.lifehacker.jp/sp/2013/12/131225book_to_read.html?r=www.lifehacker.jp



権限の感覚を持たない上司は、「任せる」(権限の委譲)と「丸投げ」の違いがわかっていないといいます。
丸投げ:指示があいまい。「何でもいいから、適当にやっておいてくれ」
任せる:指示が明確。権限の範囲が明確。「キミにはこういう権限を与えるので、こういう結果を出してほしい」
つまり「任せる」とは、「権限の範囲を明確にしたうえで、的確な指示を与えること。

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