2014年12月

20140224 日経ビジネス

◼︎20140224 日経ビジネス

◼︎出口治明 ライフネット生命保険CEO
リーダーに必要な資質はなにか
よくそう聞かれるが、私は3つの最低条件があると考える
それは、強い思い、共感する力、そして統率力の3つだ
出世し、人の上に立って支配することが目的のような人物をリーダーにすべきではない
何かを成し遂げたい強い思いがある人をリーダーにすべきだ
何かをやり遂げたい強い思いを持ち続ける人は、迷っても失敗しても、何度でも立ち上がる強さがある
周りも手を差し伸べたくなり、思わぬ応援を得られたりもする
共感する力とは、その「自分のやりたいこと」を、丁寧に伝えて共感を得る力だ
人は、表向きは賛同して、裏では足を引っ張るようなことを平気でする
それが人間社会だ
そして統率力は、思いがけない困難にぶつかった時、仲間と丁寧にコミュニケーションを取り、最後まで率いる力を指す
統率力と言うと誤解されがちなのが「黙って俺についてこい」などの不毛な精神論だ
独善的に振る舞うことは、統率することとは違う

チームを率いる資質として3つの最低条件を挙げたが、優れたトップに一番必要なのは、正しい意思決定ができる力だろう
いいかげんな思い付きで意思決定をしても、会社に成果をもたらし、顧客の利益に資すれば、それは良い意思決定だったことになる
一方で真剣に考え抜いた意思決定でも、会社にマイナスの効果しかもたらさず、顧客の不興を買うようであれば、悪い意思決定だ
組織で何かが決まったのに実行されないことはあり得ない


20140203 日経ビジネス

◼︎20140203 日経ビジネス

◼︎古森重隆 富士フィルムホールディングス会長•CEO
リーダーシップの本質は、「最も優れた人間が最も優れた決定をする」ということ
会社に当てはめれば、「優れた独裁者が率いる組織が最良の組織」になる
もちろん、民主主義や多数決による意思決定を否定するつもりはないが、それは平時において、だ
危機下では、周囲に意見は求めるが、リーダーが己の責任で決断し、組織を導く
どこの世界に、兵隊一人一人の意見を虜って作戦を遂行する指揮官がいるというのか
民主主義的に決めることで各方面への目配りは行き届くが、結果として平凡な経営になる
誤解を招く表現なのは承知の上であえて言おう
経営者は優れた独裁者であるべきだ
その代わり、リーダーは自身の決断に責任を持たなければならない
リーダーの失敗で組織が壊滅する以上、「間違えました」では済まない
侍は失敗すれば腹を切った
どんな決断であれ、リーダーは必ず成功させる必要がある
これは極めて厳しい道だ

2003年以降、フィルム市場は20分の1に落ちた
まさに、富士フィルムの足元は音を立てて崩れていた
その過程はとても苦しかった
「読む」「構想する」「伝える」「実行する」という4つに注力した
「読む」とは、置かれている状況を把握し、将来を正確に予測することを指す
有事の際に正確な情報を得ることは容易でなく、大半の情報は断片的で不完全だ
その中で、全貌と本質を理解しなければ、その先には進めない
「構想する」はやるべきことの優先順位を決め、実現のためのプランを考えることだ
特に、優先順位の設定は不可欠と言える
どのくらいのスピード感や規模感で断行するか、それは優先順位を決めなければ断行できない


20140113 日経ビジネス

◼︎20140113 日経ビジネス

◼︎奥田務 Jフロントリティリング相談役

あらゆる産業がドラスチックに変わる今の時代に、経営者が備えなくてはならない資質は何でしょう
リーダーシップ、決断力、分析力、、。
もちろんこれらも不可欠です
けれど、これらが正しく発揮されるためには、ある前提が欠かせません
それが、「鳥の目」を持つことです
自分が属する企業や産業を俯瞰すること
一歩引いて、外から観察する目を養うこと
もちろん企業経営では、1つの課題を深く掘り下げる「虫の目」や、市場や時代の流れを読む「魚の目」も重要です
けれど同時に、客観的に物事を見極める目も欠かせません
「鳥の目」を持てば、思い込みにだまされず、問題の核心が見えてきます
正しい課題を見いだせなければ正しい解決策も生まれません
私の経営者人生を支えたのもこの視点でした

ビジネスモデルが変われば、企業のコアコンピタンスが変わる
それに気づかず、優先順位の低い部門にリソースを割けば、競争力は衰えます
例えば買取モデルでは、商品を自社で仕入れて、在庫責任を持って売り切ります
この場合のコアコンピタンスは、商品の品揃えや仕入れ値、粗利益のコントロールでしょう
いかに自社の販売員のやる気を高めて商品を売ってもらうかというモチベーションマネジメントも重要です
一方、消化仕入れでは、商品の品揃えを決めて販売するのはブランド側の仕事です
百貨店のコアコンピタンスは何かというと、売り場にどんなブランドを入れて、どう組み合わせるかという編集業務です
巷で人気のブランドや将来売れそうなブランドを発掘して、早期に売り場に入れる交渉力や、ブランド側の店長•販売員に気持ちよく商品を売ってもらうサポート力
さらにはブランド側と協力する販売促進力
これらがコアコンピタンスとなります

日本のように四季に合わせて細かく品揃えを変え、常時100万点以上の商品を扱う百貨店業で、いちいち商品を買い取っていれば、在庫が積み上がり、たちまち経営は破綻するでしょう
つまり、日本の百貨店業は消化仕入れから逃れることができない
であれば、利益率が低いと覚悟を決めて戦略を練ることこそ経営者の務めでしょう

時代とともに消費者は変わり、それに合わせてビジネスモデルも変えなくてはなりません
すべての産業で共通して求められるのは、変化対応能力です
消費者が変わる前に、企業は半歩先、一歩先を読んで変わらなくては生き残れません
日本の百貨店の多くはもともと呉服店で、自らを百貨店に変えて生き残った


20131230 日経ビジネス

◼︎20131230 日経ビジネス

◼︎岡野雅行 岡野工業•代表社員
俺を陥れようと考えたのかな
ばかな考えだよ
そういうのは腕がねえやつ、頭の悪いやつの発想だよ
腕さえあればいくらだって稼げるんだよ
人ができない仕事をやるんだから
簡単にできない仕事をやるんだからさ
陥れようとしたって、俺は簡単には落ちないよ


◼︎梅原勝彦 エーワン精密相談役
日本のモノ作りは衰退したなんてよく言われるけど、2014年を境に間違いなく復活するよ
中でも、製造業を底辺から支える町工場が元気になります
きっとこれまでの苦境が嘘みたいに感じられる状況に向かっていくんじゃないかな
長年、多くの町工場は、仕事を発注する大手メーカーから本当に虐げられてきた
利益の出ない発注額でも、会社を存続させて雇用を守るために、涙をのんで仕事を受けざるを得ないのが実情だったんだ
けれども、2014年から日本の町工場は、製品を買い叩くようなメーカーとはもう付き合わなくてもよくなっていく
町工場のほうが、発注元を選べる時代がやってくるわけだ
下請けいじめも減っていくでしょう
根拠は単純で、大手の発注量に対して、受注側の町工場の数が、適正水準になってきたからだよ
2008年のリーマンショック後の厳しい不況で、多くの中小企業が廃業や倒産に追い込まれた
その結果、下請け業者が一気に減り、取引する町工場を大手メーカーが好きなように取捨選択できるような状況ではなくなりつつあるんだ
もちろん、発注元を自由に選べる立場の下請け業者になるためには、大企業から必要とされる高い技術力を持っていなければならないよ
その町工場が存在しないと、大手メーカーの製造戦略が成り立たない
そのぐらいの存在にならないとダメだ
でも、その点、今、生き残っている町工場は心配ない
なんたって、ここ数十年で最大級の不景気を乗り切った連中だからね
本物だよ
設備投資や人材育成を怠らず、確かな技術力を持つ
そんな強い町工場の割合が確実に高まった
多くの業者が、大手が内製したり、他で頼んだりしても達成できない品質を実現できる
随分と追い詰められたけど、それでも日本のモノ作り魂は死ななかったんだよ



20131216 日経ビジネス

◼︎20131216 日経ビジネス

◼︎
稲盛流の要諦を集約した「経営12か条」「リーダーの役割12か条」

「経営12か条」
1.事業の目的、意義を明確にする
2.具体的な目標を立てる
3.強烈な願望を心に抱く
4.誰にも負けない努力をする
5.売り上げを最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
6.値決めは経営
7.経営は強い意志で決まる
8.燃える闘魂
9.勇気を持って事に当たる
10.常に創造的な仕事をする
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な気持ちで


「リーダーの役割12か条」
1.事業の目的•意義を明確にし、部下に指し示すこと
2.具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる
3.強烈な願望を心に抱き続ける
4.誰にも負けない努力をする
5.強い意志を持つ
6.立派な人格を持つ
7.どんな困難に遭遇しても、決して諦めない
8.部下に愛情を持って接する
9.部下をモチベートし続ける
10.常に創造的でなければならない

禅の根源的な教えに「即今、当処、自己を確かめる」というものがある
いま自分が置かれている状況の中で、本当の自分を見極め、自分しかできない最大限のことをする
それこそ、「誰にも負けない努力」にほかならない


◼︎スティーブジョブズ
自分の居場所は自分で作る
年を取れば取るほど、動機こそが大切だという確信が深まる
今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいか

◼︎ケリング
「ブランド経営で最も重要なことは、もの作りにおいて無理なシナジーを求めないこと」

ケリング傘下にある17の高級ブランドら、それぞれが個性を最大限発揮できるよう、独自に原料を調達し、工房や職人を抱えて商品を作る

「もちろん原料調達や製造工程を統合すれば、それだけで膨大な利益が出るだろう。だがそれをするとブランドは確実に台無しになる」

高級ブランドが今なお消費者を魅了するのは、長い歴史の中で培われてた技術や作り手の思い、そのブランドにしかない個性が商品に宿るため
ほかには代え難いこのDNAにこそ、ブランドの価値がある
そこを合理化してしまえば、ブランドのDNAや価値を損なうことにもなりかねない
「ブランド経営における唯一の戦略は創造性を伸ばすこと。クリエーションの中央集権化が最も危険な行為」

効率化すべき部分はとことん効率化する
しかしそうすべきでない部分はたとえ経営リスクを負っても徹底して非効率を貫く



20131125 日経ビジネス

◼︎20131125 日経ビジネス

◼︎小林一雅 小林製薬会長
社員としても、なにが会社のコア事業なのかが明確でないと、会社の目指すべき方向が見えづらく、社員がバラバラに別方向へ走っていってしまいます
そうすると結束力がなくなり、会社としてのブランドも、アイデンティティもなくなってしまう
それを防ぐために、譲渡しなければならない
卸事業だけではありません
医療機器事業も2012年5月に譲渡しました
当社として、医療機器事業にはやはり違和感があったんです
その違和感の正体はなにか
よくよく考えてみると、医療機器事業について経営トップが詳しくなかった
トップがきちんと理解できていない事業の成功は難しい
だって、詳しく知らなければ、小林製薬の原動力であるマーケティングや、開発、技術のすべてをいかせないですから
トップが詳しくないとアカンという考えは、買収時にも共通しています
これまで、いろいろな企業や事業を買収してきました
成功したものもありますが、失敗したものも少なくありません
なにが悪かったのかを振り返りますと、トップが深く知らない事業は成果が出ていないことが多かった
詳しくない事業であれば、その分野に詳しい人にトップは任せてしまう
報告を受けても、きちんと理解していなければ問題のタネが発生していてもわからない
気づいたときには大きな問題へと発展し、手遅れ
これでは、買収した事業を大きくしていくことなどできません
事業や企業を買収して、誰に任せるか
これは非常に重要な問題です
小林製薬では、買収する際にあるルールがあります
それは、買うと決める前から、誰をトップとして送り込むのかを決めるということ
買ってから決めるのではダメ
買収した会社にそのまま任せるのもダメです
小林流のビジネスモデルに転換させるためには、中途半端な人材を送り込むわけにはいきません
管理職だろうが現場社員だろうがエースを送り込む
ただ、エースを送り込むと、既存の現場が打撃を受ける
要するにエース社員を引き抜いてでも買う価値があるのかを徹底的に見定めるのです
仮に、極めて魅力的な企業が売りに出されたとしても、トップに据える人材が社内にいなければ、当社は買収を決断しません
それだけ、買収後のトップ人事は大事なんです


◼︎森下一喜 ガンホーオンライン社長
かなり独断と偏見が入っています
自分が納得しないゲームは作らないし、出さないという方針です
私自身、ゲームを作りたくて会社を興した人間です
社長になりたかったわけじゃないですから
上場企業としてこの方針が正しいかどうかはわかりません
ですが、ゲーム事業の本質は、面白いゲームを作り出すことに尽きる
これがない限り、戦略は成り立たないのです
ゲームは、生活を快適にするものではなく、あくまでも付加価値産業でしかない
そういった意味ではパズドラがなぜヒットしたかと聞かれれば、面白かったからとしか答えられません

問:
ゲーム業界は、はやり廃りが速く業績の浮き沈みも激しい
パズドラが大ヒットした中、言い方は悪いですが、「一発屋」にならないためには何が必要ですか
答:
「既存価値の最大化」「新たな価値の創造」という2点だと考えています


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