◼︎20140428 0505 日経ビジネス
◼︎今治タオル
国内生産の5割を占めるタオル産地の今治
18年連続で減少したこの地域のタオル生産量は2010年にプラスに転じ、昨年までの4年間で2割増に当たる1765トン増えた
この間、輸入タオルは2029トン減少
きっかけは2007年
タオル各社が加盟している四国タオル工業組合が、「今治タオル」のブランド基準を作ったことだった
「5秒以内に水を吸う」「赤ちゃんの肌にも優しい」
地域のブランド力を高めるために達成すべき詳細な基準を作り上げた
基準を満たすタオルには認定ロゴも付ける
高品質を打ち出したこの基準は、価格競争で疲弊していた各社に何をすべきか、気付きを与えた
値段の叩き合いをやめ、ライバル同士で技を教えあい、基準を満たすタオルを作り始めた
「タオルの吸水性は乾燥機を使った後に測ったほうがいいんじゃないか」
以前から天日干し後に測定試験をすると定めてきたが、洗濯乾燥機の普及に伴い見直すべきだという意見だった
組合はすぐに話し合い、その場で乾燥機での試験を加えた
タオル会社・オリムの野口忠氏は「自分たちで自分たちに厳しくしている。それこそが今治が生きる道」と言う
今年2月にはタオル会社と染色会社、薬剤メーカーなどが集まり、吸水性について勉強する会も始まった
今治タオルのブランド向上という共通の目標のために、これまで結びつくことのなかった各社の知恵が集まり始めた
ここには切磋琢磨して高め合う環境がある
◼︎サイバーエージェント
藤田は言う
「これだけ自然体でやっていて感じるのは、そもそもうちの女子社員は男と同じように管理職になって偉くなることを望んでいないんですよね」
「クリエーティブな組織の主役は主に現場。それを無理に競争に巻き込んで管理職になれというのは、ちょっと時代錯誤なのかもしれない」
藤田は女性管理職や役員を「増やしたい」と思っている
だが今はそれよりも、彼女らが生き生きと輝ける環境整備を優先し、自然な成り行きに任せている
それは、今という時代に女子力を生かす最もたる近道なのかもしれない
◼︎澤田秀雄 HIS会長
経営は人が全て
人材が育つかどうかで、会社の行く末が決まります
教育の一環として、社員には「経営幹部を目指すのであれば、まずは歴史と哲学の本を読め」と言っています
賢い人や愚かな人、軍師から大将まで、歴史というのは人物の巣窟です
歴史の本を読めば、世の中には色々な人がいるということが、よくわかります
歴史を通じて、適材適所や人の生かし方を学ぶことができます
哲学では、安岡正篤氏や中村天風氏の本を読んで、物の考え方・見方を学ぶ
あとは、戦略に関する本を読むことも大切です
ランチェスター戦略や孫子の兵法には、競争するための原理や法則が書かれています
しかし、本で得られるのは「知識」に過ぎません
実務を通して「知識」を使うことで「見識」や「胆識」にしていかなければいけません
そのためには、とにかく経験を積むしかありません
HISではやる気のある若手には、どんどん新しいことにチャレンジさせます
若手にチャレンジをさせれば、当然失敗することもあります
でも、失敗はその後の糧になるからいいんです
店長に毎日連絡を取ったのは、現場のやる気を引き出すためには、経営トップがいつも気にかけているというメッセージを発することが重要だからです
現在の経営陣に対しては、私が働く姿勢を見せることで、こうした大切なことを伝えてきました
2010年に買収したハウステンボスは、1992年のオープン以来、ずっと赤字を計上し続けていたため、社員には負け癖がついていました
彼らに最初に言ったのは「みんなで掃除をしましょう。経費を2割削減しましょう。明るく元気に仕事をしましょう」という3つだけです
意識的に最低限のことしか言いませんでした
簡単なことを少しだけ言われれば、守ることができます
負け癖を克服するためには、少し意識すれば到達できる目標を与えて、達成感を感じてもらうことが重要です
まず小さな意識改革を起こして、そこから徐々に求めることを増やしていきました
それでも、以前の慣習が染みついた40〜50代の中には、変わらない人もいる
そういう人は、買収2年目くらいから別の人に交代させていきました
上の人のやる気がなければ、部下も頑張ることができないからです
現場士気を高めた上でやっと、専門的なことをテコ入れしました
イベントや広報、営業など部門ごとの実務の強化ですね
イルミネーションのイベントなど、成功体験を重ねることで少しずつフインキも変わってきました
◼︎今治タオル
国内生産の5割を占めるタオル産地の今治
18年連続で減少したこの地域のタオル生産量は2010年にプラスに転じ、昨年までの4年間で2割増に当たる1765トン増えた
この間、輸入タオルは2029トン減少
きっかけは2007年
タオル各社が加盟している四国タオル工業組合が、「今治タオル」のブランド基準を作ったことだった
「5秒以内に水を吸う」「赤ちゃんの肌にも優しい」
地域のブランド力を高めるために達成すべき詳細な基準を作り上げた
基準を満たすタオルには認定ロゴも付ける
高品質を打ち出したこの基準は、価格競争で疲弊していた各社に何をすべきか、気付きを与えた
値段の叩き合いをやめ、ライバル同士で技を教えあい、基準を満たすタオルを作り始めた
「タオルの吸水性は乾燥機を使った後に測ったほうがいいんじゃないか」
以前から天日干し後に測定試験をすると定めてきたが、洗濯乾燥機の普及に伴い見直すべきだという意見だった
組合はすぐに話し合い、その場で乾燥機での試験を加えた
タオル会社・オリムの野口忠氏は「自分たちで自分たちに厳しくしている。それこそが今治が生きる道」と言う
今年2月にはタオル会社と染色会社、薬剤メーカーなどが集まり、吸水性について勉強する会も始まった
今治タオルのブランド向上という共通の目標のために、これまで結びつくことのなかった各社の知恵が集まり始めた
ここには切磋琢磨して高め合う環境がある
◼︎サイバーエージェント
藤田は言う
「これだけ自然体でやっていて感じるのは、そもそもうちの女子社員は男と同じように管理職になって偉くなることを望んでいないんですよね」
「クリエーティブな組織の主役は主に現場。それを無理に競争に巻き込んで管理職になれというのは、ちょっと時代錯誤なのかもしれない」
藤田は女性管理職や役員を「増やしたい」と思っている
だが今はそれよりも、彼女らが生き生きと輝ける環境整備を優先し、自然な成り行きに任せている
それは、今という時代に女子力を生かす最もたる近道なのかもしれない
◼︎澤田秀雄 HIS会長
経営は人が全て
人材が育つかどうかで、会社の行く末が決まります
教育の一環として、社員には「経営幹部を目指すのであれば、まずは歴史と哲学の本を読め」と言っています
賢い人や愚かな人、軍師から大将まで、歴史というのは人物の巣窟です
歴史の本を読めば、世の中には色々な人がいるということが、よくわかります
歴史を通じて、適材適所や人の生かし方を学ぶことができます
哲学では、安岡正篤氏や中村天風氏の本を読んで、物の考え方・見方を学ぶ
あとは、戦略に関する本を読むことも大切です
ランチェスター戦略や孫子の兵法には、競争するための原理や法則が書かれています
しかし、本で得られるのは「知識」に過ぎません
実務を通して「知識」を使うことで「見識」や「胆識」にしていかなければいけません
そのためには、とにかく経験を積むしかありません
HISではやる気のある若手には、どんどん新しいことにチャレンジさせます
若手にチャレンジをさせれば、当然失敗することもあります
でも、失敗はその後の糧になるからいいんです
店長に毎日連絡を取ったのは、現場のやる気を引き出すためには、経営トップがいつも気にかけているというメッセージを発することが重要だからです
現在の経営陣に対しては、私が働く姿勢を見せることで、こうした大切なことを伝えてきました
2010年に買収したハウステンボスは、1992年のオープン以来、ずっと赤字を計上し続けていたため、社員には負け癖がついていました
彼らに最初に言ったのは「みんなで掃除をしましょう。経費を2割削減しましょう。明るく元気に仕事をしましょう」という3つだけです
意識的に最低限のことしか言いませんでした
簡単なことを少しだけ言われれば、守ることができます
負け癖を克服するためには、少し意識すれば到達できる目標を与えて、達成感を感じてもらうことが重要です
まず小さな意識改革を起こして、そこから徐々に求めることを増やしていきました
それでも、以前の慣習が染みついた40〜50代の中には、変わらない人もいる
そういう人は、買収2年目くらいから別の人に交代させていきました
上の人のやる気がなければ、部下も頑張ることができないからです
現場士気を高めた上でやっと、専門的なことをテコ入れしました
イベントや広報、営業など部門ごとの実務の強化ですね
イルミネーションのイベントなど、成功体験を重ねることで少しずつフインキも変わってきました