2015年02月

20140602 日経ビジネス

◼︎20140602 日経ビジネス

◼︎藤森義明 LIXILグループ
事業環境は常に変わっていきます
一度成功を収めても、同じ手法で再び成功できる保証はありません
むしろ、同じ手法に固執すればライバルに追い抜かれるリスクが高い
常に変化を感じ取り、自らも変化し続けなければ、グローバル競争で勝てない時代です
社員たちに変革を求める経営者はいますが、自ら変革を実践できている人はあまり多くない

私がGEにいた25年間で、2人の名経営者の下で働きました
ジャック•ウェルチ前会長と、ジェフ•イメルト会長です
GEが、世界を代表するエクセレントカンパニーとして君臨し続けられているのは、やはり彼らをはじめトップの決断が明快だからだと感じます
では、どのような基準で決断を下すのか
それは明確です
会社の10年後の姿を考え、過去の成功体験にとらわれずに事業ポートフォリオを組み替えていく
そこには、先輩経営者やOB、あるいは自身の出身部署に対する遠慮など一切ありません
ウェルチ氏は、レグ•ジョーンズ元会長というこれまた名経営者の後を継ぎました
ウェルチ氏は後継として本命視されていなかった
ダークホースで選ばれた理由は、ジョーンズ氏が「自分が築いたものを壊してくれる存在」と考えたからだとか
そのあと、ウェルチ氏は実際にジョーンズ氏が築いたGEの形をぶち壊していきました

ウェルチ前会長の指針は「業界で1位の事業、もしくは2位で1位になれる事業以外は撤退」でした
そこそこの業績を上げていたとしても、業界トップになれないのなら必要ないという判断です
いわゆる「選択と集中」の先駆けとなる手法を実践した

判断に過去のGE経営者は一切の口出しをしませんそれが現リーダーの考える、最適な成長への道だからです

育てなければいけないのは、自分の分身ではない
会社を新しい道へと導く、組織にとっての後継者です
この勘違いが、経営者の決断を鈍らせます

トップにはそれなりの覚悟が必要です
「前任の社長が描いた路線を踏襲します」では、今後勝ち残っていくのは難しいと思います

イメルト氏
「...CEOの一番重要な仕事は決断すること。その権限は絶対だ。どんな反対意見を持ってもいい。ただ、最終的に決めるのはCEO。いろいろな意見を聞いた上で俺が決めたなら、その決定には必ず従ってくれ」

リーダーの仕事は決断すること
そして、決めたからにはメンバーや社員を巻き込んで、その目標に向けて突き進んでいく
重要なのは、議論は常にオープンにして、誰でも語れる空気を作ること
心から議論を交わし、最終的にリーダーが決断を下す
リーダーの決断に対して、メンバーはぐずぐず言わずについていく
それではイエスマンばかりになると心配する人もいるでしょう
ですが、何の疑問も持たずにリーダーの言うことを聞く人と、自分の意思を持って働く人は明らかに違う
イエスマンにならないために心掛けるとするならば、リーダーの代役に自分がなったらどうするかを常に意識するのが効果的です

決断の判断基準は、会社の10年後やもっと先での成長を考える
これが基本です
そのためには、明確なビジョンと、それを達成するための戦略が必要です


20140519 日経ビジネス

◼︎20140519 日経ビジネス

◼︎竹内敏晃 日本電波工業会長
相次ぐ危機の中で私は感じました
経営はあらゆる危機を想定して備えることだと
その備えが強さを生むもとになるのです

◼︎藤森義明 LIXILグループ
大きな目標を掲げれば、リーダーとメンバーはその実現に向けて、今まで使わなかった筋肉を動かしてでも、達成に向けて動き出します
一方、少し背伸びをすれば達成できる目標を掲げた場合はどうでしょう
今までの経験に少しの変化を加えるだけで達成できるのであれば、最初から大きな変化を自らに課そうとはしないはずです
海外売上高1兆円の達成は、今までのやり方では到達できないのは自明の理でしょう
となれば、従来のやり方を否定しなければ前へ進めません
この点もストレッチの狙いの一つです
ストレッチと呼べるだけの高い目標を設定する目安として、「自分が跳べると思う高さの3倍を掲げろ」と言っています
新しい制度を導入すると、当然拒否反応が出てきます
ただ、LIXILでは変革を起こして世界でトップになるための人材を求めている
その価値観に賛同してもらう必要がある
低迷する人を奮起させるのは重要ですが、会社の基準をその人に合わせるのは間違いです

私はGEで人事権とは「人を集める権利」だと教えられました
チームを作る責任はリーダーにある
リーダーは人を集めて良いチームを作り、結果を出さなければならない
そのためにも人事権は、人事部ではなく、リーダーに与える
人事部は、リーダーたちがチームを作りやすい環境や仕組みを提供する黒子に徹するべきなのです

GEの人材育成が優れているのは、それが1つの国や地域だけのものではなく、世界共通という点です
GEは世界中で事業を展開し、多くの会社をM&Aで傘下に収めてきました
ですから、社内ではありとあらゆる国•地域出身の社員が働いています
それらの人材が、どこに行っても同じ価値観で働ける仕組みを作っています
だから、世界中から人材を引き付けることができる


◼︎塩野七生
フリードリッヒ2世は、最終的な「大目的」はしっかりと押さえていた
そこに至る手段、つまり十字軍遠征の場合、軍事的に進めるか、それとも外交交渉で進めるかは、彼にとってはどちらでも構わない

「組む」というのがいい
実際にタッグを組んでどこまでやるかということよりも、「組んだ」ということを相手方に知らせるだけで十分
これを抑止力と言うのです
フリードリッヒ2世も巧妙に使った手です

政治家は「決めたらすべてのことを実行しなければならない」ことはないんです
これはマキャヴェッリも書いています
待ったほうがいい場合もあると
もちろん即決即断して即実行しなければならない場合もあります
だけど、待っていれば周りの環境の方が動いてくれるかもしれない
だから外交の一側面では、待っている方が正解ということもあるのです

作家として言えることは、神は細部に宿るということ
小さなエピソードを書き込んで、書き込んでいくと人間の姿がよく見えてくる

例えば戦争を描く場合、私は一兵卒の立場では書かない
いつも大将の立場でモノを見るんです
大将が非常に優れていると、味方の損失だけでなく、敵の損失も最小限にとどめながら目的を達せられることもある
逆にリーダー不在の戦いは悲惨です


◼︎永守重信 日本電産社長
大事なのは社員の意識だ
社員が「会社をもっと強くしよう」「もっと大きくしよう」と自ら意識を持つようになって初めて企業は強くする
だから強引に完全子会社化を急いだりすることは慎んできたのだ
環境の変化と、子会社の成長のためには、非上場にして自由な戦略を取れるようにすることが大事になった
それを子会社の側も言ってくることが多くなったし、私も意識するようになった
ここ数年の完全子会社化にはそんな背景がある
ここまで来るのに、多くの子会社はM&Aで当社の傘下に入ってから10年かかっている
しかしそれはムダな長さではない
その間には上場会社であることが社員のモチベーションになっていたからだ
そして今は、非上場となって子会社自身がM&Aで次なる成長を模索することが新たなモチベーションになっている
だから、私は、完全子会社化しても、これらの子会社を本体と合併したりはしない
その方が彼らの士気を維持し高めるからだ
日本電産全体の戦略との平仄(ひょうそく)は合わせてもらうが、自主経営の基本は残す
グローバル化の時代、経営者は「外に目を向けよ」と常に言われる
しかし、私は、経営者は一方の目で外を見ても、もう片方の目では同時に内(社内)をみていないといけないと思う
企業とは社員の意識の集合体であることを忘れてはならない


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