◼︎星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則
◼︎
経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなる
自分の下した決断に自信を持てるようになり、社員に対して判断の理由を明快に説明できる
教科書通りに判断したにも関わらず成果が出ない時もある
しかし、それでも最初の一歩としては正しく、そこから戦術を調整すればいい
◼︎
教科書にある定石を理解していることのもう一つの利点は、思い切った経営判断に勇気を持って踏み切るきっかけを与えてくれる点だ
現状を打破するには経営判断の方向転換が必要である状況も多々ある
そういう時に理論的な根拠がないと打ち手にリスクを感じてしまい、結果として何も判断せずに現状維持になってしまう
何も変えられないことが実は最も大きなリスクであることが多い
◼︎
うまくいかないときには戦略を微調整することを考えるが、その判断は慎重にする必要がある
「効果が出るには時間がまだ不足している」
「きちんと教科書通りにしていない」という理由で成果が出ていない場合は、戦略を変える必要はない
そんなときに作戦変更することは深い霧の中に入っていくようなものだ
◼︎競争の戦略 マイケル•E•ポーター
ポーターは、ライバルとの競争環境を踏まえながら戦略を組み立て、徹底する意義を強調する
そして、企業がライバルとの競争で取るべき戦略を3つに分けて論じている
コスト競争力で優位に立つ「コストリーダーシップ」、競争相手との違いを前面に出す「差別化」、特定の領域に自社の経営資源を集めてライバルに勝つ「集中」、の3つである
ポーターはこの中から戦略を選んで、徹底する主張する
◼︎コトラーのマーケティング•マネジメント 基本編
コトラーの競争地位別戦略論では、市場での企業の地位は4つに分かれる
リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーである
そして、それぞれの地位に応じて打つべき戦略の定石があるというのだ
ニッチャー戦略で成功するためのカギを握るのは、市場と戦略の選び方である
コトラーが挙げている例としては、製品を顧客ごとにカスタマイズする「注文製品専門化」、最高品質にこだわる「品質•価格専門化」、1つの流通チャネルのみに集中する「チャネル専門化」などがある
リーダーは、トップシェア企業として、「市場規模の拡大」「市場シェアの保持•拡大」などが重要な戦略となる
◼︎
製品やサービスの質に差がなくなったとき、お客様は買いやすい会社、手間をかけずに安全に早く欲しいものが手に入る会社を選ぶ
アクセスを高めるためには、お客様との関係を3段階に分けて考える
第1段階では、お客様が急いでいるときに、スピーディに買うことのできるサービスと情報を提供する
第2段階では、「ボタン1つで買える」など、お客様が使い勝手よくアクセスできるようにする
第3段階では、お客様に対して「今こういうものを買ってはいかがですか」などの提案をする
◼︎売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則
企業は売り上げを増やそうとして、製品のラインアップを増やそうとすることが多い
しかし、ライズによると、「短期的に見ると、製品ラインの拡張は常に売り上げを増大させる」が、「長期的な効果は無残」で、結果として売り上げが大きく落ち込む
そして、「マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ1つの言葉を植えつけることである」と主張する
星野社長はこう振り返る
「1つのブランドでいろいろな味を出すのは絶対にマイナスになる、とこの本で確信した。売り上げが落ちていても、「よなよなエールはこの味だ」という同じメッセージをしっかり伝えることのほうが大事だと考えた。だから味を増やさなかった」
ライズは同書で
「マーケティングの効果は、長い時間を経てから表れる」と指摘している
ヤッホーは味のバリエーションを増やす代わりに、製造工程を見直すことなどによって品質を向上させる工夫を続けた
「よなよなエール」はラインアップを拡張せず、たった1つの味を守り続けることで、淡々とファンを増やした
見込み客の心を掴むためには、焦点を絞り込んだ販売戦略が重要になる
焦点を絞り込んだ販売戦略が効果を発揮するまでには、時間がかかる
製品ラインアップの拡張は短期的にはうまくいっても、長期的にはマイナスに動く
◼︎星野リゾートは旅館やホテルの再生プランを決めるために、レストラン、客室などサービスメニューごとに顧客満足調査を行う
その結果を見ながら満足度の低いサービスを一歩ずつ改善して、顧客満足度を上げていく
お客様が満足する施設に変身させることでリピーターを増やす
同時にムダを解消することで収益の改善を進め、黒字化を達成する
◼︎いかに「サービス」を収益化するか
製造業の製品には保証書がある
だが、サービスには保証書がない
なんらかの保証が必要ではないか
「サービスの100%保証システム」とは、サービスが約束通りに提供されることを保証するシステムである
このシステムを導入することで、顧客は安心してサービスをうけることができる
サービスを提供する社員は、このシステムによって自分のサービスに対して責任感を持つ
既にサービス内容に定評がある場合、サービス保証システムは不要である
◼︎真実の瞬間
スタッフへの情報開示を徹底し、フラットな組織づくりを進め、「真実の瞬間」の質を高めている
「ミスを起こした人の責任を問う」ことではなく、「同じミスを起こさない」ことが大事
ミスをした人を絶対にしからない
お客様はスタッフと接する短い時間=「真実の瞬間」の中で、企業を評価する
「真実の瞬間」の質を引き上げることで、企業の競争力を高める
経営者はスタッフの対応力を上げるために、わかりやすいビジョンを示し、必要な情報を共有する
◼︎
セグメントマーケティング
ワン•ツー•ワン•マーケティング
◼︎ブランド•エクイティ戦略
企業は短期的な業績にとらわれずに、長期的な視点からブランドの資産価値を高めるべきだ
ブランド理論の第一人者であるアーカーはこう強調する
アーカーはブランドの価値を決める要素として次の5つ挙げている
認知=知られているかどうか
知覚品質=お客様がどのように感じるか
連想=ブランドについて思い浮かべること
ロイヤルティ=リピーターとなってくれるかどうか
他のブランド資産=トレードマークなど
「データの上で知覚品質に陰りがあるのは確かだが、ウエディング部門は今のところ順調だ。本当に改革に踏み切っていいのか」
星野社長は自問自答を繰り返した
星野社長は2年間悩み続けた末、「従来のやり方をやめるという消極的な考えだけではうまくいかない」「新しい方向を目指す、より良い点をつけ加えるという積極的な視点を持つと、「変える勇気」がわく」と気づき、全面的な見直しを決断した
星野社長は「ブランドの価値は貯金に似ている。取り崩していたら、いつか失われる。将来をみて、積み上げていくことが大事だ」と語る
ブランドには資産としての価値がある
その価値は時間とともに変わっていく面があるため、積極的に管理する必要がある
ブランド力を高めることによって、企業は競争を優位に進め、収益性を高めることができる
ブランドの価値を高めるためには、長期的な視点に立った首尾一貫した取り組みが必要である
目先の売り上げや利益を追うだけでは、ブランドの価値は高められない
お客様の期待を裏切ると、ブランドの価値は下がる
◼︎ビジョナリーカンパニー
ビジョナリーカンパニーとは、時代を超え、際立った存在で有り続ける企業である
ビジョナリーカンパニーには、単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識がある
基本理念の中身として不可欠な要素はない
社員の指針となり、活力を与えることが重要である
基本理念は時代や流行に左右されてはいけない
大切なのは、維持しながら進歩を促す点である
基本理念を組織の隅々にまで浸透させることが重要である
◼︎1分間エンパワーメント
エンパワーメントとは、人が本来持つパワーを引き出すことである
社員のパワーを引き出して、一人一人のやる気を高めることで、業績向上につなげる
社員のエンパワーメントには3つのステップを繰り返す
1. 仕事に必要な情報を提供し、責任を持って働く気持ちにする
2. 仕事の目的、目標などを明確にし、自分で管理する領域を作る
3. 階層化した組織をやめ、自分たちで統率するチームに変える
エンパワーメントの実現には困難な時期がくることもある
困難を切り抜ける覚悟を固めておく
◼︎
誰にでも残せるものがある
それは「勇ましい高尚なる生涯」だと内村は強調する
「弱い者を助ける」「困難に打ち勝つ」「品性を修練する」など、堂々とした生き方を説く内村のメッセージは、星野社長の心に響いた
「星野リゾートの社員は、人生の大切な時間をこの会社で過ごし、そしていつか会社を去っていく。そのときに「星野リゾートで過ごせてよかった、あの職場はとても幸せだった」とおもってもらえるようにしたい」
これが星野社長の思いである
後の世代に何を残すのかについて、しっかり考えておく必要がある
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経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなる
自分の下した決断に自信を持てるようになり、社員に対して判断の理由を明快に説明できる
教科書通りに判断したにも関わらず成果が出ない時もある
しかし、それでも最初の一歩としては正しく、そこから戦術を調整すればいい
◼︎
教科書にある定石を理解していることのもう一つの利点は、思い切った経営判断に勇気を持って踏み切るきっかけを与えてくれる点だ
現状を打破するには経営判断の方向転換が必要である状況も多々ある
そういう時に理論的な根拠がないと打ち手にリスクを感じてしまい、結果として何も判断せずに現状維持になってしまう
何も変えられないことが実は最も大きなリスクであることが多い
◼︎
うまくいかないときには戦略を微調整することを考えるが、その判断は慎重にする必要がある
「効果が出るには時間がまだ不足している」
「きちんと教科書通りにしていない」という理由で成果が出ていない場合は、戦略を変える必要はない
そんなときに作戦変更することは深い霧の中に入っていくようなものだ
◼︎競争の戦略 マイケル•E•ポーター
ポーターは、ライバルとの競争環境を踏まえながら戦略を組み立て、徹底する意義を強調する
そして、企業がライバルとの競争で取るべき戦略を3つに分けて論じている
コスト競争力で優位に立つ「コストリーダーシップ」、競争相手との違いを前面に出す「差別化」、特定の領域に自社の経営資源を集めてライバルに勝つ「集中」、の3つである
ポーターはこの中から戦略を選んで、徹底する主張する
◼︎コトラーのマーケティング•マネジメント 基本編
コトラーの競争地位別戦略論では、市場での企業の地位は4つに分かれる
リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーである
そして、それぞれの地位に応じて打つべき戦略の定石があるというのだ
ニッチャー戦略で成功するためのカギを握るのは、市場と戦略の選び方である
コトラーが挙げている例としては、製品を顧客ごとにカスタマイズする「注文製品専門化」、最高品質にこだわる「品質•価格専門化」、1つの流通チャネルのみに集中する「チャネル専門化」などがある
リーダーは、トップシェア企業として、「市場規模の拡大」「市場シェアの保持•拡大」などが重要な戦略となる
◼︎
製品やサービスの質に差がなくなったとき、お客様は買いやすい会社、手間をかけずに安全に早く欲しいものが手に入る会社を選ぶ
アクセスを高めるためには、お客様との関係を3段階に分けて考える
第1段階では、お客様が急いでいるときに、スピーディに買うことのできるサービスと情報を提供する
第2段階では、「ボタン1つで買える」など、お客様が使い勝手よくアクセスできるようにする
第3段階では、お客様に対して「今こういうものを買ってはいかがですか」などの提案をする
◼︎売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則
企業は売り上げを増やそうとして、製品のラインアップを増やそうとすることが多い
しかし、ライズによると、「短期的に見ると、製品ラインの拡張は常に売り上げを増大させる」が、「長期的な効果は無残」で、結果として売り上げが大きく落ち込む
そして、「マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ1つの言葉を植えつけることである」と主張する
星野社長はこう振り返る
「1つのブランドでいろいろな味を出すのは絶対にマイナスになる、とこの本で確信した。売り上げが落ちていても、「よなよなエールはこの味だ」という同じメッセージをしっかり伝えることのほうが大事だと考えた。だから味を増やさなかった」
ライズは同書で
「マーケティングの効果は、長い時間を経てから表れる」と指摘している
ヤッホーは味のバリエーションを増やす代わりに、製造工程を見直すことなどによって品質を向上させる工夫を続けた
「よなよなエール」はラインアップを拡張せず、たった1つの味を守り続けることで、淡々とファンを増やした
見込み客の心を掴むためには、焦点を絞り込んだ販売戦略が重要になる
焦点を絞り込んだ販売戦略が効果を発揮するまでには、時間がかかる
製品ラインアップの拡張は短期的にはうまくいっても、長期的にはマイナスに動く
◼︎星野リゾートは旅館やホテルの再生プランを決めるために、レストラン、客室などサービスメニューごとに顧客満足調査を行う
その結果を見ながら満足度の低いサービスを一歩ずつ改善して、顧客満足度を上げていく
お客様が満足する施設に変身させることでリピーターを増やす
同時にムダを解消することで収益の改善を進め、黒字化を達成する
◼︎いかに「サービス」を収益化するか
製造業の製品には保証書がある
だが、サービスには保証書がない
なんらかの保証が必要ではないか
「サービスの100%保証システム」とは、サービスが約束通りに提供されることを保証するシステムである
このシステムを導入することで、顧客は安心してサービスをうけることができる
サービスを提供する社員は、このシステムによって自分のサービスに対して責任感を持つ
既にサービス内容に定評がある場合、サービス保証システムは不要である
◼︎真実の瞬間
スタッフへの情報開示を徹底し、フラットな組織づくりを進め、「真実の瞬間」の質を高めている
「ミスを起こした人の責任を問う」ことではなく、「同じミスを起こさない」ことが大事
ミスをした人を絶対にしからない
お客様はスタッフと接する短い時間=「真実の瞬間」の中で、企業を評価する
「真実の瞬間」の質を引き上げることで、企業の競争力を高める
経営者はスタッフの対応力を上げるために、わかりやすいビジョンを示し、必要な情報を共有する
◼︎
セグメントマーケティング
ワン•ツー•ワン•マーケティング
◼︎ブランド•エクイティ戦略
企業は短期的な業績にとらわれずに、長期的な視点からブランドの資産価値を高めるべきだ
ブランド理論の第一人者であるアーカーはこう強調する
アーカーはブランドの価値を決める要素として次の5つ挙げている
認知=知られているかどうか
知覚品質=お客様がどのように感じるか
連想=ブランドについて思い浮かべること
ロイヤルティ=リピーターとなってくれるかどうか
他のブランド資産=トレードマークなど
「データの上で知覚品質に陰りがあるのは確かだが、ウエディング部門は今のところ順調だ。本当に改革に踏み切っていいのか」
星野社長は自問自答を繰り返した
星野社長は2年間悩み続けた末、「従来のやり方をやめるという消極的な考えだけではうまくいかない」「新しい方向を目指す、より良い点をつけ加えるという積極的な視点を持つと、「変える勇気」がわく」と気づき、全面的な見直しを決断した
星野社長は「ブランドの価値は貯金に似ている。取り崩していたら、いつか失われる。将来をみて、積み上げていくことが大事だ」と語る
ブランドには資産としての価値がある
その価値は時間とともに変わっていく面があるため、積極的に管理する必要がある
ブランド力を高めることによって、企業は競争を優位に進め、収益性を高めることができる
ブランドの価値を高めるためには、長期的な視点に立った首尾一貫した取り組みが必要である
目先の売り上げや利益を追うだけでは、ブランドの価値は高められない
お客様の期待を裏切ると、ブランドの価値は下がる
◼︎ビジョナリーカンパニー
ビジョナリーカンパニーとは、時代を超え、際立った存在で有り続ける企業である
ビジョナリーカンパニーには、単なる金儲けを超えた基本的価値観と目的意識がある
基本理念の中身として不可欠な要素はない
社員の指針となり、活力を与えることが重要である
基本理念は時代や流行に左右されてはいけない
大切なのは、維持しながら進歩を促す点である
基本理念を組織の隅々にまで浸透させることが重要である
◼︎1分間エンパワーメント
エンパワーメントとは、人が本来持つパワーを引き出すことである
社員のパワーを引き出して、一人一人のやる気を高めることで、業績向上につなげる
社員のエンパワーメントには3つのステップを繰り返す
1. 仕事に必要な情報を提供し、責任を持って働く気持ちにする
2. 仕事の目的、目標などを明確にし、自分で管理する領域を作る
3. 階層化した組織をやめ、自分たちで統率するチームに変える
エンパワーメントの実現には困難な時期がくることもある
困難を切り抜ける覚悟を固めておく
◼︎
誰にでも残せるものがある
それは「勇ましい高尚なる生涯」だと内村は強調する
「弱い者を助ける」「困難に打ち勝つ」「品性を修練する」など、堂々とした生き方を説く内村のメッセージは、星野社長の心に響いた
「星野リゾートの社員は、人生の大切な時間をこの会社で過ごし、そしていつか会社を去っていく。そのときに「星野リゾートで過ごせてよかった、あの職場はとても幸せだった」とおもってもらえるようにしたい」
これが星野社長の思いである
後の世代に何を残すのかについて、しっかり考えておく必要がある