藤井厳喜氏が書いた本です。
これも数年前に読んでまた読み返しました。個人的には好きな本の一冊です。

韓国やアルゼンチンなど国家破産した国などの例をあげ、日本の将来を予測しています。

下記に気になった部分を書いてみました。

●IMF
どの国についても、それぞれの歴史文化社会的背景を考慮せずに画一的な経済モデルで処方する。
IMFと世界銀行は常時4段階のプログラムを用意している。
第一段階、民営化
第二段階、資本市場の自由化
金融ビッグバンといえばわかりやすい。
資本が一方的に海外へ流出する危険性。
また海外からの資本を誘いこむために、利率を30、50%に引き上げさせ、国内の資産の価値は低下し工業生産は衰退、国庫は空になる。
第三段階、市場原理の徹底
ガス、水道などの生活財の政府補助を廃止させる。
必ず発展途上国では公共料金が値上がりする。
第四段階、自由貿易


●情報化社会
エネルギー消費と経済成長が正比例しない社会。
経済成長にはどうしても多くの石油消費が必要となり、アラブ産油国の力がましてしまう。
もし情報処理技術が巨大な経済成長を生み出すならば、この悪循環を断ち切れる。
アラブ=イスラムの政治力経済力を強めることなしに先進国の成長が実現できる。
そしてそれはイスラエルの国家安全保障にもなる。
世に流布される言説には必ず、裏がある。
隠された意図があるはずである。
情報化社会の隠された課題は、イスラエルの安全保障なのである。



●マレーシアのマハティール首相
もし日本がいなかったら、欧米が世界のインダストリーを支配していただろう。欧米が基準と価格を決め、欧米にしかつくれないものを買うために、世界はその価格を押し付けるだろう。
日本がいなかったら、南側の経済発展もなかっただろう。欧米企業が安い労働力を求めて、南側の国々に投資したのは、日本と競争せざるをえなかったからである


●国際政治の権力構図の基本
いかなる勢力がいかなる勢力と対立しているかという対立構図。この対立軸をいかに自分たちに有利にもってくるかが戦略の基本


●資本主義経済
資本が投資され、利益を生み、増殖していく経済の仕組み



まず、ハゲタカとよくいわれるIMFについて詳しく書いてあり勉強になります。

またマハティール首相の言葉が載っているのですが、これは本当に日本がアジアに誇っていいことだと思います。