まだまだ投稿することになりそうです。
経済に興味があるかたはぜひ一度読んでみてください

●6の続き
サプライサイド経済学とマネタリズムは内的に必然的な結びつきはなかった
しかし、そこに共通している目標があった
それは「規制談話を進めてサービス産業を発展させよう」という目標だった

当時すでに工業生産が頭打ちになってきたアメリカでは、サービス経済というものを新しい産業発展のエンジンにしようとした
それを規制緩和で政府の役割を小さくすることで実現しようとした
401Kが典型的な例
政府が国民からカネを預かって年金の世話をするのではなく、定年後のことはみなさん自由にやってください、という政策
政府は枠組みだけ作ってあとは民間の手に委ねてしまった
そこで、証券会社に新たなビジネスや雇用が生まれ、もうかる
アメリカは規制緩和によって政府がやっていた公的サービスをどんどん民間に委ねた

そんな政策が進められた大事な裏の要素の1つが人種差別の問題だった

ジョンソン政権以来、人種クォータ(割当て)の問題があった
たとえば、黒人を何%採用しなければいけないとか
能力の有無に関係なく採用しなければいけなかった
これは白人に対する逆差別じゃないかなどの声もあがり、
そこで「いっそのこと、全部自由競争でやりましょう」と考えた

そういった声に押されて、本当はやってはいけなかったものも含めて、様々な自由化をやっていくなかで、レッセフェール資本主義が復活してきた

「政府は余計なことはしないほうがよい。市場は放っておけば万事うまくいく」
フリードマン派のマネタリストは、なんでも「自由がいい」「政府の規制は少ないほうがよい」と唱えた

修正資本主義=ケインズ主義的な観点が失われ、イギリスではサッチャー時代、アメリカではレーガン政権時代からこういった政策が取られた

これはケインズ主義が間違っていたのではなく政治利権と官僚主義が市場経済の活力を奪ってしまった点に問題があった

このレッセフェール政策はクリントン政権時代にも引き継がれた
「政府は金融市場にあまり規制しないほうがいい」とルービン財務長官は主張し、今までと違ってウォールストリートと仲良しの民主党になった

アメリカ経済は相変わらず、製造業の競争力は落ちているのに、過剰消費を続けてきた
日本の場合は、過剰生産で過少消費。
国内だけでは、余ってしまうので海外に輸出してきた
だから日本の場合の不況解決方法はもっと国内で消費を増やすようにすればいい
ところがアメリカは日本の逆

しかしオバマが宣言しているのは「過剰消費を続けていきます」ということ
単純にいうと今までブッシュの共和党時代は個人に減税とかして個人が過剰消費してきたが、オバマの民主党政権になると、政府が過剰消費すると言っているだけ
一応庶民の減税などもやると言っているがやろうとしていることは、いっぱい税金を取って福祉やら公教育に力を入れますということ
オバマの口から生産性をあげるための政策とかそういう話が出てこない

結局アメリカは過少生産なのに過剰消費になっているんだから建て直すには生産性をあげるか消費を減らすしかない
これはケインズ主義的に言ってもそう
アメリカのように過剰消費の国にはこれを抑えようとするのが正しいケインズ的政策

日本は過剰生産をしているが、その矛盾を輸出という形で解決している
マルクス主義的にいえば、日本は資本主義の矛盾をアメリカに輸出してきた