◼︎住宅ローンのしあわせな借り方、返し方 中嶋よしふみ
いつも私が伝えていることは、損得よりもリスク、そしてライフプランを重視してくださいということです
買えるかどうか
返せるのか(リスク)
買うべきか(ライフプラン)
購入に至る経緯を聞いてみると、
(結果的に正しいかどうかは別にして)
子育ての環境や将来の住み替え•買い替えまで考慮してかなり綿密に計画を立てている方もいれば、そろそろ今住んでいるアパートの契約が更新なのでそれに合わせて、あるいは家賃がもったいないからといった正直もう少し考えてほしいと思う理由をあげるかたもいます
ライフプランを考慮していない買い方は危険であると考えてください
楽しい生活、しあわせな生活を送るために家を買ってください
家を買うことより、安定した生活のほうが大事
支払額は同じだったとしても、賃貸の家賃と住宅ローンの返済ではリスクが全く違います
賃貸と持ち家はどちらが得か事前にわかることはありません
家賃と住宅ローンの返済は性質が全く違います
家賃がもったいないという考えは一旦横に置いて、リスクとライフプランで判断してください
家を遅く買えばそれだけ長持ちしますから、早く買わないと家賃がもったいないということはない
若い時に家を買えば、老後に大規模改修や建て替えは確実に発生しますから、生涯に支払う住宅の費用はいつ買っても同じぐらいに考えておいたほうが無難です
早く買うと余計にかかる費用もある
買える範囲で一番高い家を買う
チキンレースのように家を決めてはいけないと私はアドバイスしています
教育費や老後の費用が予想以上にかかることがあとからわかり、実は崖から大きく飛び出していたということがあるかもしれません
毎年100万円貯金できている方ならば、収入の減少や支出の増加に年間100万円までなら貯金を取り崩さずに済みます
家を買う際の金銭的なダメージは支出の増加と収入の減少で、主に3つの要素があります
住宅ローン、子育て費用、パートナーの収入減の3つです
家を買うときは「年収の5倍」「返済比率35%」など既存の常識にとらわれないでください
毎年の貯金額と、将来の支出増、収入減から考えると、無理のない予算を把握できます
ある程度の貯金は常に確保してください
目安として最低1年分、可能なら2年分以上です
「返済額軽減型」は繰上げ返済後に毎月の返済額が減るタイプ
「期間短縮型」といって繰上げ返済後に返済期間が短かくなるタイプもあります
利息軽減の効果はこちらのほうが上です
変動金利は、
金利は半年ごと
返済額は5年ごと
返済額の上げ幅は1回1.25倍
という3つの数値がポイントです
変動金利と固定金利の違いは損得ではなくリスクの違い、金利が変動するリスクがあるかないか
表面的な損得の比較にほとんど意味はありません
リスクの異なるものを単純に損得の基準で比較することは出来ません
固定金利は損でも得でもなく「無難(リスクが低い)」
なぜ無難がいいのかと言うと、家を買う時点で既にリスクを取っていますので、金利の部分までリスクを取る必要はないのでは、と考えているからです
通常、変動金利は短期金利に、固定金利は長期金利に連動します
確実に言えることは5年後、10年後に金利がどうなっているかは全くわからない、ということです
また金利は長期金利から上がるのが一般的です
金利が上がったら固定金利に借り変えればいいという考え方もありますが、変動金利が上がるときには固定金利は先に上がっています
「家計は企業と同じように考えるといいですよ」といつもアドバイスしています
企業が潰れるときは赤字になったときではなく手元に資金がなくなって支払いができなくなったときです
これは家計も同じです
貯金さえあれば失業して収入が減っても、病気で支出が増えても耐えることはできます
損得よりリスクを優先する、という原則から考えれば、繰り上げ返済で利息を減らすより、家計の支払いがストップしないように貯金の確保を優先すべきです
繰り上げ返済をすれば利息負担は減ります
その分手元の貯金は減ります
これは損得と資金繰りは両立しない、ということです
資金繰りというのは手元の資金が豊富にあって支払いに困らないという状態です
結果的に利息負担は増えますが、それはリスクを避けるためのコストだと思ってください
将来の返済リスクを減らすための繰り上げ返済のつもりが、やりすぎることによってかえってリスクを増やしてしまう
これは多くの人にとって盲点です
損得の基準しかなければ、とにかく得をする行動をしようということになってしまいますが、リスクの観点で繰り上げ返済を見ると資金繰りの悪化というデメリットが見えます
変動金利で家を買うことはあまりお勧めしていませんが、それは貯金などあまり余裕がない場合の話です
金利が上がるとわかった時点で一気に繰り上げ返済をすればいい
変動金利で住宅ローンを借りている人で「繰り上げ返済をしたいけれど貯金が少ない」というジレンマに陥っている人は、金利が低いうちは貯金を優先すればいいと割り切って構いません
住宅購入のリスクを減らす最も効果的な対策は、家の購入予算を減らすことです
ローンを組んだ後は、一度借りた後に無理に借金を減らそうとすればかえってリスクが高まります
元々お金がないから借金をして買い物をしているわけですから、当然と言えば当然のはずです
せっかくローンを借りた以上、ゆっくりと支払えるというメリットを最大限にいかしてください
繰上げ返済を急ぐと資金繰りを悪化させてかえってリスクが高まります
お金を借りる前と後で借金の意味が変わります
「今は案外余裕があるし収入が減ってもどうにかなるだろう」と考えているご夫婦は多いと思いますが、実際に計算してみると厳しい現実が見えます
「節約で減収は補えない」ということはぜひ覚えておいてほしいと思います
高額出費をしっかりチェックするとそれだけで家計のかなりの部分を把握することができます
支出を管理する、というと食費や公共料金を削る話とイコールになってしまうことが多いんですが、問題はこういった日常的ではない高額出費です
毎月固定的•安定的にお金が出て行く項目は極端に言えば無視してしまっても構いません
重要なポイント絞る、というのは家計管理で上手に手を抜く際のテクニックです
無駄を探すつもりで家計簿をつけても、無駄な支出は案外ないことに気づくと思います
あるのは優先順位の違いだけです
住宅にお金をかけるのであれば車を手放してもいい、お小遣いは減ってもいい、と考える人はいるでしょう
一方でお小遣いが減らされるなんてとんでもないと考える人もいるはずです
保険
「積み立て型=将来戻ってくるから貯金と同じ」と考えている人も多いのですが、将来金利が上がってしまうと「低金利で固定された上に自由に引き出しができない、メリットがゼロの不便な定期預金」になってしまいます
生命保険にも生命保険契約者保護機構というものがあり、
保険会社の破綻時にはある程度の保護がなされますが、貯蓄性の高い保険ほど削減幅が大きくなります
節税が目的なら繰上げ返済のほうがよっぽどお得では?
積み立て型の保険の場合の問題はもう一つあります
保険料が高く資金繰りを圧迫させることです
かといって、すでに加入している場合、早い段階で解約をすると損するのでやめるにやめられない、という悩みもあります
いつも私が伝えていることは、損得よりもリスク、そしてライフプランを重視してくださいということです
買えるかどうか
返せるのか(リスク)
買うべきか(ライフプラン)
購入に至る経緯を聞いてみると、
(結果的に正しいかどうかは別にして)
子育ての環境や将来の住み替え•買い替えまで考慮してかなり綿密に計画を立てている方もいれば、そろそろ今住んでいるアパートの契約が更新なのでそれに合わせて、あるいは家賃がもったいないからといった正直もう少し考えてほしいと思う理由をあげるかたもいます
ライフプランを考慮していない買い方は危険であると考えてください
楽しい生活、しあわせな生活を送るために家を買ってください
家を買うことより、安定した生活のほうが大事
支払額は同じだったとしても、賃貸の家賃と住宅ローンの返済ではリスクが全く違います
賃貸と持ち家はどちらが得か事前にわかることはありません
家賃と住宅ローンの返済は性質が全く違います
家賃がもったいないという考えは一旦横に置いて、リスクとライフプランで判断してください
家を遅く買えばそれだけ長持ちしますから、早く買わないと家賃がもったいないということはない
若い時に家を買えば、老後に大規模改修や建て替えは確実に発生しますから、生涯に支払う住宅の費用はいつ買っても同じぐらいに考えておいたほうが無難です
早く買うと余計にかかる費用もある
買える範囲で一番高い家を買う
チキンレースのように家を決めてはいけないと私はアドバイスしています
教育費や老後の費用が予想以上にかかることがあとからわかり、実は崖から大きく飛び出していたということがあるかもしれません
毎年100万円貯金できている方ならば、収入の減少や支出の増加に年間100万円までなら貯金を取り崩さずに済みます
家を買う際の金銭的なダメージは支出の増加と収入の減少で、主に3つの要素があります
住宅ローン、子育て費用、パートナーの収入減の3つです
家を買うときは「年収の5倍」「返済比率35%」など既存の常識にとらわれないでください
毎年の貯金額と、将来の支出増、収入減から考えると、無理のない予算を把握できます
ある程度の貯金は常に確保してください
目安として最低1年分、可能なら2年分以上です
「返済額軽減型」は繰上げ返済後に毎月の返済額が減るタイプ
「期間短縮型」といって繰上げ返済後に返済期間が短かくなるタイプもあります
利息軽減の効果はこちらのほうが上です
変動金利は、
金利は半年ごと
返済額は5年ごと
返済額の上げ幅は1回1.25倍
という3つの数値がポイントです
変動金利と固定金利の違いは損得ではなくリスクの違い、金利が変動するリスクがあるかないか
表面的な損得の比較にほとんど意味はありません
リスクの異なるものを単純に損得の基準で比較することは出来ません
固定金利は損でも得でもなく「無難(リスクが低い)」
なぜ無難がいいのかと言うと、家を買う時点で既にリスクを取っていますので、金利の部分までリスクを取る必要はないのでは、と考えているからです
通常、変動金利は短期金利に、固定金利は長期金利に連動します
確実に言えることは5年後、10年後に金利がどうなっているかは全くわからない、ということです
また金利は長期金利から上がるのが一般的です
金利が上がったら固定金利に借り変えればいいという考え方もありますが、変動金利が上がるときには固定金利は先に上がっています
「家計は企業と同じように考えるといいですよ」といつもアドバイスしています
企業が潰れるときは赤字になったときではなく手元に資金がなくなって支払いができなくなったときです
これは家計も同じです
貯金さえあれば失業して収入が減っても、病気で支出が増えても耐えることはできます
損得よりリスクを優先する、という原則から考えれば、繰り上げ返済で利息を減らすより、家計の支払いがストップしないように貯金の確保を優先すべきです
繰り上げ返済をすれば利息負担は減ります
その分手元の貯金は減ります
これは損得と資金繰りは両立しない、ということです
資金繰りというのは手元の資金が豊富にあって支払いに困らないという状態です
結果的に利息負担は増えますが、それはリスクを避けるためのコストだと思ってください
将来の返済リスクを減らすための繰り上げ返済のつもりが、やりすぎることによってかえってリスクを増やしてしまう
これは多くの人にとって盲点です
損得の基準しかなければ、とにかく得をする行動をしようということになってしまいますが、リスクの観点で繰り上げ返済を見ると資金繰りの悪化というデメリットが見えます
変動金利で家を買うことはあまりお勧めしていませんが、それは貯金などあまり余裕がない場合の話です
金利が上がるとわかった時点で一気に繰り上げ返済をすればいい
変動金利で住宅ローンを借りている人で「繰り上げ返済をしたいけれど貯金が少ない」というジレンマに陥っている人は、金利が低いうちは貯金を優先すればいいと割り切って構いません
住宅購入のリスクを減らす最も効果的な対策は、家の購入予算を減らすことです
ローンを組んだ後は、一度借りた後に無理に借金を減らそうとすればかえってリスクが高まります
元々お金がないから借金をして買い物をしているわけですから、当然と言えば当然のはずです
せっかくローンを借りた以上、ゆっくりと支払えるというメリットを最大限にいかしてください
繰上げ返済を急ぐと資金繰りを悪化させてかえってリスクが高まります
お金を借りる前と後で借金の意味が変わります
「今は案外余裕があるし収入が減ってもどうにかなるだろう」と考えているご夫婦は多いと思いますが、実際に計算してみると厳しい現実が見えます
「節約で減収は補えない」ということはぜひ覚えておいてほしいと思います
高額出費をしっかりチェックするとそれだけで家計のかなりの部分を把握することができます
支出を管理する、というと食費や公共料金を削る話とイコールになってしまうことが多いんですが、問題はこういった日常的ではない高額出費です
毎月固定的•安定的にお金が出て行く項目は極端に言えば無視してしまっても構いません
重要なポイント絞る、というのは家計管理で上手に手を抜く際のテクニックです
無駄を探すつもりで家計簿をつけても、無駄な支出は案外ないことに気づくと思います
あるのは優先順位の違いだけです
住宅にお金をかけるのであれば車を手放してもいい、お小遣いは減ってもいい、と考える人はいるでしょう
一方でお小遣いが減らされるなんてとんでもないと考える人もいるはずです
保険
「積み立て型=将来戻ってくるから貯金と同じ」と考えている人も多いのですが、将来金利が上がってしまうと「低金利で固定された上に自由に引き出しができない、メリットがゼロの不便な定期預金」になってしまいます
生命保険にも生命保険契約者保護機構というものがあり、
保険会社の破綻時にはある程度の保護がなされますが、貯蓄性の高い保険ほど削減幅が大きくなります
節税が目的なら繰上げ返済のほうがよっぽどお得では?
積み立て型の保険の場合の問題はもう一つあります
保険料が高く資金繰りを圧迫させることです
かといって、すでに加入している場合、早い段階で解約をすると損するのでやめるにやめられない、という悩みもあります